ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

2014年1月号目次

2014-01-31 | 目次


A table of content:
2014-01-01 LA MULTI ANI 2014
2014-01-02
2014-01-03 立つ鳥、浮かぶ鳥
2014-01-04 切手が品切れ、ルーマニアの郵便局
2014-01-05 無料開放、スケートリンク
2014-01-06
2014-01-07 ルーマニアのスキージャンプ台
2014-01-08 シェンゲン協定、立ちはだかるもの
2014-01-09 日本 vs. ルーマニア、雪だるまくらべ
2014-01-10 ルーマニアで盗難届
2014-01-11
2014-01-12
2014-01-13
2014-01-14 日本 vs. ルーマニア、算術比べ
2014-01-15 Maratonul Zapezii、募集要項発表
2014-01-16
2014-01-17
2014-01-18 日本 vs. ルーマニア、どちらのトイレを使いたい?
2014-01-19
2014-01-20
2014-01-21
2014-01-22
2014-01-23 首都のイメージ
2014-01-24
2014-01-25
2014-01-26
2014-01-27 日本人母娘がマラソン世界記録達成
2014-01-28 ブカレストに大雪
2014-01-29
2014-01-30
2014-01-31 2014年1月号目次


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ブカレストに大雪

2014-01-28 | ルーマニア・ブカレストの日常


「どうやって外に出たらいいの?」と戸建てに住む友人から届いた一枚。これは大変、金曜日の夜、一晩でここまで。先週後半から降り始めた雪、続く真冬日、マイナス10℃近くまで。



11月末にまさかの積雪があって(そのときの記事はこちらから)厳冬予想が出ていたけれど、1月は穏やかな日が続いていました。「もう降らないのかな。」と言っていたら、この雪。



積雪は毎年覚悟しているものの、降り出したときというのは交通に混乱が出るもの。列車の到着を示すこのボード。左から順に、列車の番号、行き先、経由地、その次の3桁の数字が遅れを分数で表しています。上から順にそれぞれ200分、165分、130分遅れ。右端の数字は、発車ホーム。



到着が遅れるのだから、始発駅とはいえ、当然も発車も遅れます。列車だけでなく、国道も閉鎖、空の便もキャンセルが相次ぎ、大混乱の週末。



が、ブカレスト市内では先の日曜にゲラル・ハーフマラソンが予定通り行われました。ブカレスト工科大学のキャンパス内を6周回するコースで行われたこのマラソン、個人戦はクロス3.5キロのみ、ハーフ部門はみんな3名一組のチームで参加。



完走メダルを胸にするチーム、こんなに吹雪いていたのですが出走取りやめにする人もほぼおらず、盛大に開催されました。寒くても外を走るのが、ブカレストっ子。



次にブカレストで開催されるレースは、フォレスト・ラン・グランプリシリーズの第3戦、2月9日。首都近郊のイズヴォラニで行われる10キロ。間違いなくこれも雪上戦。


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日本人母娘がマラソン世界記録達成

2014-01-27 | 海外&ルーマニア・マラソン大会

Two Japanese broke "the parent and child category" world marathon best by running 5:22:10 at Osaka Womens Marathon on 26th of January.

It is the category for parent and child, running the same competition, starting at the same time. The daughter, Sairi Maeda aged 22 years old student ran by 2:26:46, 4th place in general, and the mother, Junko Maeda aged 55 ran by 2:55:24, the total 5:22:10 is the new world record.

The old parent and child record was 5:30:21, set by American son and father in 2012 at Chicago.





ルーマニア人ランナーも世界記録を持っています、6人のつながれたランナー達。
2013年10月、ブカレスト国際マラソンで達成、2時間54分14秒。

Obiectiv indeplinit! Recordul mondial la alergarea maratonului in grup de 6 persoane, legati printr-o panglica, a fost doborat. Echipa a fost formata din: Stefan Oprina, Victor Vlad, Gabi Solomon, Dobre George, Mihai Baractaru si Florin Munteanu. Multumim tuturor celor implicati in proiect dar nu in ultimul rand celor care ne-au sustinut si incurajat de pe margine.


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首都のイメージ

2014-01-23 | ルーマニア・わたしの日常

 
近所のハイパーマートで見かけたボックス型スツール。上の部分が座面兼ふたになっていて、収納力抜群。お値段49レイ=約1500円。
 


イラストは世界中でよく聞く首都のイメージ画像。モスクワといえばやっぱり赤の広場の聖ワシリイ大聖堂。ニューヨークは自由の女神。クリスマス前から出回っているので、「メリークリスマス」のイラストもあります。
 


そしてわが首都東京とくれば、東京タワー・地下鉄・富士山(東京からもくっきりと見える時期が年中のうちにはあります)・アニメに電気街、新幹線に握り寿司。
 


高さと話題性で言うならスカイツリー(英語表記: TOKYO SKYTREE)、昨年の桜と一緒の一枚。でも、私にとっても東京のイメージといえば東京タワー。エッフェル塔を模したとも言われる東京タワー、おしゃれな感じがします。
 


写真の背景にしても、東京タワーのほうが堂々としているような。外国人にとっては、スカイツリーと東京タワー、どちらが東京のランドマークかな?


おまけの写真@東京タワー:


エレベーターに乗って最初に到着するのが大展望台2階、高さ150m。その高さにあるトイレで使われているトイレットペーパーも、偶然ながら全長150mの巻紙。

おまけの写真@モスクワ:


モスクワ平和国際マラソンの発着点は赤の広場。完走後に国旗を掲げて、マイダーリンといっしょの一枚。参加年度は2010年。

おまけの写真@自由の女神像:


残念ながらNYには行ったことがないので、東京・お台場公園にある自由の女神像の遠景を。日本にレプリカが4体あるそうです。


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日本 vs. ルーマニア、どちらのトイレを使いたい?

2014-01-18 | ルーマニア&あちこちで・びっくり


ルーマニアの公共トイレ、大規模ハイパーマート(ショッピングセンター)内のものできれいに保たれているレベルのもの。ほぼすべての個室で便座が上がっています。

「公共のトイレで誰が使っているか判らないから、どうせ使わない便座」なら、上げておけ、と言うらしいもの。空気椅子状態で用を足すとき、便座を上げておいたほうが、少しでも踏ん張るべき高さが低くなります。



先ほどのショッピングセンターのトイレはすべて便座と便器のふたがついているけれど、荒っぽいトイレになると、ふたはおろか、便座もないトイレにたくさん出会います。どちみち使わないものだし、素手で触りたくないものだから、無くてもいいという発想らしい。


 


「いつもきれいにご使用いただきありがとうございます」と張り紙があるのは当然ながら日本のトイレ、とあるコンビニ店。日本の発明、ウォッシュレットも完備。
 


トイレ・シートクリーナーが設置され、トイレットペーパーにしみこませて便座をお拭きください、という配慮。
 


このコンビにでも、便座除菌スプレーが設置されています。ということは、便座をきれいに拭いてその上に座って使用するのが一般的であるらしい日本。
 
かく言う私はすっかりルーマニア式に慣れたし、もともとからどんなにきれいなトイレでも、たとえ一流ホテルであっても、客室内のトイレでない限り便座に座り込む習慣はありません。

ランナーで太腿を鍛えているから空気椅子状態、何のその。そのほうが手早く用を足せるし・・・♪ときどき男性よりも早く済ませてさっぱりした顔でトイレから出てくることもあるくらい~♪♪

関連記事:
☆「トイレ使用上の注意」はこちらから。
☆「ブカレストのキャビネット・トイレ」はこちらから。
☆お出かけのときには忘れずに、「旅のお供はマイペーパー」はこちらから。


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Maratonul Zapezii、募集要項発表

2014-01-15 | 海外&ルーマニア・マラソン大会

 
来る2月15日(土)に、ブラショフ近郊のルシュノフにて行われる『Maratonul Zapezii 2014』の参加者募集要項が発表になりました。サイトはこちらから。


 
要約をこちらに掲載いたします。申し込みはオンラインですが、申込書はルーマニア語、すべてルーマニア語で判りづらいかもしれないので、ワタクシ、マドモワゼルまでご一報いただければ申し込み代行いたします。

また参加料は銀行振り込みとなっていますが、主催者と交渉して前日現地支払いでも可能です。この支払い方法をご希望の方もどうぞお気軽にお申し出ください、マドモワゼルがリストアップし、主催者に提出いたします。


 
例年、雪上マラソンとなっています。コースはルシュノフ要塞にも駆け上がります、トレイルシューズまたはスノーシューズが望ましいです。



日時:
2014年2月15日(土)午前9時スタート、ルシュノフ・ヒマラヤ小屋(Cabana Himalaya)前発着。

種目:
1. マラソン(制限時間6時間30分)
2. 30 km(制限時間5時間)
3. ハーフマラソン(制限時間3時間30分)
4. 15 km(制限時間2時間30分)



各種目ともフィニッシュしたらすぐに首に掛けてもらえる完走メダル。氷点下の中ゴールで待っていてくれるボランティアさん、ありがとう。

申し込み:
2月14日までにインターネットで。各種目とも100レイ。各種目先着合計150名まで受付。
参加料は、ネット申し込みから三営業日以内に別途銀行振り込み。

ナンバーカード交付:
2月14日(金)、現地ルシュノフ・ヒマラヤ小屋(Cabana Himalaya)のパスタパーティにて。



こんな子羊の丸焼きも振舞われます~氷点下の屋外でのバーベキュー。

荷物預かり:
当日、8時30分までにヒマラヤ小屋へ。

注意事項:
第3回となる開催ですが、例年雪上・氷上を走ることになり、また最低気温がマイナス15℃になることもあるので、装備に注意してください。



ヒマラヤ小屋、宿泊予約はこちらから。上の写真の中央、黒のTシャツの人がヒマラヤ小屋オーナー、ルーマニア人初のヒマラヤ登頂を成し遂げたVasileさん。その大きさから、私は密かに『クマ親父』と呼んでいます♪



でっかい『クマ親父』とハグでご挨拶。背の高さよりも、その厚みが大きいのです!



主催者は『Mr. Friendship Flag Runner』のイリエ・ロシュ氏。大会を采配しながら、自身もマラソンを走ります。昨年末までに75回フルマラソンを完走。

昨年の大会の様子は動画でこちらから。
記事中の写真は過去の大会より。


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日本 vs. ルーマニア、算術比べ

2014-01-14 | ルーマニア・ブカレストの日常
(大学での日本語クラスの一こまシリーズの続きです、第1弾はこちらから)

四則計算も日本語の授業に取り入れて~大学でのれっきとした日本語クラス。この日は足し算・引き算・掛け算・割り算を日本語で習いました。「九九」もルーマニアにあります、歌うように掛け算を覚えるのは万国共通。
 


桁数のある割り算、ちょっとやってみよう~と、日本人のワタクシ、マドモワゼルとルーマニア人の先生が黒板に向かいました。あれ?書き方が違う==。出題は「2520÷4」、確かに「割って」「余って」「もう一度割って」と計算途中で書き残す数字は同じ。全世界共通の答えが出るのは、算術ならでは。書き方が違うだけ。
 


数字の書き方も違います。赤字で書いたこれは「1」。書き始めに少し鍵をつけるのが特徴。



これは「7」、「1」と区別するために、短い横棒を入れます。
 


ルーマニアに来た当初、いちばん戸惑ったのは「4」の書き方。当然「4」しかない、と思っていたら、上の写真のような「4」もあるのです。手書きの値札やレシートにこれが出現、最初はまったく何を意味しているのか判りませんでした。

そのうち、食い下がって「これは4ですか?!」と尋ねるようになり、今では尋ねなくても「4」と判読できるようになりました。そして最近では、時々自分もこんな「4」を書いてしまいます。
 
日本の銀行などでこんな数字を書いたら・・・、とても判読できないありえない数字!!

ルーマニア語で言うなら:
足し算=plus、引き算=scădere、掛け算=multiplicare、割り算=divizie


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ルーマニアで盗難届

2014-01-10 | ルーマニア&あちこちで・びっくり


質問をいただきました。
> ルーマニアに訪問したのですが、
> iphoneの盗難に合いました。
> ネットから盗難届けを出すことは可能でしょうか。
> なかば諦めていますが、何かできればと思っています。

携帯電話の盗難に遭われたとのこと、その時にすぐに所管の警察署に出向かれなかったことをとても残念に思います。
 
以前、私の友人がルーマニア訪問した際、GPSの盗難に遭い、それは地下鉄内でしたので、すぐに地下鉄警察署に届け出ました。「リュックサックのポケットに入れていたGPSを、車内でスリにあった。」だけでは認めてもらえず、「君がGPSを持っていた証明がどこにある?」と、容易には盗難届を出せない国です。
 
腕にはめていた写真がデジカメに残っていたので、それを拡大して見せ、取扱説明書も見せ、やっと盗難届を受理してもらえ、その証明書を発行してもらいましたました。対応はすべてルーマニア語。
 
iphoneの盗難にあい、何か出来るだろうかという質問に対して、日本とは事情の異なる国ですので、こんなふうに答えるのが精一杯です。ネットから盗難届けというのは、ありえない発想。
 
わたしもルーマニアへ来た直後に、かばんの一番上にぽんと乗っけるようにして入れていた携帯電話の盗難に遭いました。そのときに「なぜ、そんな盗られ易いところに入れておいたの?なぜ、注意を払っていなかったの?」と諌められ、盗まれるような隙を見せたのが悪かった、と何もしないであきらめました。
 
でも、物騒なことや悪いことばかりではありません。人物像は両極端、こんなふうに人のポケットを狙うコソ泥もいるけれど、全容としておおらかで人懐こい国民性、のんびりと旅行で訪れるには豊かな自然と美味しい食べ物が待っているところ。たいていのルーマニア料理は日本人の口にも合うようで、「チョルバ(=酸味のあるスープ)が最高に美味しい!」と3度もルーマニア旅行にやってきてくれた日本のラン友がいるほど。
 
日本を出て海外を旅するとき、やはり日本にいるとき以上の注意を払わなくてはならないのは、どの国へ行っても同じ。旅の疲れなどからふと注意力が散漫になることもありそう、名所旧跡の素晴らしさに見とれてしまうこともあるだろうけれど、基本を忘れないようにしなくては。

(いちばん上の写真は、私の携帯電話で明日の天気を調べているところ。これは普通の携帯電話)


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日本 vs. ルーマニア、雪だるまくらべ

2014-01-09 | ルーマニア・わたしの日常


雪だるまって、どんなイメージ?
 


黒板に白チョークで描いた雪だるま。大学での日本語クラスの一こま。右上のイラスト、日本の雪だるまはたいてい二段重ね。炭を目・鼻・口にして、手箒がそのまま腕になります。頭にはバケツを被っているのが、私が書いたうろ覚え雪だるま。「バケツ」は彼女らにとって新しい単語だったので、カタカナで添え書き。
 
女子大生とルーマニア人の先生が共同で仕上げたルーマニアの雪だるまは三段重ね。黒炭を目と口にするけれど、鼻は赤い人参。大きな箒を持っていて、コートのボタンは黄色いオレンジ。頭には鍋を被っています。「ルーマニアは寒いから雪だるまにもマフラーがいるの。」と先生が書き加えてくださいました。
 


同じ日に描いたクリスマスツリーのイメージは日欧とも同じ。それにしても三段重ねの大きさもさることながら、手が込んだ雪だるま。やっぱりこの国は寒くて、しっかり雪遊びが出来るのだなあ、と。

でも、今シーズンは11月下旬にまさかの積雪があったきり、まとまった雪は降っていません。厳冬予想の出ているルーマニアですが・・・。

ちょっとセクシーなルーマニアの雪だるまはこちらから。

(一番上の写真はルーマニアの雑誌挿入写真より拝借)


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シェンゲン協定、立ちはだかるもの

2014-01-08 | ルーマニア・ブカレストの日常

 
2014年からシェンゲン協定発効を目指していたルーマニアですが、またしてもかなわずか。人的移動の自由化を阻むのは、ルーマニア人による犯罪が多いからなのか。経済格差から西側諸国を目指そうという人は多いです。現実に、この6年間で1万4千人の医療従事者(医師と看護師)がより良い労働環境を求めて、国外へ流出。
 


上の写真は、街中で時々見かける国外出稼ぎを斡旋する業者のポスター。EU圏内では言語体系の似ているイタリア・スペイン・フランスなどが人気。実際のところは、何の特技も持たない人は肉体労働が多いようです。
 
さらにルーマニアには少数民族ロマ人が多く住んでいて、その数総人口の10%とも20%とも言われています。貧困層に多いロマ人たちがルーマニアから流れ出て、その先で宜しくない暮らし方をすることが多いけれど、その人たちも統計上はルーマニア人。ロマ人・ルーマニア人、単語上の響きも似ていて、混同されることが多いようで。

以下、nikkei.com(2014/1/7 0:30)より転載

欧州内の移動自由化鈍る 東欧2カ国の検問廃止、EUが延期:
 【ベルリン=赤川省吾】欧州内で国境検問を撤廃する動きが鈍ってきた。欧州連合(EU)は当初、ルーマニアとブルガリアの検問を2014年に廃止するとみられていたが、これを延期する。急増する不法移民や治安悪化への警戒心がドイツなどで強まったことが背景にある。ただ、域内の自由な移動を目指す欧州統合の精神が揺らぐ懸念も出てきた。

 欧州の大半の国々は「シェンゲン協定」に基づき、パスポートの点検なしに国境を越えることを認めている。2007年にEUに加盟したルーマニアとブルガリアは、14年の同協定参加を目指して交渉していた。

 これに立ちはだかったのがドイツ。「現時点で国境検問を廃止できる状況にはない」と12月の内務相会合で主張し、オランダが同調した。新規加入は全会一致でないと認められないため、ルーマニアとブルガリアの国境検問廃止は凍結された。

 国境検問廃止は欧州統合の重要なステップの一つだ。同じ中・東欧でもポーランドやスロベニアなどは07年に参加済みだが、ルーマニアとブルガリアへの拒否感は強い。

 「両国の捜査当局が犯罪組織を十分に取り締まっておらず、検問を廃止すれば、豊かな北部を目指す犯罪者が増える」。両国のシェンゲン協定への参加を阻もうとする北部欧州からは、そんな指摘が漏れてくる。

 懸念を裏付けるデータがドイツ南部バイエルン州にある。警察当局によると12年に外国人による犯罪件数は前年比3.5%増えたが、ルーマニア国籍に限ると15%超の伸び率だった。強盗や詐欺など金銭目的の犯罪が多いのが特徴だ。チェコの首都プラハでは、ルーマニア出身者が観光客から現金を強奪する事件が頻発し、現地の警察も手をこまぬいている。

 ルーマニアとブルガリアへの拒否感の背景には、両国と他の欧州諸国との経済格差もある。両国はEU加盟国の中で最も貧しく、国民の購買力はEU平均の半分に満たない。両国の法定最低賃金(時給)は1ユーロ前後なのに対し、オランダやベルギーは9ユーロを超える。仕事さえ見つかれば国外に移り住みたいと考える人は多く、既に医師などが職を求めて国外に流出している。

 EUは域内の労働市場を2014年に両国に全面開放する。EU加盟の7年後には市場開放を適用するというルールがあるためだ。14年から両国の人たちは就労ビザを持っていなくても国境のパスポート検査を通過さえすれば、北部欧州で就職活動ができることになり、ドイツだけで数十万人が職探しに訪れるとの推計もある。このため、大量移住を回避するため国境検問を残すべきだとの意見が出てくる。

 ルーマニアとブルガリアには少数民族ロマ人も多い。こうした人々が両国内での差別と貧しさから逃れるため大量に移住する事態になれば、北部欧州諸国の社会保障費が増大しかねない。

 北部欧州は景気が底堅い。ただ、南欧支援や難民救済、それに中・東欧との統合で豊かさが蝕まれるとの「被害者意識」が強まっている。そんな不安につけ入る形で極右勢力が移民排斥を訴え、支持を広げている。

 欧州統合についての研究・提言を担うオーストリア欧州政策協会のシュミット事務局長は「北部欧州の住民の不安を取り除く処方箋を政治が示すべきだ」と語る。


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