読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

功名が辻 NHK

2006-12-10 21:35:13 | 日々雑感
本日でNHK大河ドラマの「功名が辻」が終了した。

近頃の大河ドラマは「ウン?」と思うところが多くて、ドラマとしては楽しめるが歴史の知識とか解釈という部分についてはガッカリする。

というわけで、できる限り「これはドラマである」と言い聞かせて、できる限り「文句」とか「難癖」などつけないようにしている。

さて、今回の功名が辻であるが、なんといっても「山内一豊」がカッコよすぎた。
従って、土佐山内家は千代がその土台を作った、ということを強調しようとすると一豊の無能が明らかになるし、でも一豊を無能にするにはちょっとなあ、という矛盾がみられて、首尾一貫、ということからいえば不満がある。

しかし、これはもう娯楽ドラマであるからして・・・・

千代の役割というのは大きかったと思うが、実際には一豊の武運が土台にあったわけで、従って、一豊というのはやっぱりそれなりの男だったと思う。

ということを前提として「功名が辻」がある。
ただし小説としては、千代の役割と明確にするために、一豊を無能化させている。

このあたりをどのように見せるのか、というのがドラマ化の課題であったと思うのだが、そのあたりは充分こなれていなかった。
一豊の役をもっと醜男にしてしまえばよかったのに、と思うのである。

ともかく「仲間由紀恵」に頼り切った展開であった。
願うのは、「よい子」の皆さんが、これを史実だと勘違いしないこと、である。

いくら平和を願った千代であっても、山内家を興すことができたのは「戦乱」の世の中であったことがもっとも大きな要因であったわけで、しかも興すに当たっては多くの人の死『殺したり殺されたり』したことがあったということが前提である。

平和な世の中であったら、この物語は成立していないのである。
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