遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



    中学校最後のおはなし会 今年は一度も忘れることなく 休むことなく 遅れることもなかったのですが 最終日 息子とのやりとりから....3分前の到着となりました。「おりゅうと柳」を語るつもりだったのですが もうすぐ1周年、福島からの転校生がいるかどうか訊ねてから 3.11 庄司アイさんの語りをしました。息ととのわぬまま語りました。女の子がふたり泣いていました。後ろの男子のまっすぐな視線を感じて語りました。もちろん 伯爵の天使 つつじの娘 その他のおはなしでも泣いた子たちはいたのですが.....。

    実は2月 こんなことがあったのです。「福島からの転校生がいるので 震災の話は考慮してほしい」.....それは 語り ではなく 津波にあった子どもたちの作文集 の読み聞かせのことだったのですが 読み聞かせのボランティアのなかで波紋を呼びました。.....交通事故に家族があった子どもがいるかもしれない 障害のある家族がいるかもしれない おとうさんや おかあさんが亡くなった子がいるかもしれない ..... なにによってだれかが傷つくかもしれない.....そう考えていったら 選書は限られてくるのではないか ...... 共有することも必要なのではないか......

    あたたかい 元気のでる ためになる(と思う)....絵本やものがたりだけがふさわしいのだろうか......それは読み聞かせするひと 語るひとの疑問のひとつだと思います。

    以前 童話の残酷シーンが問題になったことがありましたね。グリムは死で彩られています。日本の民話にしたところで カチカチ山で おばあさんは食べられてしまいます。昔話の本質は生と死 再生なのですから....発端句むかしむかし...と結句めでたし めでたしなどがあるのは ここからものがたりの世界だよ ここから現実の世界に戻るよ ということなのだと思います。わたしがティンシャを前後に鳴らすのはそういう意味が実はあるのです。

    おかあさんたちからは ディランの絵本の流される ということばが気になって.....とか さっちゃんの魔法の手 を読みたいのだが読んでいいかわからない という悩みが語られました。わたしも 天使の着ぐるみ について語ることをためらっています。紀の長谷雄卿のはなしで躊躇したときは 先生から子どもたちはおとなとして扱ってもらえるこういう話が聞きたいのです。教訓くさい話よりも。.....とエールをいただいて三年生には語っているのですが....。

    中学校のおはなし会で最初に校長先生がおっしゃったことばは 「みなさんが子どもたちに話したいおはなしを 語りたいものがたりを 」でした。そのことばを抱きしめながら だいじょうぶかなと感じたら事前にみんなに聴いてもらおう ということになりました。

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