野鳥・旅行・観光・テニスなど趣味の写真ブログ
ROSSさんの大阪ハクナマタタ



環境省のHPによれば、豊かな「かおり」とその源となる自然や文化を将来に残し、伝えていくため、2001年秋に”かおり風景”を募集し、600件の応募の中から、特に優れた100地点が選ばれたという。



大阪府から選ばれた3地点のうち法善寺の線香と、鶴橋駅周辺のにぎわい(率直に言えば焼肉のかおり)と比べると、枚岡神社の社叢(しゃそう。神々の森のこと)は、より情緒があると思うのは私だけか。



生駒の森にしずまる境内の楠、桜、杉、小賀玉(おがたま)などの古木、ビャクシンの切り株、南側斜面にある梅林など「樹木のかおり」が楽しめるというので、梅雨の晴れ間を見つけて枚岡神社を訪ねてみた。



難波から乗った近鉄電車が生駒山麓にある瓢箪山駅から急に北向きにカーブしながら生駒山中腹近くまで急な坂を登ると枚岡駅である。

拝殿前の石段



この駅の近くからは眼下に広がる大阪平野全体を眺めることができる、まさに河内国を支配するにふさわしい場所で、6世紀物部氏がここを拠点とした訳が分かった。



枚岡駅の出口から山側は、そのまま枚岡神社参道の石段となり、奥の鳥居を潜ると玉砂利ではなく石畳の参道となっているのが珍しい。



参道の途中から右に延びる脇道を進むと枚岡梅林があるが、この梅林は1881年に地元の有志が神護寺の跡地に梅の木を植えたのが始まりというので126年の歴史を持つ古い梅林である。



枚岡神社の社紋は下がり藤で、石灯籠にはこの紋と鹿が彫りこまれ、拝殿への石段の手前には鹿の石造が置かれているのは、鹿が春日神の使いとされているからであろう。



拝殿に上る石段の右手には、都市の中にある神社には珍しい禊場があり、いまも禊の神事に使われているようである。



境内の高台にある本殿から神護寺のあった梅林に伸びる参道は、社叢と呼ぶにふさわしい場所で、たしかに心が落ち着く森の香りがしたのである。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )