外国にマラソン遠征に行っていて、気を使うのがきちんと飛行機に乗れるかどうか。慣れない土地でうまく公共の交通機関を使って空港にフライト予定の飛行機に間に合うようにたどり着けるかどうか。また、予定していたフライトスケジュールが変更やキャンセルにならないかどうか。
一度経験あり、空港へ行くバスが渋滞に巻き込まれ、予定していた飛行機に乗り遅れたこと。何度も経験、フライトの変更やキャンセル。航空会社都合のキャンセルの場合は、代替便で予定地に到着するまで面倒を見てくれるけれど、ストライキの場合は?
今回のギリシャの大規模ストライキは、6月28~29日。その前日の27日に、ストライキがある、という情報を地元の人の話からつかみました。このときの情報は、銀行の閉店と国鉄のストライキ。外貨の両替はもう済ませていたし、29日の私たちの移動に使う交通手段は高速バスを予定していたので、「バスは大丈夫だよ、ちゃんと動くから。」ということを聞きつけ、ほっとしていたところ。
ストライキ突入の28日、「空港が閉まっている」という情報を、同じマラソン遠征で来ていたギリシャ滞在中のルーマニア人から。空港職員のストライキもよくあること。手荷物検査員がストライキをしたら、誰も手荷物検査を通過することが出来ないので、当然ながら飛行機に乗れません。空港の管制塔がストライキをしたら、飛行機を飛ばすことが出来ません。完全に24時間体制でストライキをしているのか、間引きストライキをしているのか、それとも時限ストライキなのか。
ホテルのフロントで確認してもらうと、空港の管制塔職員の時限ストライキ。29日に予定されているのは、朝8時~昼12時、午後6時~夜10時。私のフライトは、午後5時55分。同行の日本からのラン友は午後3時半のギリシャ国内線でテッサロニキ発でアテネまで。アテネから国際線に乗り継ぎ予定。私たち二人のフライト予定を確認してもらうと、「午後便は、ノープロブレム。」・・・が、このあたり(=バルカン半島あたりの諸国)で「ノープロブレム」といわれて、それがノープロブレムで済むはずがなし(幾多の経験上)。
ブカレストまでの航空券を持っている私はともかく、日本からのラン友がストライキに巻き込まれました。アテネ空港の管制塔の大規模ストライキのため、予定していた国際線19時30分発が、前倒しして14時30分に出発時刻変更。
このフライト変更の通知があったのが、前日の午後。友人が手持ちのモバイルでメールチェックをしていたら、航空会社から直接、舞い込んできたというのです。予定していた国内線が、16時半にしかアテネに到着しないのに、国際線は14時半に出発してしまうのです。どうやってこの時間差を解決する?しかも明日の午前中は、地元空港もストライキで飛行機が飛びません。
友人の持っている航空券は、日本の旅行代理店が手配したものだったので、日本まで国際電話をかけて代替案を提示してもらうことに。航空券が自分で航空会社に直接手配したものではなくて、良かったです、また、外国の旅行代理店で手配したものでなくて、良かったです、旅行代理店に日本語で問い合わせできるから。
代替案は、朝7時発のアテネ行きか、または12時発があるとのこと。チケットの買いなおし、または、変更料15ユーロかかるとのこと。1枚の航空券でないため、ストライキに巻き込まれたときの対処は、自己負担になるようです。
しかし、この代替案を提示してもらったのが現地時間の朝の4時(=日本時間の朝10時、旅行代理店の営業開始時刻)。94キロ離れたテッサロニキ空港まで、タクシーを飛ばすにしても間に合いそうにない。しかも呼び出しタクシーがつかまらない。
朝7時のアテネ行きに乗ることはあきらめて、次の代替案12時発を目指すことに。ここで問題が。1時間ほどでアテネに到着するとして、次の国際線まで乗り継ぎ時間がタイトなのです。いったん国内線のターンテーブルから機体預け手荷物を受け取り、国際線チェックインカウンターまでたどり着き、チェックインに間に合うかどうか。友人はこのとき、脚に深刻な怪我をしていて松葉杖を2本使っていたのです。
航空会社職員に頼んで、アテネでの乗り継ぎを手伝ってもらうしかないです。それを依頼するには?日本の旅行代理店からメールをしてくれるとのことです、電話まではしてくれないとのこと。こちらから、直接アテネ空港の利用予定航空会社に頼むしかなし。アテネ空港の電話番号は教えてもらったので、利用する国内線が決まったら電話をすることに。しかし、頼んでみてもストライキで空港は混乱しているだろうし、あてになりそうにないけれど。
とりあえず目指すはテッサロニキ空港から12時に飛び立つアテネ行き。滞在地リトホロから公共の交通機関を乗り継いでも3時間あればいけるところ。早朝でもあることだし、25キロほど離れた隣町カテリニまでタクシーで行くことに。
7時になるとタクシーが捕まりました、荷物一切を抱えタクシーに乗り込み、「カテリニのバスターミナルまで行ってください。」、いくらくらいかかるか先に聞いてみると27ユーロくらい、とのこと。ここでタクシーの営業にあいました、「テッサロニキまで150ユーロで行ってあげるよ、高速を使って1時間ほどでいけるよ。」、・・・私たちの予定は、カテリニから高速バスでテッサロニキ・バスターミナルまで、そこからまたタクシーを利用して市内横断し空港まで行く予定。
ここで友人の英断。「ここからアテネまでタクシーで行くとどれくらいかかりますか?」、距離的には450キロくらい、いくらかかるか?~「600ユーロ」、高速も整備されているし5時間もあれば充分たどり着ける距離です。
リトホロからテッサロニキは北方向、アテネは南方向。無駄に北上するよりも、ダイレクトにアテネを目指すことに。それだけの現金を持ち合わせておらず、クレジットカードで支払いも出来ないタクシーだったので、いったん走り始めたタクシーをリトホロまで戻ってもらい、24時間営業のATMでキャッシング。
現金があればタクシーも、アテネ空港の出発ターミナルまで行ってくれます。そこまで行けば、さすがに空港にいる誰かが手助けしてくれるでしょう。最初の予定通りテッサロニキ空港まで一緒に行くのだったら私が荷物を担ぐことも出来るけれど、アテネ空港まで送っていくことは出来ません、私の飛行機は午後5時55分のテッサロニキ発ブカレスト行き。
友人のあっぱれな英断、ストライキで混乱中の国内線移動を取りやめ、タクシーで移動。アテネ空港内での移動や、万が一乗り遅れたときの交渉や、さらに万が一のアテネでの足止めを考えると、アテネ発14時半の国際線搭乗をダイレクトに目指すのが正解。タクシーに乗ったのが朝の7時、車で5時間あれば充分到着できるアテネなのです。
不幸にも滞在中に骨折をしてしまった友人は、すでに日本の損害保険会社とも連絡を取り、前倒しして帰国することについても条件付で担保されることを確認しています。600ユーロというタクシー代が担保されるかどうかは未確認だけれど、とにかく混乱なく帰国することが大事。そして帰国後に充分な手当てを受けられ、いち早く回復してもとのパフォーマンスを取り戻すことを祈っています。
追記(7/3):
良心的なタクシー運転手のおかげで、充分に余裕を持ってアテネ空港に到着した友人は、その後、各地で空港職員・航空会社職員の手厚いアシストで無事帰国。でも、混乱きわまるアテネ空港で、出発便が2時間ほど遅れたそうです。何があるかわからないバルカンのストライキ、巻き込まれたのはbad luckとしか言いようがないです。
@Bucureşti
ランニング部門⇔⇔⇔
↑↑関連ブログがいっぱい↑↑
↑↑いつもご声援ありがとうございますm(__)m↑↑