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大鳥大社の歴史
大阪の神社を歩く
/
2007年07月06日 05時05分48秒
大鳥神社の「大鳥」という名称と、日本武尊の魂が「白鳥」となって飛び立ったという神話が結び付けられ、長く日本武尊が祭神となっていたが、1896年内務省の指示により、大鳥連祖神(天児屋命)に祭神を変更している。
鳥居
1961年になってようやく神社側の主導で江戸期を通じての祭神であった日本武尊を、大鳥連祖神に加えて祀ることにしたというが、大鳥連祖神(天児屋命)は中臣氏(藤原氏)の祖神の一つなので、大鳥氏は藤原氏と血縁関係がありそうである。
由緒書
最も古い記録としては823年、岸和田市にある積川神社とともに朝廷の祈雨の奉幣を受けたと日本後紀に出てくるので、1180年以上の歴史を誇る神社である。
石灯籠
922年の「大鳥大神宮五社流記帳」では、神階は正一位、祭神が天照大神となり延喜式神名帳では、和泉国唯一の名神大社となっている。
参道
大鳥大社の別当寺としては、大鳥山勧学院神鳳寺が平安時代末期には存在しており、鎌倉時代初期には、大鳥美波比神社・大鳥鍬靫神社・大鳥井瀬神社・大鳥浜神社とともに「大鳥五社」を形成している。
大鳥美波比神社
中世には和泉国一宮として国衙などから崇敬を受けるが、大鳥神社を祀ってきた大鳥氏は次第に衰退し、1575年に織田信長から所領1300石を安堵されている。
拝殿を横から
戦国の兵火により、神鳳寺とともに一時焼失したが、片桐且元を奉行とした豊臣秀頼寄進の造営で1602年に再建されたが1615年の大坂夏の陣でまたも灰燼に帰したという。
大坂の役で兵火に遭った堺の復興の際には、堺奉行を兼務していた長崎奉行の長谷川藤広が、風間六右衛門を地割奉行として復興・区画整理を行っている。
本殿
4代徳川家綱の時代となる1662年には、堺奉行石河利政が大鳥神社及び神鳳寺を再建し、1701年には綱吉の側用人となった柳沢吉保も社殿を修営して、柳沢氏が保護したことで神鳳寺は全盛期を迎えている。
本殿入り口
鎖国政策によって堺が衰退すると、堺奉行の地位は低下し、1696年に一旦廃止されたが、1702年になって再度設置され、天保年間には堺奉行は大阪町奉行へのステップとなり、矢部定謙、跡部良弼、久世広正などがこのコースを辿ったという。
神鳳寺の繁栄とともに大鳥神社が衰退したために地元民は反発して、近世末まで紛争が続いたが、大鳥氏は断絶しその後は和泉総社の神職が祭祀を引き継いだという。
本殿屋根
明治になると近代社格制度のもと、1871年に官幣大社に列格され、神仏分離により神鳳寺は廃寺となり、末寺であった光明院が仏像・記録などを引き継いだが、1905年、落雷により国宝に指定されていた柳沢氏の社殿が焼失している。
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