ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

野生の熊たちを追い詰めないで!

2017-09-11 | ルーマニアの新聞記事より


ルーマニアは、野生の熊の宝庫。広大な原生林には約6000頭のヒグマが生息していて、これは、ヨーロッパ全体のヒグマ総数の約60%で、隋一を誇るもの。

野生のクマがいなくなった、又は絶滅しかけている近隣諸国にクマの輸出をしていたことも。
たとえば、ドイツではすでに野生の熊は絶滅~「ヒトが熊を絶滅させた」と言われています。

しかしながら、野生の熊やオオカミによる人への襲撃が増え続けているため、今月、ルーマニア政府は、熊140頭、オオカミ97匹を駆除するか、移動させる方針を発表。

どうして野生の熊たちが人を攻撃するの?熊たちも生きるために必死、食べていかなければなりません。餌となる森のフルーツを、どんどん人間が採取して行って、食べ物が少なくなっているから。人間の行動範囲(居住区域や歩行範囲)に残された食物を、狙うようになってきたのです。

数年前に、ブシュテニ山系で、決められたキャンプ地域以外でテントを張っていた旅行者が、そのテント内の食物のにおいを嗅ぎつけてきたクマに襲われました。命を落とすほどではなかったけれど大怪我。キャンプのルールを守っていなかったための事故。

また、民家の近くに出没する熊の様子を、カメラに収めようとしてフラッシュをたいた外国人旅行者も襲われています。民家のごみ置き場の残飯のにおいにつられて森から降りてくる熊。至近距離まで近づきすぎる旅行者。

問題は、人間に近づきすぎる熊、餌を探してくるから。熊と人間の居住範囲をきっちり分けておかないと、こうした事例は繰り返されるばかり。

時には、「トロフィーハンティング」(=合法の範囲内で行う野生動物の狩猟で、欧米ではスポーツハンティングとして古くから行われているが、批判も多い)の標的にされる野生の熊たち。彼らが何をしたというの、むやみに殺さないで。これ以上、追い詰めないで、共存の道を見出してほしいです!


関連記事:
以前から問題になっています、このブログ内の記事『クマとの共存~クマを輸出~熊出没注意』、こちらから。


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ついに新聞に!

2017-08-21 | ルーマニアの新聞記事より


ついに新聞に!~ルーマニアの新聞『Adevarul』に紹介記事が掲載。『Adevarul』と言えばルーマニアではだれもが知っている有名一般紙。
(天気予報のお姉さんがいつも大サービスの装束で登場する、某大衆紙とは品格が異なります!)

金曜日発刊の週末特集号、1ページを全部使って長文記事を書いてくれたのは、マラソン大会で私を見つけてくれた『Adevarul』の記者さん。彼自身もマラソンランナー、110キロあった体重が90キロを割り込むところまでダイエットに成功、週に一度は30キロを走るそうです。

彼の取材は、ルーマニア語と英語を交えてのインタビューを録音。「オフレコでね。」と前置きしながら話したことも記事になり、いやあ、もうルーマニアで何も秘密にすることが無くなりました。開き直ってニコニコ。
 
この春から、WEBスポーツサイトに記事掲載、雑誌『今日の健康』に記事掲載、そして新聞『Adevarul』に記事掲載と、短期間に相次いだので、おかげさまでたくさんの人に声をかけてもらえるようになりました。

マラソン大会の時だけではなく、各地の練習会に参加しても「ヒロコ!」、街を歩いていても「ヒロコ!」、スーパーで買い物していても「ヒロコ!」、私の記憶にほとんどない人からも親しげに「ヒロコ!」、ありがたいことです♪
 
ラン友でSF作家の友人からは、「今度、僕の小説に日本人の女性が出て来るんだ、その名前を『ヒロコ』にしてもいい?」

わたしがブカレストASE経済大学で日本語を教えていることも周知されたので、地方都市のアラドからも「コラボしましょう。」とメッセージが。

一緒に練習しているラン仲間からも、「僕、日本語の単語を二つ知っているよ。一つは『オガワ』、もう一つは『ヒロコ』。」と茶目っ気で。「『オガワ』は、小さな川、という意味よ。」と教えてあげました。
 
これはもはや、「ヒロコ・ブーム」到来かな!?


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週間ニュース3題

2015-09-22 | ルーマニアの新聞記事より
先週からのニュースをひとまとめ。

ラグビーワールドカップで、W杯優勝候補の南アフリカに劇的勝利:
ルーマニアでも報道され、ニュースになりました(私は、マイダーリンが教えてくれたので知ったけれど)。フランスの友達からも、「日本の勝利、おめでとう!」とメッセージが。

スコットランド戦は・・・残念でした。ルーマニアの初戦は、今夜フランスと。ちなみにルーマニアは、W杯出場回数8大会連続8回目。

安保法案でもめる日本の国会:
日本の国会でもみ合っている様子が、ルーマニアのTVニュースで流れ、お姑さんが「あれあれ、日本でもこんな様子なのかい?私たちの国会みたいだね。」と。

日本人は礼儀正しく物事を決める国民性だと理解されているのですが・・・。

シリアからの難民がルーマニアへ:
セルビアからハンガリー入国を目指したシリア難民が、ハンガリー国境の強硬バリケードに阻まれ、ルート変更しルーマニアへ入国。

ここからハンガリー入りを目指すも、ハンガリー当局はルーマニアとの国境にもバリケード。放水や催涙ガスなどの手荒い処置で難民を受け入れず。

現在、ルーマニアの国境付近に大きな仮設テントがいくつも張られ、3万5千人が滞在しています。難民達の目指すのは、ドイツ・オーストリアへの入国。

ハンガリーとの国境は首都から離れているので直接影響はありませんが、お姑さんはまゆをしかめています。

ハンガリー側の余りにもの措置に、マイダーリンは「ハンガリー人の冷たさが出ているよ。もともと冷たい国民性なんだ。」と言い放ち、たしかにEU各国からも非難の声が上がっているけれど、どの国にも難民が流入し、どこの国も大変なのです。


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そこまで来ているエボラ

2014-10-20 | ルーマニアの新聞記事より


ついにヨーロッパ大陸でも。スペインでエボラ出血熱が三次感染したとのニュース(17日付)。スペイン国内で二次感染した看護師を搬送した車両を利用した人が、その後発熱し、三次感染の疑いで隔離。二次感染の看護師はその後のウイルス検査の結果が陰性となり、快方に向かっているとのこと(19日付のニュース)ですが、じわりじわりと先進国にも感染の危機が。
 


治療に当たる医療従事者でさえ罹患してしまうエボラ、ルーマニアの国立感染症研究所でも、医療スタッフに特別演習を行い、エボラ患者の治療に備えるようです。ルーマニアはEU加盟国ですが、西側先進国とはまだまだ歴然の差。スペインなどへ出稼ぎに行っている人も多く、これから人的移動はもっと多くなりそう。封じ込めることは出来るのか?!?




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6度目のオリンピックを目指すリディア・シモン

2014-05-01 | ルーマニアの新聞記事より


今年のボストンマラソンで、年代別のタイトルをとったリディア、「今の歳になると、お金よりもカップ(=タイトル)が大事」と心境を語ってくれた記事がブカレストのRing紙上に。3名の観戦者が犠牲になり264名が負傷した昨年の無差別テロ事件のことは、繰り返されてはならないこと、気にならなかった、と。
 
ボストンマラソンの40歳代女子の部を2時間36分47秒で征したリディアは、コロラド在住。年間のほとんどをボルダーでのトレーニングに費やしていてルーマニアに帰省する事は少ないけれど、彼女の一番のサポーターは小学校5年生になる愛息クリスチァンくん、この夏も2ヶ月ほどルーマニアに戻る予定だとか。
 


ルーマニアの陸上選手で6度のオリンピックとなるとこれは初の快挙。そして彼女はそれを明言しています。

リオ・オリンピックの時には43歳になるリディア、世界大会デビューは1995年の世界陸上イェーテボリ大会、1998~2000年の大阪国際女子マラソンを3連覇、オリンピック・女子マラソンでの最高位はシドニーの2位、世界陸上では2001年のエドモントン大会で優勝。20年以上にわたって文字通り世界のトップに名前を連ね続けるのは、想像を絶する努力と精神力の強さ。

2014ボストン、トップ記録:
女子優勝Jeptoo, Rita 2:18:57(ケニア)
2位 Deba, Buzunesh 2:19:59(エチオピア)
同じレースで二人の女子選手が2時間20分を切るというハイレベルなレース。

女子40歳代2位は、同じルーマニア出身の Olaru, Nuta(ヌタ・オラル)2:37:29。
女子の12位までの選手がサブ2:30。

男子優勝は Keflezighi, Meb 2:08:37(アメリカ)
サブテンは5名。

結果ページはこちら


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ブカレストから野良犬が居なくなる??

2013-09-28 | ルーマニアの新聞記事より

 
ルーマニアの首都ブカレストで、今月初めに4歳の男の子が公園で野良犬に噛まれ、命を落とした痛ましい事件。「子供には安全に道を歩いてほしい。」とアンチ・野良犬派と、動物愛護派が真っ向からぶつかり、けんけんガクガクだった今月。
 


ルーマニア議会は素早く野良犬大作法案の審議に入り、中旬に議会の決議がありました~街で捕獲した犬について、14日公務日以内に飼い主などの引き取り手が無ければ処分する、と。
 
その後、今週になって憲法裁判所は「これは合憲」と判決。さらに、法案施行にはバセスク大統領の承認が必要。犬好きで知られている大統領ですが、今回ばかりは野良犬の殺処分に賛成の意向。

2011年にも野良犬の殺処分を認める法律が議会で承認されたものの、憲法裁判所が翌年1月にそれを無効(=憲法違反との判決)としたことがあったけれど、いよいよ野良犬受難の時代がやってくる?もしかして、数年後にはブカレストから野良犬が居なくなる??
 
しかし、政府は野良犬捕獲機関を設置するわけではなく、野良犬捕獲要員を増員するわけではなく、つまり、どんどん野良犬を捕まえて&バンバン処分する、というわけではないのです。このあたりがルーマニアらしいなぁ、と思える法案成立。
 


たいていはそこらあたりに寝そべっているだけ、おっとりとした風貌で街行く人々を癒してくれるブカレストの野良ワンコたち。ちゃんとご飯ももらっているこの子たち、うまく人間と住み分けできると良いね。




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野良犬・幼児襲撃事件、その後

2013-09-13 | ルーマニアの新聞記事より

 
今月初めに4歳の男の子が公園で野良犬に繰り返し噛まれ、命を落とした事件。1週間後の日曜日に国民の館隣接のイズボール公園で、男の子を偲ぶ集いが持たれ、それは“これ以上野良犬を野放しにするな”との訴える集会になりました。
 


メディアが公表した野良犬の数は6万5千匹。私がルーマニアに来たころは(2006年)5万匹と報道されていたけれど~その年の1月、駐在の邦人が近所の野良犬に噛まれ(噛まれどころが動脈だった)失血死した事件があったので、当時も良犬処分を求める声が上がっていました。そこから野良犬の数は増えている=。
 


が、街を歩いている野良犬たちはむやみに人を襲うことはありません。動物好き&犬好きで知られているルーマニアの人たち、普段は野良犬たちと共存、餌をあげたり面倒を見たりしています。犬も人に慣れています。
 


たとえばこの子、地下鉄駅近くのブロックハウスの前にいつも居ます。いつの間に怪我をしたのか、誰かが包帯をしてあげているのです。犬が自分で包帯を巻くわけが無し、犬同士で包帯を巻くことも無し。人間が巻く包帯を、おとなしく受け入れています。(もともとこの子はとてもおとなしそうで、いつも寝そべって人の往来を見るとはなしに見ている)
 
今週、議会の決議がありました、街で捕獲した犬について、14日公務日以内に飼い主などの引き取り手が無ければ処分する、と。これは議会決議の段階で、まだここから大統領の承認、憲法裁判所の判決が必要。2011年にも野良犬の殺処分を認める法律が議会で承認されたものの、憲法裁判所が翌年にそれを無効とした経緯があります。
 
ブカレスト市域で野良犬の殺処分の是非を問う住民投票を10月6日に行なう、とも発表されたけれど、これはまだまだ先のこと。それまでにまだまだもめそう。
 


でも街中でリラックスして寝そべる野良ワンコを見ていると、この子達にも命がある、全うするまで保護する施設は無いのか、と。ほんの一握りの攻撃的な野良ワンコの存在で、この子達まで排除する必要があるのか、と。





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夏休みの悲劇

2013-09-03 | ルーマニアの新聞記事より


 9月15日まで夏休み中のルーマニア、ブカレストの公園で悲劇~2区のテイ公園で、4歳のヨヌット(Ionuţ)君が野良犬に脚と頭を噛まれ、命を落としました(9月2日)。
 
メディアはブカレストに野犬が6万5千匹いて、毎日25人の人が噛まれて病院で手当てを受けている、と報道。2006年1月には、駐在の邦人も野良犬に噛まれて失血死した事故がありました。
 


そのたびに野良犬殺処分か保護か、でおおもめ。野良犬の札処分を行っていないこの国、ブカレスト市当局は“それなりに”野犬捕獲に乗り出すのです。一匹ずつの去勢・避妊手術代金にも、大きな予算を組んでいます。動物愛護団体はいっせいに反対するけれど、野犬殺処分法がいよいよ法制化されるかも。
 
4歳と言えば可愛い盛り。6歳のお兄ちゃんも噛まれ、一緒に公園に来ていたおばあさんが112番(ルーマニアの救急)通報したそうです。なぜおばあちゃんがもっとしっかり孫達を見ていなかったの、と言う人もいるけれど、失われた命は戻ってきません。ヨヌット君を偲ぶ集まりが、次の日曜日に公園で行われます。

マイダーリンのコメント:
「ヒロコはブカレストに8年居て、まだ野良犬に噛まれていないよね。これは幸運だ。」~確かにそれはいえるかも。時々囲まれたり吼えられたりして怖い目をするけれど、周りに誰か居て、追っ払ってくれます。

野良犬に囲まれても、決してパニックに陥らないこと、大声を出さないこと、こちらがそんな様子を見せると、犬たちはさらに攻撃的になるそうです。野良犬に噛まれた際に駆け込む病院はこちらの記事から~どの病院にも手当てが出来る薬が置いてあるわけではないのです。


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モンテネグロからの訃報

2013-06-25 | ルーマニアの新聞記事より


23日(日曜日)午後6時すぎに起きたモンテネグロでのバス事故、乗っていた46人はすべてルーマニア人。18人が死亡し、怪我をした31人のほとんどが重傷、うち4人がいまだ危篤というこの事故、運転手はマイダーリンの警察官ラン仲間だったことが内々に伝わってきました。
 


首都ポドゴリツァから約30キロ、Grio(地名)あたりを走行中に、目撃者によると、バスはトンネルを出た後、濡れた橋の上でスリップして40m下の渓谷へと落下。モラカ川(Moraca)の深い渓谷に吸い込まれていったら、助かる見込みのほうが少ないに決まっています。
 
アドリア海に面した小さな国、モンテネグロ、自国内では国名を「ツルナゴーラ共和国」(Република Црна Гора, Republika Crna Gora,「黒い山」の意)と呼んでいて、山と渓谷の国。その国での最大の交通事故となってしまいました。バスの単独墜落事故ではなく、そのとき道を歩いていた12歳のモンテネグロの少年も巻き添えになり負傷、命にかかわるほどではなかったとのことですが、後遺症などが無ければいいけれど。
 
ルーマニアでは毎日テレビ等で報道され続けています。国道から50mも下まで落下したバス、その上にさらに岩が落ちたりして、救助は困難を極めていたのです。かけつけた家族によって確認された犠牲者もいます。生存者がいち早くルーマニアに戻ってこれるよう、政府から専用機が派遣されています。
 


渓谷美を誇るこのルート、ポドゴリツァマラソンのため、昨年モンテネグロを訪れたとき、ちょうどこのルートを通っていました。



隣国セルビアの首都ベオグラードを深夜に出発した夜行バスは、途中何度か休憩しながら、この渓谷の間を走っていったのです(うえの写真はそのときのドライブイン裏から渓谷を見たところ)。このときも断続的な強い雨で路面は濡れていました・・・。
 


そしてマイダーリンの警察官ラン仲間チョビさんには、6年前クルージュ、そして5年前ヤシに連れて行ってもらいました。全ルーマニア警察官対抗陸上競技選手権大会、毎年地方都市持ち回りで行われているこの大会、ブカレスト警察から大型バスを仕立てて総勢50名以上で参加、このときバスを運転してくれたのがチョビさんでした。首都警察でトランスポートの仕事、たくさんの人員を安全に運ぶのが彼の自慢でした。
 


もちろん首都警察の陸上競技選手でもあります、走り幅跳びや短距離を走っていました。夜の帳が下りれば、こんな色のシャツが似合って、ダンスも上手でした~「奥さんには内緒だよ。」とか言いながら美人婦人警官と二人で手を取り合って。チョビはもちろんニックネーム、こんな愛称の似合う愉快な人、そして“やる時にはやる”を地で行く人でした。まだ45歳。
Rest in peace・・・



6年前のクルージュ行き。このとき私はまだほとんどルーマニア語を話せませんでした、でも仲良くしてもらっていました。

追記:
この訃報、マイダーリンの早とちりとか、誤報であってほしいと思っていました。でも、哀悼の意をこめて名前を記載せずにFBにアップしたチョビさんの写真を、IPAルーマニアの元お偉いさんがシェアしてくださって、本当にもうチョビさんの笑顔には出会えないのだと・・・。今夜も涙です

追記(6/26):
新聞報道もありました(Click!、実名と顔写真も)。政府機が派遣された火曜日のうちに無言の帰国、水曜日に荼毘にふされたと。19歳の息子さんに支えられるようにして葬祭に望む奥さまの姿も。この日の正午、犠牲になった18名のために3分間の黙祷がありました。


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防ぐことが出来なかったのか~日本人女子大生暴行殺害事件

2012-08-24 | ルーマニアの新聞記事より
わずか20歳で、期待に胸を躍らせて初めてその地を踏んだルーマニアで、到着後わずかのうちに命を奪われたこの事件。到着ロビーで声をかけてきた自称ポーターの男性と、なぜ一緒にタクシーに乗り込んだのでしょう。

ほんの少し下調べすれば、ブカレストの空港タクシーは外国人に対してぼったくりが多い、と、容易に情報を得られたはずなのに、そもそも空港からの移動に、なぜタクシーを選んだのでしょう。空港から夜行列車の発着駅、ノルド駅まで、空港バス(780番)一本でつながっているのに、その情報はなかったのでしょうか。
 
荷物が多くて大変なとき、ポーターに頼まなくても、一般人が気軽に手助けしてくれるのがルーマニア人の心優しいところ。私も何度も、道行く人にスーツケースを運んでもらっています(バスの乗り降りや階段などに限るけれど)~ぼったくりポーターか、通りかかりの親切な人か、見分けるのにそんなに眼力を要しません。たいていの場合、空港や駅などで手ぶらで近づいてくる輩はぼったくりポーター、手提げかばんやリュックサックなど、自分自身の荷物を持っている人は、通りかかりの旅行者。
 
NPO法人を通じて派遣されることになった日本語教師ボランティア。受け入れ先のNPO法人から、なぜ誰も迎えがないのでしょうか。ボランティアだから自費渡航、赴任先のクライオヴァはブカレストから電車で3時間。ここまで自分でたどり着くことになっていたらしいのです。

日没時刻近くのブカレスト到着で、初めてのルーマニアで、なぜ夜行列車での移動を選んだのでしょうか。到着日は落ち着いてブカレスト市内に宿泊することが予定になかったのでしょうか。夜行列車よりもブカレスト市内宿泊のほうが、安全だと思わなかったのでしょうか。夜行列車に乗ったとしても、翌朝、明るくなってからに到着するわけではありません、未明の2時か3時ごろのクライオヴァ到着。そんな時刻に地方都市に着いたとして、その先はどんな行動予定だったのでしょうか。世界的組織のNPO法人というけれど、ボランティアゆえにすべて個人に任されていた、ということなのでしょうか。
 
そして、警察はすぐに犯人を検挙。被害女性と一緒に乗り込んだタクシーの運転手が、犯人の顔を覚えていて、捜査に全面的に協力したといいます。26歳のその青年は、9日前にも70歳の女性を殺害していたと報道されました。過去にも13人もの女性を殺害した疑いで3度も逮捕されているにもかかわらず、十分に調べ上げることが出来ず、放免になっていたとのこと。司法はなぜこの青年を野放しにしていたのでしょうか。人を殺すことをなんとも思わない殺人鬼、婦女暴行を伴うような犯罪は繰り返し繰り返し行われるのが通常、性癖のある殺人鬼。襲い掛かる犯人に対して、女子大生はかなり激しく抵抗したことが明らかになっています。
 
犯人として逮捕された青年の実家の近所に住む人たちは、驚きを隠せません~「あの好青年が・・・。」、日曜日には教会に礼拝に行き、見栄えもよく物腰穏やかで周りの評判も良かったといいます。完全な二面性。最初は金品目当てだったと言います、激しい抵抗を受け殺害に至り、その後レイプに及んだとの自供。
 
ルーマニアのメディアでは、初めての土地で見知らぬ人とタクシーに乗り込んだ女子大生の不用意さ・無防備さばかりが取り上げられているけれど、繰り返し逮捕されている殺人鬼を野放しにしたルーマニアの司法も問われてもいいはず。ただのぼったくりポーターや、ぼったくりタクシーならば、たとえば空港から市内まで100ユーロくらい取られるらしい、もう少し怖くて身ぐるみはがれたとしても、命までは奪われないはず。
 
日本のメディアから叱責を受けている、「日本語を教えに行っているのに、なぜ誰も迎えにも来ないのか。」~ボランティアへの意識の違いは、これはもう致し方なし。日本でも『自己責任』という言葉が使われ始めているけれど、安全・平和慣れした島国・ニッポンでは、まだまだ行き届いているとは思えません。 
 
被害者と加害者に関しては、たとえばスリに財布をすられたとき、「スリにあってしまったのはバッド・ラック(=不運)なことだけれど、すられるようなスキを見せていた本人にも非がある。」と、ピシャリと言ってのけられるのがヨーロッパ流。(→関連記事はこちら「不注意がよびこむbad luck」から)
 
ただ、今回の事件だけはあまりにも被害者のバッド・ラック(=最初に声をかけてきた相手が殺人鬼)が大きすぎて、友人女性たちと語り合うとき、涙まで浮かべてその不運さを偲んでくれる人もいます。生前の屈託のない笑顔を見せる被害女性の顔写真が公開されているがゆえに、「なんて可愛らしい彼女なの、この女の子が・・・」と。
 
たしかに、異国で見知らぬ男性とタクシーに乗り込んだ女子大生の行動は無防備としか言いようがありません、それに輪をかけて、ボランティアへの意識の違い、そして殺人鬼を野放しにしていたルーマニアの司法、何重ものスパイラルがあの日あの時刻に、東欧の首都ブカレストで絡み合ってしまったのです。

残酷で悲しい事件となりました。彼女の笑顔はもう、天国でしか見られません、「ルーマニア、大好き」と言っていたという彼女、もう決してその言葉を聞くことは出来ないのです・・・・。

(ルーマニア・ブカレスト近郊で東京都の女子学生、益野友利香さん(20)が殺害された事件について、その後もルーマニア国内で、紛糾が続いています。詳報は追って。)
 

空港やノルド駅のタクシー:
ぼったくりが多い、と評判ですが、規制が厳しくなり、常に警備員や警察官が巡回していることもあって、無理やりタクシーに乗せられるようなことはありま私自身、どこから見てもアジア人で、ひと目見て標的にされるようで、必ず「タクシー?」と声をかけられますが、「NO!」と強く言うと、それ以上の客引きにはあいません。

3年ほど前に、ノルド駅でぼったくりポーターに出会いましたが、私自身も「NO!」と繰り返し言い、周りの人もそれを察して「あっちへ行け!」と制してくれました。

なお、タクシーに関しては、1キロ当たり1.29~1.49レイで運行しているタクシーと、3.5レイで運行しているタクシーがあります。双方、混在していて、ともに法にのっとっています。同じ距離を、基本料金3.5レイのタクシーに乗ってしまうと、「ぼったくりか?」と思われるほどの3倍近くの料金を請求されることになりますが、メーターがきちんと廻っている場合、それは合法。基本料金は、タクシーの車体に表示されていますので、確認してから乗りましょう。

次のエントリーで、私が実行している『安全にタクシーを利用する方法』をご紹介。


ご無沙汰していました:
気温42度のブカレストで、ばてていたわけではありません。週末ごとにロングランの大会が続いたり、ブカレストロケ取材協力の仕事をいただいたり、多用きわまっていました。ブログは続けて更新していきますのでまたどうぞお越しくださいませ。

  
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