未熟なカメラマン さてものひとりごと

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上下ひなまつり

2011-03-17 21:58:07 | 行事


先日、広島県府中市上下町のユキワリイチゲを見た帰り、上下の古い町並みを訪ねました。こちらでは、2月19日から3月21日まで第6回上下ひなまつりが開催されています。特に3月5日(土)6日(日)の2日間はメインイベント「でこ市」が開催され、当日の5日は、天気も良く大勢の人で賑わっていました。幸いなことに、町並みから一番近い、駅の駐車場に何とか車を停めことができました。さあ、町並み散策スタートです。

この上下(じょうげ)という町の名前の由来ですが、町の中心部が、芦田川水系と江の川水系の分水嶺になっていることから付いたそうです。上下はかつて幕府の天領として、また石見銀山からの銀を運ぶ中継地点として栄えました。今でもメインストリートを歩くと、白壁やなまこ壁、格子戸といった懐かしい町並みが続いています。


昔のこの町並みを写した写真を見ると、UFO型のオレンジ色の街灯でしたが、最近、重要伝統的建造物群保存地区でよく見るレトロ調の街灯に変わり、いかにも商店街というイメージから古い町並みへと、随分イメージも変わりました。ただ気になるのが、白壁がきれいすぎること。でもこれも年月とともに馴染んでくるでしょう。

さて、このひなまつり、通りに面した店舗や民家約80軒にひな人形が並び、随所に餅花が飾られます。春の訪れを告げる行事として、この山間の町も一年で一番の賑わいを見せます。
ちなみに「でこ市」というのは、明治~昭和初期にかけて、毎年2月末に出産祝いなどに贈る土人形(でこ)を売る市のことで、当時は各地からの買い物客でごった返していたそうです。この「でこ市」の再現として上下ひなまつりが始まったと聞きました。
そうそう、この町の出身者で有名なのが、俳優の平幹二朗さんで、最近はアンガールズの田中君(髪の短い方)がいます。

 今回は入館しませんでしたが、通りの奥には翁座という大正時代に建てられた木造建築物(劇場・芝居小屋)があります。かつては、高田浩吉さんや、鶴田浩二さん、大友柳太郎さんも出演したそうですが、近いうちに閉館するそうです。これも時代の流れなのでしょうが、かえすがえす残念です。
さて、この町並み一番のシンボル的建造物といえば、やはり上下キリスト教会でしょう。明治の時代、当時の財閥角倉家の蔵として建築されたものでしたが、戦後、キリスト教会に買い取られ、屋根の上に独特の塔が立っています。町並みの紹介の写真には、ほとんどこの建物がどこかに入っていますので、他で見ても、上下だとすぐにわかるわけです。



さて、今日のでこ市、約70店の露店が並んでいました。焼きそばや手打ちそば、焼き鳥や、つきたての草餅もあります。また、豚汁、ぜんざい、お茶席もありました。通りは大勢の人でいっぱい。観光バスも繰り出しています。着物姿で歩く若い女性連れ、また着物を着て販売する人も多く、白壁の町には情緒が漂っていました。
 どこか往時の賑やかさを見たような気がしました。静かな町並み散策をと思っていましたが、これはこれでまた活気ある別の姿を見ることができて、よかったと思います。手打ちそばのお店のテントで温かいそばをいただき、焼き立ての焼き鳥を食べながらそぞろ歩きました。また店先の赤い毛氈の敷かれた縁台に座り甘酒をいただきながら通りを眺める。小春日和のほっとする、いい感じのする午後のひとときでした。

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