久々に朝から、快晴。
梅雨の晴れ間。爽やかな初夏日和。
寝具の洗濯。キッチン・シンクの清掃。
午後から、やや強い風。時々轟音。
梅雨の晴れ間なのに、湿度が低くて、凌ぎやすい。
こんな風の吹く日は、母の葬儀の日を思い出す。
洗濯物を取り込みながら、やはり私は、探してしまう。
ベランダから見える玄関に続く木立の路の入口に、母が、歩いて来る姿を。
ふと・・・。
気が付くと、母が居ないことを思い出す。
思い出す・・・???どうして・・・???
母は、もう・・・1年と3か月と6日前に、この世から去ってしまっているというのに。
でも・・・。
いつも思い出すの・・・。
ああ、母は、もう居ないのに・・・。
私は、いつもいつも、母を探してしまう。
夕刻に。
あの夕暮れチャイムが鳴りだすと、また母を探してしまう。
いつも近くにいるから、もう探さなくてもいいのに。
でも、母は、遠くに行ってしまったから、もう探してもいない・・・。
私のバカ脳は、まだあきらめていないんだ。
夕食後、うとうと居眠りをして、ふと気が付くと、階下の茶の間に、母が居て、ああ、夢だったんだね・・・。
随分と長い長い夢をみていた・・・。
やっぱり、生きていたんだ。
今迄の1年3か月と6日間。
どんなに辛い夢だったんだろう・・・。
だから、これは、夢で、母は、ちゃんと階下に居て、テレビをみながら、居眠りしている。
だから、ご飯を作らなきゃ。
御茶と薬も用意して。
・・・でも、気が付くと、やはり夢ではなくて・・・。
母は、私の居る世界には、もう居ない。
・・・でも、いつもそばにいる。
そばに居ても、見えないし、触れることもできないのに・・・でも、こんなに近くにいる。
いつもいつも、近くにいるんだけれど。
でも、でも、でも・・・やはり、遠くにいるんだね。
遠くて近い、近くて遠い・・・。
そして、母がどんどん遠くなる。
でも、でも、でも・・・そんなに遠くない日に・・・私は、母に逢えるだろう。
母が、どんどん近くなる。
遠くて近くい、近くて遠い・・・そんな母の存在。