例年9月中旬までに用意するもの、冬の瓶詰め保存食。氷点下に冷え込み、時として雪に覆われるルーマニアの越冬の知恵、大型ガラス瓶に夏野菜を漬け込んでおくのです。我が家ではキュウリ・唐辛子・ゴゴシャリ(=パプリカに似た色野菜)、トマトは刻んで漬け込みます。
(市場に並ぶゴゴシャリと、一緒に漬け込む巨大カリフラワー)
もちろんいまは流通時代、近くのハイパーマート(=巨大スーパーマーケット)では、年中、野菜が並んでいます。瓶に漬け込んだピクルスなども並んでいます。が、これらは流通調整された輸入物。ルーマニアの農場で採れた野菜とはひと味もふた味も違うのです。地場産業の無農薬のものを夏のうちに仕込んでおくこと、これが伝統的なルーマニアの風習。
(こんな風にして昔ながらのおもりで均衡をとるはかりで計ってもらって買出し)
日照りにやられて農作物が大被害を受けた昨夏とは異なり、今年の出来は例年並。去年は漬け込みに適したキュウリが見つからず、ゴゴシャリもやっと2瓶ほど漬けただけ。作物がちゃんと市場に並んでいる今年は、9月の声がかかるころから準備されていました。
「いまではキュウリは1キロ3.5レイもするんだよ。わたしはちゃんと、1キロ2レイのときに買って、漬けておいたからね。」というやりくり上手のお姑さんに付き従い、最後の買出しはゴゴシャリ15キロ。これを先週末から今日にかけて漬け込みました。
(漬け込みの酢を煮立てているところ。酢1に対して水2.5倍、砂糖と塩を大匙8杯ずつ加え、さらいローリエと粒の黒胡椒を振りいれています)
今日、最後の漬け込みのときに、「あら、粒コショウを買っておくのを忘れたわ。」というお姑さんに、「わたしが走って買いにいってきます!」~いつも台所の下働きしか出来ないわたし、やっと出番がめぐってきました。
「粒の黒コショウよ、間違えないで。ついでにブドウ酢も買ってきて。」とことづかり、ランニングで鍛えた脚を披露するのはこのときです!買出しに行くBILLA(スーパーマーケット)まで、歩いて10分ほどの距離。
ところがBILLAの店内で、粉コショウは見つかりましたが、粒コショウは売り切れ。唯一残っていたのは、ガラス瓶入りのテーブル胡椒、使うたびに摩り下ろすタイプ。これはちょっと違います。必要なのは、漬け込み用の黒胡椒の粒。粒=boabe、と何度もお姑さんに念を押されています。が、店頭に並んでいるのは粉コショウ=măcinatだけ。
お姑さんに、boabeは売り切れでmăcinatしか無かったということを説明しなくてはなりません。このときまで、胡椒=piper、と言うことしか知らず、粒=boabeと粉=măcinatと言う単語を知りませんでした。店頭の胡椒の袋に書いてあったmăcinatと言う単語を、一生懸命覚えて家に帰りました。
ブロックハウスの前まで帰りつくと、お姑さん、4階から降りてきて建物の出入り口まで出迎えてくださっていました~「帰ってくるのが見えたから。」と。「ごめんなさい、行って来たけれど、粒コショウは売り切れでした。粉しかありませんでした。」とたどたどしく説明するわたしに、「買い置きが出て来たから、それで漬け込みは終わったのよ。」とお姑さん。
(一番上の写真の瓶詰めに、漬け込み液を加えたところ。色がとてもきれい)
きれいに片付いた台所で、ゆっくりお茶をいただきました。これで我が家の漬け込みは完了。11月に入ると食べごろを迎える保存食たちです。
ブログで広がる友達の輪!
え~、家で洋風のピクルス!やっぱ手が込んだものも簡単に作ってしまう本職さま!ハラペーニョって、使ったことないです・・・第一、知らなかった・・・
カリフラワーのピクルスもおいしそう~
★みくにゃんさんへ
手作り巻き寿司、良いですね!
我が家ではいつも作る料理が決まっていて、マヨネーズは冷蔵庫にはないのです。マヨネーズを食べる習慣、無いです。
それにわたしが日本食を作っても誰も食べたがらないので、最近ではほとんど作らなくなりました。自分で食べたくなったときにお好み焼きもどきを作るくらいかなあ。
巻き寿司、ブカレストにも売っていますがものすごいお値段なので、買ったことも無いです。手作りされて、お家での評判はいかがでしたか?
それにしてもルーマニアの台所はいそがしいですよね(*^^*)
旦那の実家滞在中、巻き寿司を作ろうと思ってマヨネーズを買おうとしたら、「マヨネーズは家で作るから買わなくてもいいわよ」と姑に言われてしまいました。
カリフラワーとゴゴシャリ? おいしそうだよね。カリフラワーのピクルスももう少しカリフラワーが安くなってきたら作ってみようかなぁとお持ってるよ。
粉がボアベ? 粒がムチナット? よし。覚えとこ。