読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

生涯学習と社会参加 佐藤一子 東京大学出版会

2005-06-22 22:46:53 | 読んだ
これは次の科目修得試験を受ける科目。
副題として「おとなが学ぶことの意味」とある。

えー、よくわかりませんでした。
これから、レポート問題を解き、カコモンをといていくうちになんとなく判るような気はしますが・・・
兎も角も読み終えたことに、拍手。

生涯学習の歴史を学ぶのか?と初めは思いましたもの。
確かに、生涯学習(社会教育)の歴史みたいなものは知っておかなければならないとは思いますが、それって専門的に学ぶ人でいいんでないか。(あっ、もしかして私ら専門的に学ぶ人?)

チョットとっつきにくいテキストである。というより、これ「論文」ですから。
もう少し噛み砕いたものがよろしいんではないでしょうか、といいたい。

とはいえ、サスガに東大大学院教授、引用は非常に多いものの、キラリキラリと光る言葉はありました。

チョット長いですが、引用させていただきます。(これは一つの段落に書かれていますが、読みずらいので勝手に、段落をつけています)

「なかでも大きな問題は、高齢化と農山村地域における第一次産業の衰退や経済空洞化による地場産業の崩壊、教育による競争の激化と学校体系の再編のもとでの地域の子育てや青少年の社会的自立をどう支えるかという問題、そして環境・資源再生問題である。

 また、こうした問題を解決していく上で、地域住民が国際的な視野をもって社会に参加し、問題解決のために協力していく意欲・生きがい・能力を培うことが求められている。

 すなわち住民を公共福祉サービスの受益者として対象化するのではなく、住民の主体的参加のもとで住民自身自ら担うべき活動は担い、解決しうることは解決し、自治体の責任と住民の相互扶助活動とのパートナーシップのもとで地域づくりが発展しうるような新しい関係を築くことが課題となっているのである。

 その意味では、大衆消費社会の繁栄のもとで選択と消費に生きがいを見いだす市民像は、少なくても地域生涯学習計画のレベルでは実態と乖離しているといわざるをえない。」



全くそのとおり、そうかこういうふうに言うんだなあ、と思いましたです。
最後の段などは、「地域生涯学習計画のレベルでは」としていますが、真の民主主義レベレ、といいかえてもいいくらいである。

とまあ、難しい本を解読しながら読むことも、また、面白いのである。

追伸
 というわけで、これからの時間は「炎立つ」(高橋克彦)に専念しよう。
コメント
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