鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

映画:犬王*多少ネタバレあります。

2022-06-08 21:51:11 | 演劇・映画

くもりがち。時々小雨。低温。

 

昨日(7日)。

母の月命日で、墓所を訪れたその足で、隣市・シネコンへ。

映画『犬王』を鑑賞。

 

最近のトレンド?というか、ひとの心の中に棲む悪意とか、呪いが、醜悪な形となって顕現する呪術廻戦、鬼滅の刃的な要素(鬼)、それを平家の呪いと言う器に入れて、そこに能楽の始祖である田楽舞、猿楽と言った芸術分野のカテゴリーを舞台にしたのでしょう。

呪術廻戦、鬼滅の刃が、普遍的なヒトの心の闇を扱ったのに対して、犬王は、個人的な父親の野望と憎悪、狭い範囲の平家の怨念だったので、わかりにくくなってしまって、友魚、犬王ともに、添え物的に?なってしまったかのような???

 

海に沈んだ平家の宝物を開封したために、自らは失明、父親は、死去という友魚。

同じく楽面に込められた呪いに願をかけ、生まれる子供を差し出した犬王の父親。そして、その犬王が、見るに堪えない奇形となり生まれ・・・。

 

二組の父親と息子のフラクタルなのだろうけれど、関連付けするには、なにやら不足感が否めず。

 

生きて、奇形の息子を放置する犬王の父。

死して、なお、息子を守護するように霊体と化して、現れる友魚の父。

 

犬王の奇形は、エレファント・マンを思い出させるし、自分から見世物になり、芸術を極めていく道を選んだようですが、最後、その道の覇者・完成者である世阿弥とひと勝負あっても良かったかも?

室町時代は、世阿弥抜きでは、語れんでしょうから・・・(と思っているのは、たぶん私だけ・・・???)

 

歌の尺が、少し長すぎ感もありで。

 

そして、たぶんですが・・・十年(つまりひと昔前)では、商・興行ベースに乗せるには、ちょっと難しいのでは???・・・と思われるような作画が、最近では、様々に映像化されるのは、たぶんCG様の進化なんでしょうかね?

美醜の基準は、あってないようなものなので、

 

怨霊達を鎮め、祓い?終わった犬王は、おぞましい形から、普通の人間に戻りますが・・・そのヴィジュアルが、何故か、デーモン小暮閣に、よく似た造形でありました???

 

今年の初め頃、深夜系アニメで、オンエアされていた『平家物語』は、高野文子の作画であったけれど、同じ『平家物語』をベースにした『犬王』の原作?作家・古川日出夫が、オッドアイを持つ未来予知の超能力者のびわと平重盛を主軸として、或る意味、ファンタジーっぽく仕上げていて、多少の違和感を否めなかったのが記憶に新しいです。

 

去年、今年あたりから、物質の時代から、心の時代への転換期・・・とか言われていて、過去の遺物であった呪いや怨霊が、テーマとなり始めたのは、愚民を何処か(メタバースとか???人口削減肯定とか???ムーン・ショット計画とか・・・???)への誘導か・・・と思ってしまうのは、私がひねくれているから・・・でしょうかね。

・・・最近、映画とか、ドラマとか、本とか、素直に楽しめなくなってきています(つまり、離れろ!ってコトなのかな)