京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

こういうお寿司は京料理のルーツかも?

2012年06月21日 05時43分20秒 | 


最近、定期的にお寿司が食べたくなる。
自分で戸惑っている現象なんです。
昔から京男を知っている人から見たら「どうしたの?」とおっしゃるだろう。
同じ予算なら違うものを食べていたから。


↑お醤油を入れてから、使わないことに気づいた。無駄なことをしてすみません。

以前にも書いたと思うけど、小さい時は苦手な食べ物だった。
このセットで言うと上段の両サイドの鱧箱寿司、上段左から2番目ケラ箱寿司の卵だけ、中段右のお稲荷さん、下段右の巻き寿司の卵だけというような状態でした。


↑お吸い物、この日は奮発。鱧が沈んでいます。

小さい時、こういうお寿司が自宅に来るのは、気軽なお客様の時にお寿司屋さんから出前を頼むのです。
もう少し、ランクが上のお客様の場合は仕出し屋さんから松花堂弁当をとります。
間違っても「京のお茶漬」はでませんよ。
実家の場合、親の機嫌がよかったり、お誕生日の場合は「グリル小宝」からオムライスやお子様ランチなんかを出前にとってもらっていました。
グリル小宝」は、出前をしてくれる範囲に実家がありました。
我が家の長女が小さい時に、出前で頼んでいました。
贅沢でしょ。
その他の出前は、近所のおうどん屋さんでした。
かき氷なんかも、そのおうどん屋さんで出前を頼んでいましたね。
冷やしうどんのうどんの上にかき氷の氷が山になっていたんです。
それをソッと外し、あとでお砂糖をかけて食べていたっけ。
カレーうどんやたぬきうどん、木の葉丼や中華そばが好きあのはこの頃からなんでしょうね。


↑おぼろ巻


↑鯛箱寿司

この京寿司をみていると、京都料理の原点が見えてくるように思います。
いまは、お寿司といえば江戸前の握りが中心ですよね。
それって結構最近の傾向なんです。
京都人的には、マグロなんかさほど有り難がらない。
「なら鱧ですか?」と聞かれそう。
あれも本当は、どうかな・・・・。
小さい時、鱧の蒲焼きが嫌いやった。
よく鱧と胡瓜の酢の物が家庭の食卓に上っていた。
鰻の酢の物と区別が付きにくく、鰻だと思って食べてたら不味かったので嫌いだったのですよ。
昔、鱧は高級なものではなかったと思います。


↑いそ巻


↑鯖姿寿司

京男の小さい時は電気冷蔵庫なんてなかったんですよ。
冷蔵庫といえば大きな氷を入れるタイプだった。
電気洗濯機はあったけど、しぼる時、ゴムのソーラーを手で回すタイプね。
そんな状態は、お料理屋さんでもそうだったと思う。
いま見たいに新鮮なお肉とか魚介類を運んでこれなかった。
だから京料理は、悪い材料を美味しく食べるために料理が発達したのだと思う。
フランス料理も中国の四川料理もそうですね。
いまは、新鮮な材料が手に入るから料理人の腕が落ちてきていると思う。
食べるお客さんの味覚も変化してきたというのもある。
テレビに出てくるお料理もゴミ箱料理みたいなものが多くなってきた。
コストの問題もあるでしょうね。料理人の人件費をカットするというのもある。
食文化みたいなものが次世代に次がれていかないかもしれませんね。
ちょっと心配になります。


↑鱧箱寿司、子供の時の好物

なんか話しがそれてしまったけど、こういうお寿司を見ていると、お寿司のご主人がチャンと仕事をしているというのに感心します。
京都にきたらこういうお寿司を食べるといいですよ。
生の材料がのっていないばら寿司なんかも食べるといいですね。
京都では海鮮丼なんて発想は、なかったですね。ホルモン料理なんかもそう。こてこてのラーメンなんかもね。それらは最近なんですよ。
そんなものを並んだ食べるというのは、京都の文化じゃないかも。
京都のお店の前で並んだら、ぜったい誰かに見られ(それほど京都は狭いのです)、「並んだはったね~」といわれます。
それは、ちょっと避けたい。
こういうのって京都で生まれ育った人間の悲しい性なのかもね。
まあ、わからないでようね。(笑)
京都人同士の会話を側で聞いていて、ゾッとするという感覚はきっとわからないでしょうね。
若い世代はないのかな・・・。


↑水物、お店のご厚意

京寿司についての説明をあまり書いていませんね。
「醤油を使わない」と書きましたね。
そうなんです。お寿司が完全に味が整えられているのす。
そのように下ごしらえがしてある。
だから、技にお値段を払うということなんです。
お茶屋さんなんかで食べる場合、お酒の席ですよね。
でてきたものをさっと食べない場合があります。
時間が多少経っても不味くならないのです。
江戸前の場合なら、ドンドン美味しくなくなりますよね。
このお寿司たちはそんな柔じゃないんです。
だからお茶屋さんで食べきれなかったら、家人のために折り詰めにして持って帰ることができる。なかなかよく出来ていると思います。


「御寿司いづ松」地図 なぜか隣の店しかでてこない。
↑病院の帰りだとバレバレかもね。(笑)

ここまで書くと京都に行くと食べようという気になりませんか?
ただし、いくお店によっては結構な予算が必要になるけど。

Twitter→@kyo_otoko
コメント (6)
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