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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



一昨日と昨日の記事に続き、世界一の大富豪と言われていたゲティ一族を近所のシギの写真と一緒に紹介しましょう。

ポール・ゲティ1世の孫、ポール3世(19562011)は、1973年にローマで誘拐され、犯人から1700万ドル(当時の為替1ドル265円なら45億円)の身代金を要求されますが、ケチで有名なポール1世は支払いを拒否、犯人たちがポール3世の耳を切り取り親元に送りつけた状況は映画『ゲティ家の身代金』に詳しく描かれています。

結局、世論の圧力もあってポール1世(18921976)は交渉人を雇って犯人側と交渉、値切った身代金320万ドル(85千万円)を支払ったことで誘拐から5か月後にポール3世はやっと救われたのです。

そのポール3世は、25歳のときドラッグの過剰摂取で脳死状態となりますが奇跡的に回復、しかし重度の身体障害者となり54歳で病死しています。

映画『ゲティ家の身代金』では、ポール2世とその元妻(その時点で二人は離婚していた)が父親のポール1世に身代金を支払うよう説得するシーンがありましたが、薬物中毒で精神を病んでいた父親(ポール2世)は、息子を救うための行動を何も起こさなかったと文献(ゲティ家の身代金)にありました。

ポール2世(19322003)の弟、ゴードン(1933~)は、家業に携わり、ポール1世の死から10年後(1986年)にゲティ石油をテキサコ石油に高値で売却、ポール1世が築き上げた一族の財産は巨額となり、これを兄弟平等に4分割しています。

イギリスで生活していたポール2世は、1986年に薬物中毒を克服、父親からの財産をイギリスの様々な芸術・文化活動に寄付、エリザベス女王からナイトの称号を受け、イギリス貴族の仲間と認められるようになっています。

そのポール2の個人資産は約16億ポンド(1986年時点のレート1ポンド=250円なら4千億円)と言われ、イギリスに14千万ポンド(350億円)以上を寄付したことが認められイギリス市民権を1997年に得ています。それでも資産は3千億円以上残り、当時の年平均利益10%で資産運用していたなら1年で取り返せる計算でした。

最近の日本でも、ポール1世に並ぶ資産家が誕生しているようですが、子孫が道を誤らないよう様々な活動にどしどし寄付をはじめて欲しいものです。

参考文献: ゲティ家の身代金 ジョン・ピアースン著



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