雲南、見たり聞いたり感じたり

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ツバメとコウモリ1

2013-11-24 08:31:57 | Weblog
写真は昆明市中心部にある拓東体育館のひさしで巣をかけて子育てをするツバメ。巣は主に泥と草の茎などで作られる日本と同じタイプのもののようだ。(2010年夏撮影)。

【なぞの民族芸術博物館】
雲南にいる野生の鳥で、鳥自体は食べる対象にならないものにツバメがいます。ツバメは、5月から8月ごろの雨期の時期には無数に雲南各地を飛び回り、すっかり都市化の進んだ昆明中心部でもごく普通に見られます。

 私が見つけたのは、2010年8月お盆ごろ。昆明中心部よりやや東よりにある東風東路の拓東体育館と博芸堂民族芸術博物館の屋根のひさし。周辺は外国人バックパッカー御用達の茶花賓館がすぐ近くにあります。(茶花賓館にはラオスの昆明総領事館があるので、そのビザまちの外国人も多い。拓東体育館はサッカー中国代表の公式スタジアムとしても知られています。有名歌手のコンサートなども開かれます。)

 体育館周辺の駐車場には、昆明市民の自家用車が所狭しにとまり、子どものスポーツ教育に熱心な親子が詰めかけています。
 博物館はじつに閑散としていて、私が行ったときは見学者は私のみ。由緒ありそうな立派な建物の中は薄暗く、私の通る時だけ、係員がうすぼんやりとしたあかりをともす中、民族衣装や小物の展示を見る静かなところでした。この展示物は展示品だけのシロモノではなく、古物の物品販売の趣で、さりとて売り込みに熱心なわけでもなく、微妙なムードが流れまくっていました。

 冷え切った博物館を出ると、博物館のひさしにツバメが無数の巣を作り、ピー、ピーイと賑やかに鳴いて、急がしそうに飛び回っています。とくに気にする人もいないなか、百羽以上が飛び回っている様子です。

昆明周辺で、さらに有名なところには昆明市北部にある富民県の洞窟があります。こちらは岩壁のくぼみというくぼみにツバメが多数、巣をかけ、地元の人は昔(すくなくとも清代ごろ)からツバメの巣を採取しては市場に売りに出していたとか。このツバメの巣は食用としては適さないものなのですが、地元の人には珍重されていたそうです。  (つづく)

参考文献:民国・羅養儒『雲南掌故』雲南民族出版社、1996年)

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