朝陽を受けて鮮明さが増す花ハス
今年も広島県世羅のやまびこ農園に花ハスの撮影に行ってきました。5時に起床、5時半に家を出発しました。日曜日の早朝、さすがにこの時間の交通量は少なく、いつもは渋滞にかかる府中市内もなんなく通過しました。それでも出発前からずっと気になっていることがありました。車のガソリンがあまりなかったことです。目盛はあと二つになっていました。走行可能距離は120キロと表示されていました。当初120キロもあれば十分に行って帰れるだろうという読みは、だんだん心細くなってきました。
途中に24時間営業のセルフ式ガソリンスタンドは、いくつかありましたが、ハス畑に朝陽が射しこむようになると撮影はかなり難しくなってくるので、少しでも早く現地に着きたいという思いがそれに勝っていたのです。それでも府中市内を過ぎるころには、走行可能距離は70キロになっていました。目盛はあと一つです。こうなると、この車も4年目になるけれども、ここまで少なくなって乗ったことは過去になく、果たしてこの数字は信用できるのだろうか、という疑心暗鬼にも陥って、最後には、いざとなればJAFか自動車保険のロードサービスでも呼べばいいやと居直る始末。おまけに、うっかりナビのとおり進むと、車が一台やっと通れる山道にも入ってしまいました。まさに踏んだり蹴ったりでしたが、何とか目的地に到着することができ、まずは一安心です。
そもそも焦りがいけないのだ、ここは撮影に集中して落ち着こうと思いました。
やまびこ農園は、今年で4年連続4回目になります。さすがに1.2年目ほどの感動はありませんが、無垢で大きな花を見ていると心が癒される感じがします。すでに車が5.6台停まっており、7.8人の先客がいました。カメラ教室の方々でしょうか。皆さん一列に並ぶ感じで三脚を構え、先生と思われる人からレクチャーを受けていました。このハス畑には、ハスが種類ごとに区分けして植えられていますが、全体的につぼみが目立ち、昨年に比べると少し開花が遅れているようでした。傾斜地にハスの大きな水田が4つ並んでいます。主に中の二つの畑に開花が見られました。いつも朝梅雨で靴やズボンのすそが濡れてしまうのですが、今回は長靴を用意していたのでその心配もありません。一番のお気に入りは、ミセスローカムという品種で、咲き始めの美しさは、まるで白桃のようです。
鳥の鳴き声が聞こえ、トノサマガエルが人の気配に驚き田んぼに飛び込んで「ポチャン!」と音がします。そばでウシガエルが「ゲーゲー」と低い声で鳴き、トンボが音もなく飛び交う、里山のなんだか懐かしい風景がそこにありました。
じっくり三脚もいいのですが、今回は心の余裕もなく手持ち撮影にしました。40枚ほど撮るとついに朝陽が射しみ始めました。射し込み始めのやわらかい光は、その瞬間しか味わえないようないい感じなのですが、朝陽がのぼってしまうとこれはいけません。コントラストが強すぎて撮影は難しくなってしまいます。気温も一気に上昇し始め、汗がじわっと出てきます。まさに、ジ・エンド。早々に引き揚げ帰ることにしました。
さて、心配なのは車のガス欠。まっすぐ家路を目指しますが、走行可能距離は見る間に少なくなって、府中市内に入ることには、30キロを切っていました。でも、ここまで来ると一安心、最初に出会ったセルフのガソリンスタンドで、とりもなおさず給油しました。あー、何とか間に合ったと、ほっとすると、自宅までのドライブは何と気持ちのいいことか。何事も事前の準備が大事。大いに反省のあった今日の一日でした。
熱心に撮影をするカメラマン
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