昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

想い出日記(夜間高校:6)

2005-03-27 20:53:59 | じゃこしか爺さんの想い出話
   ☆予餞会
 学校初の卒業生を送るための予餞会が開かれる事になり、在校生各クラスで一つの催し物を用意する事が決められた。楽しめるものなら何でも良いと云うことで、私達のクラスでは寸劇を出すことに決めた。やはりこれも年長者ということから私がその寸劇の素案作りを任せられた。色々と思案した挙句、最近化学に授業で習ったばかりの「王水(濃塩酸と濃硝酸の混合液で金を溶かす)」を利用した犯人探しのクイズ物に仕上げた。
 
 その内容は、ある空き巣常習者が科学者の家に忍び込んだまでは良かったのだが、目当ての現金は見当たらず、また他に目ぼしい物が無く諦め掛けて居た矢先に、化粧台の隠し小箱を見つけその中に在った黄金の指輪を見つけた。そこで直ぐに退散すれば良いものを、欲に目が眩み長居したのが運の尽きで、其処の家の主人が帰宅した。
 空き巣は咄嗟の判断で離れの部屋に身を隠した。其処は主人の研究室だった。家に入って異変を感じた主人は直ぐに110番して警官を呼んだ。
身体窮まった犯人は{家に忍び込んだだけで、未だ何も盗っていない」と云い逃れる為に、折角手にした指輪を其処にあったフラスコに入れて戸棚の置くに隠した。}後で再び忍び込もうと思ったのである。

 やがて犯人は警官に捕われて尋問されたが「知らぬ!存ぜぬ!」の一点張りだったが、指輪のケースが空で投げ出されていた事から、犯人の仕業と断定され厳しく調べられ、身体検査までされたが遂に出て来なかった。犯人が隠したフラスコも見つけ出されたが其処にも無かった。

 さて犯人が盗った黄金の指輪は一体全体何処へ消えてしまったのだろうか?この消えてしまった指輪の行方は・・・この謎解きがこの寸劇のテーマーであって、この謎を卒業生に解いて貰ってその正解者には賞品を与えると云う筋書きである。

 全体を通してのリハーサルはなかなか都合は付かず、放課後を利用して行われたが、それも汽車通学者の終列車の時刻などから細かく刻んでやるより他は無かった。
全クラスの総練習は、予餞会の会場となる近くの小学校の体育館で、当日前夜に行われ、その時初めて全体通してのリハ-サルが出来て安堵し、お互い多いに自信を持った。 

 予餞会は各クラスの色々な演し物で盛会であった。本格的合唱から流行歌の合唱・漫才・コントetc、劇は私たちのクラスだけで評判となり、私は多いに面目を得た。
 
  ☆ 続く

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