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冬の風邪と「四時如春」①

2011-02-05 16:26:08 | Weblog
写真は、雲南大学構内の雪景色(2005年3月4日撮影)。雲南の桜が開花したころにドカ雪に見舞われた。とくに珍しいことではないそうである。
 ちなみに当時、雲南大学は、清朝時代の雲南での科挙の試験場であった「雲南貢院」や「雲南第一天文台」などの旧跡が残る雲南の学問の中心地という風情で、場所も市中心部にある翠湖沿いにある風光明媚な場所のみだった。現在は、市の拡充計画のため、デン池近くのなんにもなかった、昆明国家経済開発区の中心部、という遠くて不便な場所へと主に学生宿舎や図書館、コンピュータ関連が移動となって先生方もたいへんそうである。

【セーターとちゃんちゃんこ】
 日本の冬は、寒い。太平洋側は乾燥が続き、インフルエンザも風邪も大流行中です。一方、雲南省の昆明など中部地域の別名は「四季、春の如し」、つまり一年中、春。ガイドブックにも「昆明の平均気温は冬15度から夏25度で一年中、花が咲き「春城」とも呼ばれている」などと書いてあります。ガイドブックを見る限りでは、昆明はいつだって春だというわけです。

 ところが昆明に家族で着いた四月の初めにその期待は大きく裏切られました。ちょうどその年(二〇〇三年)は、いつもなら乾期の終わりの季節のはずで、乾燥しつつも太陽が降り注いでいるはずが、早くも雨期に突入。そのため、温かさのかけらもないのです。うっかり、昆明ぐらしに防寒着は不要だと、まったく用意していかなかったので、「やられた」という気分でした。

 地元の人はというと、普通にセーターやちゃんちゃんこなどを重ね着しているではありませんか。あわててスーパーなどに駆け込むも、シーズンオフのため、防寒着は一切、なし。このため、一月後に私一人、帰国したときに、防寒対策グッズを最優先して荷物に詰め込んで雲南に戻ることとなったのでした。

 その後、地元の方に
 「昆明は年中春と聞いていたので、セーターを持たずにきました」
 と話すと、鼻で笑われてしまいました。昆明在住の日本人家族はヒーターから離れることができず、昆明に防寒の備えが少ないので
 「日本より寒いみたい」
 と寒さで顔をこわばらせていました。

 このように昆明の人の言う「春」は、雪すら降る日もあるというのに、平均気温だけで平然と語られる「春」だったのでした。

 8月。夏です。それなのに相変わらず道行く老人と子供はセーターの重ね着をかかすことはありませんでした。日中は日差しがあると30度近くになるのですが、高原の風が吹いて湿気がないので、素肌に風が当たると、寒く感じられるのです。

 雨期のため、雨もよく降ります。降れば、空気はひんやり。さらに夜には気温は降下。このように一日の気温の変動がとにかく激しいのです。        (つづく)


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