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マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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矢田東村のツナウチ

2012年02月12日 07時57分43秒 | 大和郡山市へ
宮座組織の北座(左座、右座)、南座、敬神座によって年中行事を斎行されている矢田坐久志玉比古神社。

1月8日には鳥居や主人神社に大綱を掛けられる。

その大綱を作るのは北座の東村、中村、横山地区の人たちで、1月2日に作られるのだ。

拝殿で大綱を作られるのは横山と中村だが、東村では当番の庭で作られる。

綱を作りに当番の家に集まって来た5人。

木製の梯子を屋根に掛けて太い綱を撚っていく。

そんな様子を見守る当番の家のご婦人。

女性は立ち寄ることができないと話す。

綱を撚る二人に藁束を手渡す人。

長くなった綱を奇麗に挟みで刈り込む人はそれぞれ交替しながら作業をしていく。

「チョーサジャ チョーサジャ」の掛け声をかけながら綱を編んでいく。

掛け声があるから気合が入って綱を力強く編むことができるのだという。

60年間も綱を編んでいたという男性が言うには、雪は何度も降ったことがあるが雨は滅多にないと話す。

「心配することない。そのうち止むだろう」と話す。

始める前は雨がしとしと降っていたが、やがて小ぶりになって雨は消えた。

藁束は1軒あたり12束持ってくる。

以前は6軒だった東村。

田んぼをもっているのは2軒。

刈りこんだモチワラは蔵で陰干ししておく。

そうすれば青みが残るという。

編んだ綱は目換算でおよそ18m。

昔はもっと藁が多かったから26mぐらいあったと話す。

出来上がった綱は折りたたんで二重にぐるぐる巻いていく。

始めに適度な長さに折り返す綱は4本。

それが心棒になる。

両端を細藁で縛って固定する。



そして心棒の綱をくるっと回しながら、それも浮かして巻いていくのだ。

大きく上に揚げて綱を仕立てていく。

最後まで巻いたら両端を微調整する。



そうして完成した大綱は形を整えて同家の玄関口に納められた。

頭は海老の髭で脚は丸い姿。

それは見事な「海老」と呼ばれる大綱であった。

およそ1時間で終えたツナウチはこうして終えて8日の朝に神社へ持ち込まれる。



同時間帯に作られていた中村と横山の大綱は矢田坐久志玉比古神社の楼門に置かれていた。

東村では海老と呼ぶ大綱であるが、その2体は特に名前はついていないようだと東村の人たちはいう。

(H24. 1. 2 EOS40D撮影)