悪代官がいて、虐げられた善人がいて
正義の体現者であるヒーローがいて
この三項連結の構図を心深く埋め込み
一喜一憂し、思考し、いとなまれる生世界があり
(不易の思考のトライアングル)
この構図に準じて筋書きをつくり
善悪、正邪の熱狂をプロデュースしながら
無キズの場所を確保し、稼ぎまくる存在がいて
(修正されざる歴史、惨劇のリフレイン)
呑み込まれ、動員され、収奪され尽くされ
無念の涙に暮れたまま滅びてゆく
数えきれない悲しすぎる存在がいる
(歴史の反復を脱することを願うかぎり)
あまねく共有された不易の構図をほどき切り
三項すべてを混ぜあわせて溶かすように
新たな思考の方法を身につける必要がある