読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

コトバ

2006-12-19 23:10:32 | 日々雑感
近頃「コトバ」ということについて考えることが多くなった。

ひとつには、わが社が合併していろいろな人が集まった。そこで意思の疎通を行うために「話す」わけだが、これまでそれぞれの文化(といえば聞こえがいいが、つまりは仲間内)で使われていた「コトバ」がうまく通じないことが多い。

同じ業種であるのに、基本的な「コトバ」の意味が微妙に違うのである。
また、こちら側では当たり前のように使っていたコトバがゼンゼン通じなかったりすることも多い。

井上ひさしの「国語元年」という物語を思い出した。
明治維新にあたって、それぞれのお国言葉を統一して新しい日本語を作ろうということのドタバタを描いたものである。

このときは「××弁」という言葉の統一であったが、今私が直面しているのは一つ一つのコトバが持つ意味である。
ある人が言うコトバと同じコトバなのに別の人が使うとチョイと意味が変わってくる、というのはどういうことなんだろうか?

やっぱりある意味「村社会」であったのではないか、なんて考えているのである。

そして、今多くの人に我々の思っていることを理解してもらおうとしているのだが、このときの「コトバ」にはすごく気を使っている。
我々が何気なく使っているコトバでは、理解をしてもらえないだろうなあ、というのは自覚しているのである。

コトバだけでなく、言い方、言っているときの顔や身振りなども含めて、こちらの考えを伝える、という作業は大変難しいと思っているのである。

それにしても、コトバ、というのもなんだか多様性を帯びてきているのではないか、それはこの国がなんだか変化していることを表しているのではないだろうか、そんなことを考えているのである。
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