読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

虹色の記憶 岸香織 中公文庫

2005-06-18 21:13:12 | 読んだ
久々の、大当たり!!
いやあ、ホント、面白かった。

文庫の裏表紙の紹介文
「宝塚在団40年。子役から老け役、男役から女役まで、幅広く活躍した名バイプレーヤーが、才筆にまかせて描いた<夢の園>の華麗な舞台裏。さまざまな人間模様に彩られて、ときに暖かくときにきびしく、しかもユーモラスな宝塚生活が繰り広げられていく。」

ほんと、そのとおりで、1957年入団から1999年退団までの出来事、先輩から聞いた話、などをユーモアたっぷりに、そして流れるようなお喋り口調の文章で書いている。
読むほどに、そのテンポのよさに引きずり込まれ、ステップを踏みながら読んでいるような錯覚になる。

先ずは「不思議の人、岸香織さん」と題して「真矢みき」が序文を書いている。
そして、始まりは昭和33年の宝塚大劇場で起こった惨事。「舞台は戦場」を前提として、戦場なるがゆえの人間のギリギリのところをユーモアで描いている。
バカバカしいお笑いを一席の後、しみじみとした人のつながりが述べられ、人はバカバカしいこともしみじみとしたことも一生懸命やっている矛盾しているから人なんだ、というような人間観でもって許している優しさが感じとられる。

現役時代から月間誌「宝塚」にエッセイを書いていた筆力と経験が、読みやすく、そして漢字、平仮名、カタカナの配列と改行が見やすくなっている、文章にしている。
見習いたいものである。

そして、このコトバ
「宝塚で生きていくのなら、芸の幅を広げる為にも、集団生活を円滑に運ぶ上でも、人脈をタテにヨコに広げる心遣いは絶対に必要だ。第三者から得た有形無形の援助は、生涯にわたって、身の財となるであろうから」
宝塚以外にも普遍的に通用する考えである。
こういう考え方をするからいい文章が書けるのだと思う。

本年度上半期1番の推薦ものである。
「炎立つ」の合間に読もうと思っていた「軽めのもの」がおおあたりで、本命の炎たつをま だ読んでいない。というわけで、宝塚歌劇を知らない人みも、興味がない人にも、お薦めのエッセイである。

追伸
 いよいよ「炎立つ」(高橋克彦)を読み始める。それから「BARレモンハート」(古谷三敏)21巻をコンビニで見つけ速攻で購入。
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盛岡よろこび組?

2005-06-18 00:13:49 | 日々雑感
盛岡に居る。
仕事を終えて、車を走らせ余裕の2時間で到着。
焼肉やへ行った。盛岡には有名でおいしい焼肉やが数軒あるが、今日はそういうところではなくチェーン店である。

その店での店員の掛け声に「よろこんで!」というのがあった。
居酒屋などではよくある掛け声らしい。(と同行者が言っていた)
アタシは盛岡に「喜び組」でもいるのかと思ってしまった。

なんだか近頃、特に、客商売の店で発せられる「コトバ」が気にかかる。
心だけでなく、態度も伴わない「ありがっとございっましたぁ」いつも行っている店なのに「またおいでください!」更には「お釣りは、大きいほうから、いっせん、にせん、さんぜん・・・」etc
こうなると、かえって黙っててもらったほうが、よかったりするわけで。

店員の態度に、客がいろいろ言うと、決まった形に「統一」して、文句を言わせない、ことにするというのは、対応としていかがなものか、と思うのである。
また、マニュアルを教えることは、教育、とは言わないのではないか。

本日のニュースで、国土交通省は公共交通の事故の多さに「規制」を強めることにしたとのこと。これによってもっとも影響を受けるのは乗客である。これも対応としていかがなものか、と思うのである。規制が真の安全につながるのかが疑問なのである。

小泉さんは民にできることは民で、市場のことは市場で、といっているのに、規制が強くなる、というのは・・・首をかしげるのである。

追伸
 「虹色の記憶」(岸香織)面白い、面白すぎて本命の「炎立つ」を読み始めることができない。
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