マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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番条町・環濠に弔うイロバナ①

2021年12月16日 09時14分12秒 | 民俗あれこれ(葬送編)
所用で伺った大和郡山市の番条町。

昨年の令和元年5月11日。

当日は、奈良県立民俗博物館主催の「国際博物館の日」記念プログラム講演会があった。

大和民俗公園内施設にある旧萩原家住宅の茅葺屋根の全面葺き替え作業をしておられた茅葺職人さんの講話だった。

番条町にある大和棟民家もまた茅葺き。

云十年ぶりの葺き替え工事に就いた職人さんは、旧萩原家住宅の葺き替え工事を終えて、今は番条町民家の仕事をしていると知って出かけた。

講話してくださったお礼を伝えたくて立ち寄った。

忙しい作業時間の合間にしてくださったお話もまた民俗。

さまざまな体験談に学びがある。

長居に仕事の邪魔をしてはならない。

お礼に、職人さんが葺き替えをされた旧萩原家住宅をとらえた映像が掲載されている図録を手渡した。

これも何かの縁と思って差し上げた。

それから拝見した、現在作業中の茅葺き民家。

直接、作業をしている場は撮らない。

葺き替え工事の依頼主の断りなく撮るわけにはいかない。

そう判断して外観から眺めることにした。

番条町の環濠は、集落の北から東側から南にかけて。

昔の面影が見られるところは限られる。

ぐるっと廻って集落巡り。

バス停近くからの眺めもいい。

北に南も眺めていたそこにあったイロバナ。

さて、これは何だろうか。

奇麗なお花は立ててからそれほどの時間は経っていない。

たぶんにお庭に咲いているお花を飾ったのだろう。

縦長の花瓶は土に埋めている。

その傍に小皿もあることから弔いの花であろう。

3年前の平成28年7月1日

場所は田原本町の唐古。

天理市の庵治町との境界に近い場。

川の名前は存知しないが、土手というか堤防に花瓶。

ここ番条町と同様にイロバナを飾っていた。

その場は、亡くなった愛犬を弔う場だった。

つくりが似ている環濠傍のイロバナは、愛玩していた動物の弔い場ではないだろうか。

真相を知ったのは、それから3カ月後の7月17日だった。

(R2. 4. 5 EOS7D撮影)