読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

ALWAYS 三丁目の夕日

2005-11-12 21:33:12 | 観た、聴いた
今日は、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」を観てきた。
丁度コンビニで、コミックを購入して、ストーリーも若干わかっていて、これを映像で見るのも面白いかな、という気持で行ったのである。

いやあ、泣けた、泣いた、頬を伝わる涙、なんて、すごーく久しぶりの感覚であった。
ずっと泣いているわけではなくて、笑いもあるのだ。

さて、映画を観る前には「レトロ」というものを多く感じさせてくれるのだろうな、と思っていたのだが、「レトロ」な部分に「懐かしさ」というのをあまり感じなかった。それは、多分東京のレトロと田舎育ちの私にとってのレトロというのが違うからなんだろう、と思う。

「ああ、東京ではこんなだったんだ」という感想のほうが強かった。
昭和33年頃の東京が舞台であったが、こんな状況なんて田舎では今までもありえないことであって、この映画は「東京のレトロ」であるので、昔の東京を知らない人にとっては「懐かしさ」というのはあまり感じないかもしれない。

しかし、そのことだけがこの映画の「ホント」の部分ではないようだ。
「人情」というか「人と人とのつながり」ということに「懐かしさ」を感じ、そして「失った」ということを思うのではないか。

血の繋がった「家族」でさえ、今は大きなつながりを持たないような気がする。それは、一人一人が独立した存在、になってきたからではないか。
昔は、一人一人が集まって共に生きる、ことにしなければ生きていけなかった。今では、共に生きなくても、生きていける。
それは「福祉」によるところが大きい。
つまりは、独立して生きているようだが自立して生きているのではない。
自立ということであれば、昔のほうがそれぞれ助け合って自立していたように思える。

だからといって「昔は良かった」なんていわない。
ただ、そんなふうに生活していたんだ、ということをこの映画で確認できた、のだ。
人は人を思いやり、思いやるからこそ相手からも思いやられるのだ。
そこに「笑い」もあり「涙」もありそして「幸福」があるのではないだろうか。

それにしても、泣いた・・・泣いた。
コメント
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