マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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大和郡山市内の砂撒き

2012年02月06日 06時47分00秒 | 大和郡山市へ
神さんの通る道だとされる大和郡山市内の砂の道の風習を探している。

近くの川から奇麗な砂を掬って持って帰る。

それを大晦日の夕方までに家の周りに撒いていく。

それは一本の直線にする。

表口から玄関口へ。

蔵へも繋げたという話が残っている。

隣近所がするので通路は一本の道として繋がっていく。

それは神社にも見られる。

神社側では宮守さんとかトーヤらが撒かれる。

神さんはその道を伝って家にやってくるとされる。

歳神さんをこうして迎える道ができあがる。

数年前に見つけた市内の砂撒き。

今年もされていることだろうと再訪した。



平城京の南端にあたる観音寺町は八幡宮に砂を撒いていた。

それは集落まで繋げている。

以前は町屋の人もされていたがアスファルトの道になってからは見かけなくなった。

同町から道路を隔てたところに野垣内町がある。

春日若宮社に末社の住吉神社などを祀っているところだ。

ここは神社周辺の道路まで撒いている。

一年交替の宮守さんが替ってもこの風習を続けている。

神さんの通る道は昼間にはしないと言っていた。

それは通行する人が多く、撒いても崩れてしまうからだと言っていた。

最近は早くなったのか午後2時半に訪れた時間には既に撒かれていた。



自転車で走っていく人にはその道が目に入らないのだろうか。

同神社では注連縄に伊勢海老が括りつけられている。

珍しいのでこの年も撮っておいたが小ぶりになったと思う。



こうした砂撒きは市内を採訪してみると多くの旧村でされていたことが判ってきた。

それは観音寺町、野垣内町から南側に位置する。

高田町、天井町、番条町、井戸野町、発志院町、馬司町、横田町、伊豆七条町、長安寺町、八条町、額田部町、新庄町などはかつて砂撒きをしていたと聞き取った。

それらは佐保川(大和川)にほぼ沿っている。

西側では小南町、池之内町、椎木町がある。

こちらは富雄川に近い。

杉町や丹後庄町ではしていなかったと聞いている。

横田町では墓地も撒いていたという話を聞いたことがある。

未だ聞き取りができていない地域もあるので、すべての旧村状況調査を終えるのはまだまだ時間がかかる。

(H23.12.31 EOS40D撮影)