リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

主義主張にも賞味期限があるのかな

2022年11月09日 | 日々の風の吹くまま
11月8日(火曜日)。☀☀☀。きのうとは打って変わったいい天気。ルーフデッキにはまだ雪が残っていて、丸いプランターの下のトレイに溜まっていた水がカチンと凍っているのは、夜の間に氷点下の気温だったということかな。今ごろは冬に突入しているはずの東のトロントでは何と20度を超える気温だったそうで、もしかしてカナダの地図が裏返しになっちゃっていたりしてね。もっともずっと昔に11月が真冬だったことが何度かあって、そのときはf真冬のはずの頃に秋たけなわの陽気になった記憶があるから、ま、マザーネイチャーのおっちょこちょいは今に始まったことじゃないのよね。それにしても、抜けるような深い青空はやっぱり気持がすっきりするね。

今日はカレシの早番レッスン(9時)がないので、ゆっくりと起きて、ベーコンとマッシュルームを炒めてスクランブルエッグを作って、バナナ半分を添えて朝ご飯。がくんと減ってしまっていた体重がやっとのことで3週間前の水準に戻って、何となくエネルギーが沸いて来た感じ。混み合っている救急センターに2度も行ったり、昼も夜も構わず2、3時間おきに始まって30分も1時間続くしゃっくりで眠れなかったりして、あの2週間は2人ともほんとに疲労困憊の極限に近かったような気がする。現役の頃にはひどいときには2晩連続で徹夜したこともあるワタシが、頭が朦朧として来て、ベッドに転がってそのまま3時間も眠ってしまったくらい。もっとも徹夜しても大丈夫だったのは20年前までのワーカホリックで「まだ若かった頃」の話で、それから20年の寄る年波にはやっぱり勝てないってことなんだな、うん。

アメリカでは今日が中間選挙の投票日。カナダや日本のような議院内閣制と違って、アメリカは行政と立法が分立しているので、共和党が議会を支配することになっても民主党のバイデン大統領はそのまま。何だか硬直しているという感じがするけど、植民地が本国に反旗を翻して、フランスやスペインを巻き込んでの戦争で独立を勝ち取った国なので、当時のイギリスの政治制度を徹底的に排除することに拘った結果、そのための規制で民主主義そのものががんじがらめになって、頑固な国民性ができ上ったんだと思う。その頑固なアメリカ国民がこうも見事に真っ二つに分かれて、極左と極右で互いをキャンセルし合っている現状では、どっちが優位に立っても山積みの問題を解決できるとは思えないな。ちなみに、独立戦争のときにフランス系のケベックをアメリカに併合しようとして、ケベックを支配していたイギリス勢を追い出す目的で(その時はまだ国としては存在していなかった)カナダに「侵攻」して負けたことはあまり知られていないけど、もしもあの時にケベックがアメリカ側についていたら、ケベックのフランス語がどうなったか、想像がつく気がする。

まあ、何とか主義というのは、所詮は人間が長い歴史の流れの中でのその時その時の状況から作り出したものなんで、その状況も人間も時間の流れに乗って変わって行くものであれば、いずれは硬直して円滑に機能しなくなったり、破綻してしまったりするものも出て来てもおかしくない。主義主張が硬直してしまえば、内部では仲間の思想を統制して結束を死守し、外に向かっては威嚇や暴力で主張を押し付けるしか維持できる術がなくなるんじゃないかと思う。だから、二十世紀の帝国主義も軍国主義も共産主義も社会主義もそうだったように、自由主義も資本主義も平等主義も個人主義も多文化主義も平和主義も民主主義も、みんないずれは行き着くところまで行き着くて身動きが取れなくなるだろうし、そうなったらその隙をついて新しい「主義」が登場して来るのが人類の歴史というものだと思う。ま、政治家でも活動家でも学識者でもないワタシの言うことなんか誰も聞いていないとわかっているからそう言ってしまえるんだけど。あ、夕日に燃えているサレーのタワー群の向こうにアメリカのベーカー山が聳えている。あしたも晴れるかなあ。