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昆明の飲み水10

2013-02-10 15:28:47 | Weblog

写真は人通りの少ない滇池のほとりに忽然と立ち並ぶ遊覧船のりばとタイ族レストラン。

【盤龍江の下流へ】
盤龍江の中流域は多くの都市住民や観光客も目にするところだからか、下水処理施設の整備や雨水の再利用設備の新規導入などで最大限の努力がなされ、水質改善の効果はかなり上がっていた。
 が、滇池に流れ込むところはどうなっているのだろう。おそらくお読みくださる方は、察しておられるだろうが、確認のために川の流れ込む福保村にまで足を伸ばしてみた。

 例によってホテルの前に並ぶタクシーに地図を出して行き先を知らせてみたものの、案の定、「知らねえな(我不知道!)」ととりつく島もない。そこで、公共のバスで滇池に最も近いバス停(雲南民族村、海哽公園)まで乗り継いでいった。

 そこから先は地図では、あと少し、5㎞一本道を南へ下がれば盤龍江が滇池に流れ込む場所となる。雲南民族村の前にもたくさんタクシーが停まっているので数台に頼んでみたのだが「行ったことない!」で、おわった。

 よくよく探すと、ここから先へ行くバスがあった。乗った。「海哽(村)」で下車。あと4㎞ほど距離があるが、あとは歩くしかない。

 なんと、ここまできて、タクシーも通らないところに、立派な滇池の遊覧船乗り場があった。遊覧船もあった。付属施設としてタイ族料理レストランもあった。けど、中をのぞくと新しそうなのにすでに廃墟と化していた。おそらく政府の主導する「滇池国家旅遊度假区」のバブル需要を取り込もうとして早々に失敗したのだろう。(日本でもよく見る光景。)

 大きな道路を挟んだ向かい側には巨大で立派な施設があった。「体育訓練基地」(西山区湖濱路57号)と書かれていた。昆明は日本からは女子マラソンの選手が、ドイツなどからは水泳選手が高地合宿に使い成果を上げていた。2004年のアテネオリンピックで金メダルをとった野口みずき選手が昆明で厳しい走り込みをしていたことは有名だ。
 昆明の日本料理店に行けば彼女たちのサインが掲げられ、エピソードの一つや二つは店主がうれしそうに話してくれる。まあ当然、「中国にあるのになぜ中国人がここで訓練をしないのか?」と中国の新聞がかき立てることとなり、中国選手の練習場所としてもメジャーとなった。この施設はその関連の施設のようだ。

(ネット検索によると、なんと今を去ること30年以上前の1975年に高地訓練を目的に設立され、2007年にリニューアルオープンした、海抜1888メートルにある国家体育委員高原冬訓練基地とあった。ホテルも併設され各種訓練や大会に利用されているそうだ。)

 少し滇池沿いに歩くとゴミ置き場があり、ひたすら生ゴミくさい。滇池は緑色。あきらかにアオコが発生して、酸素不足に陥っている。そんな中でも時折、魚がピョン、と飛ぶのがけなげだ。
さて、盤龍江の河口までもう少し歩こう。
 (つづく)
コメント
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