旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

ワールドカップ

2006年06月27日 11時04分31秒 | Weblog
好きな格闘技「K-1」では20キロ以上の体重差があると、体重が少ない方が対戦の条件に変更を加えることができます。体重差によるハンディーを解消しようとする試みです。プロ同士ですから、残念ながらいまだこの権利が行使された試合はないように記憶しています。

しかし、サッカーの場合、体重差が20キロ・身長差が10センチもあると試合になりにくいのも事実です。全体重をのせられてアタックを受けるた際のダメージが軽重で数倍は違います。体重差の壁を突破する際の消耗の度合いの差も、実感として数倍はあったように記憶しています。

特に、わたしは小柄だったので体格差がもたらす圧力について実感できます。2年生まではウィングをやっていました。3年生になってセンターフォワードをやりました。日本代表でいうと玉田から中田のポジションです。県の体育大会では3連覇しました。(といっても、当時、中学校でサッカー部があるのは県下でも20校程度でした。)

このチームで、サッカーの名門、修道高校(確か、全国制覇直後)の二軍と試合をやったことがあります。まさに体重差と身長差で圧倒されました。

ポイントゲッターのo君はひげの濃いバックスの大男ふたりにマークされて、ファール寸前の防御で徹底的につぶされる。フォワードがヘディングにかかろうとすると、後ろから肩を押さえられる。レフリーが注意すると、下から顎に頭突きを喰らわされそうになったので緊急避難したとほざく。ゴール前を突破しようとすると、ボールというよりもこっちの体をめがけて大男が奇声を発しながらスライディングを仕掛けてくる。

当時のルールでは「注意」と「退場」のペナルティしかありませんから「注意」なんて有形無実。よほどひどいことをやらないかぎり「退場」になることはありませんでした。技術もさることながら、われらイレブンは容易に体格差で粉砕されたのです。

「後出しじゃんけん」ではありません。対オーストラリア戦を含めて、わたしの予想はことごとく当たりました。対オーストラリア3対1で負け、対クロアチアは良くてドロー、多分1対0で負け、対ブラジルが5対1で負け。ほぼ当たりました。

予想通り、体格の差が致命傷になりました。ヘビー級とミドル級では、勝負になりません。ジーコ監督もワールドカップの敗因が体格差にあったと、つい最近述懐しました。

全国大会に出場した、わが母校のサッカー部員の父兄が言いました。初戦で「国見」と当たる。身長差が10センチ以上ある。実力もさることながら、この身長差じゃとても勝てない。

余談ですが、ン十年前。野球をするにはユニフォーム、グローブ・バット・スパイクが必要です。その費用に不自由した家庭の血気盛んな青少年たち、がサッカーに走りました。広島市郊外の田舎町では、サッカーは貧しい不良たちのスポーツでした。