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マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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石木町登弥神社の元旦

2012年02月13日 06時51分16秒 | 奈良市へ
大晦日から元旦を迎えた各地の氏神さん。

奈良市石木町の登弥神社では12月31日の午後6時に除夜祭、1月1日は朝8時から歳旦祭を営まれていた。

2月1日の粥占祭で名高い神社である。

この日は我が家にとっても初詣。

家族ともに参拝した。

地域の氏神さんは植槻八幡神社であるが、遠くまで歩かねばならないからおふくろの足では到底歩ける距離ではない。

我が家は異なる自治会だが主水山近隣。

本来の住所は小字が主水山だ。

登弥神社の氏子三か大字の一つにあたる。

正確に言えば東城村の主水山である。

近所の人たちも同じように登弥神社へ参る人が多い。

手を合わせた拝殿には15個もずらりと並ぶモチと酒。

大字の氏子たちが供えた御供である。

その御供は現在形。

実は時間帯によって変化しているそうだ。

というのはカガミモチと呼ばれる重ねモチを供えた人は酒を貰って帰る。

酒を持ってきた人はモチをお下がりに持ち帰るという物々交換のような様相の御供であると話す。

そう話す宮司と大和田、石木、城の三カ大字の総代たちはとんどに火を点けて三が日間も参拝者を待っているという。

宮司自らおみくじや破魔矢を販売する同神社の参拝は氏子圏外の西ノ京や六条山のほうからも訪れると言う。

元日に振舞った甘酒はたった一日で400カップもさばけたという。

大和田のS総代に大字のことを伺った。

総代は3年が任期。総代したその年はミナライ。

同大字では五つの座があるという。

奥谷の座、奥戸の座にイマニシの座、イケダの座、サワイの座である。

どうやら戸主制になっているような座名である。

奥戸の座は終身制で養子入りも認めるそうだ。

生まれた日の順に座入りする男児。

「ぐずぐずしていたらヨソの座にとられてしまう」から早めに手を打たなければならないと話す。

仮に息子が生れて戸主の座に属するのが一般的だが、大和田の場合はその家でなくても構わない。

いずれの座に属するかは早い者勝ちだという。

結果的には家のなかでも異なる座に属する、ということになっているようだ。

本来は七人衆で構成される座ではあるが、入れることができなくて五人になった座もあるようだ。

昨年はS家で1斗5升のモチを搗いた。

昔は杵で搗いたが今は電器。

座入りする際にはモチゴメを供出するという。

「入ってくれんときは7人衆がだしあってモチを搗く」そうだが人数次第でモチの大きさが違ったと話す。

秋祭りにはその五座が参列する。

代表の座頭(ざがしら)が祭りに玉串を奉奠するという。

S総代が付け足して言ったモチの話題。

「供えたモチは家で搗いたもの。

店舗で売られている流行りの鏡餅パックは米を粉にしたもの。

粘りを付けるために葛を入れている」という。

(H24. 1. 2 EOS40D撮影)