待ち焦がれた金曜の夜だ。木田元さんの「反哲学史」の続きを読もう。よい入門書に出会うと、こころのどこかの哲学に火がつく。こういう幸福な時間に読まないとストレス(精神的緊張)になる。木田元さんの本を10冊は買っている。そのほとんどが行方不明というのが悲しい。
目の前にやはり木田さんの「ハイデッガーの思想」(岩波新書)がある。哲学書に対する読書傾向が、より分かりやすい日本語で書かれた著作にシフト(移動)しているので、ハイデッガーは避けて通る。
「反哲学史」に続けて、プラトンの対話篇「国家」でも読むとするか。主役はソクラテスで、その舌鋒の鋭さには畏敬の念さえ覚える。しかし、著者はあくまでプラトンなのだ。思索放浪時代のデカルトも、「国家」のなかでも展開されるプラトンのイデア論に随分手を焼いたようだから。