どんよりと曇りがちな日が続く・・・。
もう半月前になるけれど、映画『うぉっしゅ』を鑑賞。
漠然とした生活の中で、自身の仕事に、劣等感を感じているソープ嬢が、母親の緊急入院で、認知症の祖母の介護をする1週間の物語。
昼間は、祖母の紀江(演:研ナオコ)の、夜は、ソープランドで他人の身体を洗う加那(演:中尾有伽)。
金銭的には、余裕があるものの、一種の買い物依存症。家政婦を雇ってはいるものの、自身の部屋は、散らかしっぱなし。
祖母は、加那の顔すら覚えていない。
比較的おとなしいけれど、感情が起爆すると手がつけられない祖母を相手に四苦八苦。
それでも、二人で、髪をピンクに染めて、お洒落をして、車椅子で買い物に連れて出し、ソープ仲間と回転寿司に行ったりして、祖母もそのときは、楽しそうだけれど、すぐに忘れてしまう。
一週間の間に、同僚のソープ嬢が、仕事を辞めて去っていく。
隣人で幼馴染が、同級生と結婚していて、既に妊娠中。
あまりにも、(所謂)普通の人たちと違ってしまった自分自身の生活に、新たな悩みは深くなっていく。
母の退院が近くなって、介護生活から解放される日も近づく中、若かった祖母が、テナーサックスの演者だったことをしり、過去の彼女の青春時代を垣間見た・・・。
『職業に貴賤はなくて、働くひとは、みんな尊い。』
祖母の言葉で、加那の心は、開かれていく。
映画の宣伝フィルムをみた限りでは、コメディなのか・・・と最初は、思っていた。物語が進むにつれて、これは、真面目な介護映画?なのだと。
研ナオコのボケっぷりが半端なくて、笑ってしまったり、悲しくなってしまったりで。
祖母と孫娘の外出は、青空にカラーボールがあふれ出す綺麗な演出。
演者の中尾有伽の色白と透明感のあるヴィジュアルが、映画に華を添える。
オトナの御風呂屋さんと介護には、なにかしら共通点があるのかもしれない・・・と考えたり。
なかなか深い作品のような気がする。