鼎子堂(Teishi-Do)

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『百鬼夜行・陽:京極夏彦・著』~杞の国のひと、『榎木津幹麿元子爵』に学ぶ・・・。

2012-05-31 22:53:40 | Weblog
お天気・・・下り坂。
会社の事務所は、寒いのに、自販機の暖かい飲み物は、sold out・・・!


杞の国のひと・・・空が堕ちてくるのを心配して、夜も眠れず、食事も取れず・・・取り越し苦労で、心配性のひと・・・杞憂の語源となったひとですが、私は、間違いなく、杞の国のひとの遺伝子を受け継いでいると思います・・・なんてことは、何回もこの拙なブログの中で書いております。
今回は、杞の国のひとシリーズ・・・何回目だった忘れましたが・・・。

さて、今日のお題の『榎木津幹麿元子爵』ですが、元子爵というから、旧華族です。
博物学を愛し、ボルネオ?まで、バッタを取りに行く・・・ようするに馬鹿なのだ・・・と息子さんの礼二郎さんに言われております。

京極夏彦氏のご著書である中禅寺秋彦シリーズに登場するサイコ探偵・榎木津礼二郎氏は、見えないものが見えるという特異体質を活かして、探偵業を始めますが、子供の頃、この超常現象?を、父である幹麿氏に相談します。

幹麿氏曰く・・・

---困るのかい---

まあ、困ると言えば、困るのだが、困らないと言えば困らない。痛いわけでも苦しいわけでもないし、恐いわけでも悲しい訳でもない。ややこしいだけである。
礼二郎氏がそう答えると

---ならいいでしょう。

と受け答える。(出典:『百鬼夜行 陰 :京極夏彦・著--(目競)』より)

いいのか・・・。そう・・・たぶん、いいのでありましょう。

無駄にお金のあるひとで、来る日も来る日も役に立たないことにうつつをぬかし、今もぬかし続けていて、虫を捕ったり(キリギリスを取りに行って、土手から自転車でコケたり?)、美術品を眺めたり、書をしたためたり、物見遊山をしたり浮世離れした生活をしていらっしゃるようです。

怒る事もなかったかわりに、他人を甘やかすこともしないひとらしい。

成人した息子を養育する義務はない、二十歳の誕生日を迎えたら、各自自活せよと、生前贈与ということで、ビルヂングが、幾つか建つくらいの遺産を分け与えて、二人の息子をさっさと家を追い出してしまいます。
この先、息子たちの生活は、一切関わりなし、この先、元子爵が、どれほど、儲けようとも、息子たちには、ビタ一銭渡さないという決意表明だったようです。

困らなければ、いいでしょう・・・。

榎津幹麿元子爵のお言葉に、杞の国のひとは、困らばければ・・・いい・・・というスタンスに、偉く感動してしまいました。

ワタシの場合、自分で、困った状況を作って、誰も困らないのに自分だけ困ってたりするし・・・。

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