旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

朝倉喬司著「ヤクザ・風俗・都市」 ①  グレート東郷

2005年09月25日 22時41分30秒 | Weblog
               グレート東郷

副題が「日本近代の暗流」である。どこかで読んだような気がするルポである。それもそうだ。初出一覧によると「別冊宝島」への出稿が大半を占める。出版業界の2ちゃんねるである「別冊宝島」はかなり読み込んでいる。間違いなく過去に読んだルポもある。

「日系人プロレスラーに見る黄色い禍」という記事については、似たようなわたしの意見を過去ここのブログにも書いた。わたしは、敗戦国対戦勝国の対立軸でグレート東郷について述べたが、朝倉は、「黄色い禍」つまり「黄禍」を軸にして日系のプロレスラーを論じる。

『おれが今度日本から連れてきたレスラーは、トヨタ・ニッサンと同じだ。性能は抜群。なんたって優秀な技術でつくりあげたマシーンみたいなものさ。そこにいくと相手のあいつらはなんだ。できたときからポンコツ同然。クライスラーやフォードみたいなもんじゃないか。ろくに道路も走れやしない。おまけに不人気で赤字続き。日本の商品ばっかり買ってるバカなアメリカ人の代表選手だ。これで勝負になるわけがない。』と日系のプロレスラーであるミスター・フジは、観客のアメリカ人たち向けてにくまれぐちをたたく。
それでも朝倉は、このミスター・フジといえどもグレート東郷の迫力とヒールとしての存在感には遠く及ばないと言い切る。


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