マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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矢田坐久志玉比古神社敬神座の注連縄造り

2012年02月01日 06時46分25秒 | 大和郡山市へ
矢田坐久志玉比古神社の大綱は北座、南座の宮座組織によって1月2日に作られる。

同月8日にはその大綱を鳥居や主人神社に掛けられる。

その大綱以外の各種の注連縄は敬神座の人たちで作られる。

南矢田の清水地区や垣内地区の人らが敬神座だ。

今年の2月6日に行われていたとんどや御日待講の祭典をされていた馴染みの顔ぶれだ。

敬神座が奉納される注連縄には特大の綱が3本。

拝殿や楼門、斎館に掲げられる。

大は2本で大杉、中門に。

中は4本とあって神饌所、本殿や八幡神社、神庫、手水舎となる。

小さな注連縄は祓戸、船戸社、主人神社の鳥居、若宮、主人神社、八坂神社、社務所、北座・南座・敬神座詰所の10本である。

長さはそれぞれ掛ける場所によって異なる。

太さをそれぞれに分けているから作業をする人たちも相応に分担する。

いずれも作業場は敬神座詰所である。

陽が暮れるころ藁束を手にした座中がやってきた。

この日は寒波が到来した日でもある。

強い風が吹き抜けてとんどの火も風に伸びていく。

「寒い日やな」と声がでる日だったが、綱作りは詰所の中。

ストーブも用意したが作業の熱気ですぐに身体が温まる。

畳敷の座で綱を結っていく人たちは慣れた手つきだ。

一方、大きな綱は梯子を伸ばして太い藁束を挿し込んで撚っていく。



かつては「チョーサジャ チョーサジャ」と掛け声をかけて撚っていた。

掛け声をかけると呼吸も合って気合がはいると話すNさん。

社務所を建て替えるまではそこの土間で綱を作っていた。

櫓を立てて大綱を。

小さな注連縄は蓆を敷いてところで編んでいたという。

詰所になってから掛け声が消えたという。

その「チョーサジャ」は「長者」を意味しているのだと話す。

約1時間半かけて作られた各種の注連縄。

外は真っ暗になっていた。

作業を終えればとんどの火に集まる。



慰労の場は宮司自らお神酒などを配っていく。

神社の祭祀組織への温かい真心を感じる。

以前は終えた時間がもっと遅かったと話しながら次回の作業日を相談する。

「来年の25日は平日。24日は祭日振替日。20日以前の日曜日、或いは11月末でも構わない、それなら藁打ちをしなくともしっかりした藁なので助かるのだが」というような意見もだされたが役員一任で締められた。

(H23.12.24 EOS40D撮影)