旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

タヌキ

2009年05月19日 22時53分14秒 | Weblog
キュウリの苗が3本やられた。原因は「根食い虫」らしい。管理人さんと根元を掘り起こしてみても見つからない。残りの苗も危ないようだ。「こういうことはよおあることじゃけん。」と慰められる。これが農園なのだ。家庭菜園やプランターのような具合にはいかない。

自前の苗を育てるように管理人さんから指導された。奴にやられるたびに苗を買って植えると不経済このうえない。自前で種から苗を育てることになった。育てば奴にやられることはない。奴を見つけて八つ裂きにするか、やられるたびに苗を植えかえる。奴との闘争が始まる。敵は黒っぽい姿をした青虫という風態と聞いた。

オクラがアブラムシに少々やられていることが気にかかるくらいでトマトにナス、スイカにマクワウリ、ピーマンは順調に育っている。トマトとナスは脇芽を摘んだ。インゲンとホウレンソウは一斉に芽を吹いた。サトイモはまだ芽を出さない。

気がかりなトウモロコシが成長を始めた。管理人さんにタヌキ対策について聞いてみた。「利口なけだものなので害を防ぐのは難しいわいの。ま、農園でサツマイモを育てとるけん、そこのイモを食い尽すまではここまでこんけん安心しんさい。」というご宣託である。

(なに?トウモロコシのみならずサツマイモまでタヌキから狙われている?)「いやあ、わしはトウモロコシがタヌキにやられんか思うて心配しとるんじゃが。」と応えた。管理人さんは「まあ、タヌキにトウモロコシを食べられとうなかったら周りにネットを張り巡らせてタヌキが近づけんようにしとくことじゃね。ほうよほうよ、カラス対策もやっておかんといけんよ。カラスも利口な鳥じゃけんね。」と言い残してそそくさと場を去った。管理人さんはもちろん近くの農家のひとである。

農園は山間にある。カラスが鳴くと彼方の山の中からタヌキの高笑いが聞こえたような気がした。