草花好きのひとりごと

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さくらそうの根腐れと栽培

2014-02-04 | さくらそうに関するあれこれ
先日の記事に続いて、さくらそう(日本桜草)の根腐れについて考えてみます。

根腐れと一口に言っても、長い間水浸しにして腐らせてしまったようなものとセンチュウによるものでは原因が異なりますが、植え替え時にひどく根腐れしてしまっていた、あるいは根茎から腐ってしまっていた株でも、6~7月に葉が枯れるまでの時期には外見上の異常は見受けられなかった場合が少なからずあります。
葉が急に萎れるように枯れた、枯れる時期が早い、というような異常らしき変化が見られる場合も皆無ではありませんが、そういう状況を目にすることは比較的少ないと思います。

このことから、葉が枯れている夏以降に何か根腐れの原因があるのではないかと推測できます。
夏と言えば暑く日射しも強いということでまず思いつくのは、鉢土の温度上昇、過湿による蒸れ、といったことですが、少なくとも我が家では駄温鉢や釉薬のかかっていない焼締鉢よりも素材の性質としての通気性に劣ると考えられるビニールポット(ポリポット)の方が比較的根腐れが少ない傾向が見られるので、原因は違うところにあるのではないかという気もします。

ただ、私が近年さくらそう栽培に使っているポットのほとんどが9cmと10.5cmであるのに対して、陶器鉢は4号と5号(直径約12~15cm)なので、土の量が多いことによって湿った状態に保たれやすいことが原因、という可能性は考えられると思います。

次にネグサレセンチュウについてですが、ネコブセンチュウも含めてセンチュウによるものと思われる被害を受けた株であっても、葉が青々として生育旺盛な状態にある時期には被害が急速に拡大することはほとんど無いように思われることから、葉が枯れている時期に、もしくは株が何らかのダメージやストレスを受けた状態にあるとセンチュウによる被害も大きくなるのではないかと推測できます。

上記の推測が合っていると仮定して、根腐れの程度を軽くする、あるいは全く根腐れが無い状態にするためにはどうすれば良いかと考えてみると、さくらそうの状態をよく観察して適切と考えられる栽培管理を滞り無く続けるというのが一つの方法ではないか、ということが思い浮かびます。
しかし、葉が枯れている時期にはさくらそうの状態を外見から判断できる材料がほぼ無くなってしまい、その期間が半年以上に及ぶことから、それを実現するのは何とも難しいことのように思います。


これは私が栽培している野生種のひとつの芽です。
数年前から根腐れがひどく芽も小さい状態が続いていて、毎年腐った部分から先の根を切り捨てて植え付けていたものの昨年は残った白い根の数が少なくなり、ついに枯死させてしまうことになるかと懸念していたのですが、今年は根腐れもさほどにひどくはなく、昨年までよりは大きな芽ができていました。


これは別の野生種でほとんどの根が部分的に腐っていて、腐った部分から先を切り取ると根がかなり短くなってしまって結構ひどい状態です。
これは2年続けて根腐れの程度が悪くもならず良くもならず同じくらいという状況が続いています。

2ヶ月ほど前に古い根茎と一緒に根の腐っている部分から先を取り除いておいたのですが、最近になって土から掘り出してみるとまだ少し根腐れが見られます。
見落としていて切り取り損ねたにしては数が多いですし、以前に11月に芽分けと同時に腐った根を取り除いてから一度仮植えしておき、それを1月下旬以降に掘り出して植え付ける方法をしてみたときにも、植え付け時にまた根腐れしている部分があって再度取り除いたことがあるので、寒い冬の間にも根腐れが進行してしまうことがあるようです。


これは園芸品種の芽ですが、中ほどから先の方が部分的に腐っている根が多かったものです。
さくらそうの根が部分的に腐る現象は、1~5mm程度の長さで腐っている場合が多いように見受けられますが、腐るところは根の元の根茎につながっている部分であったり、根の先端近くであったり、その中間であったりと、特にどこか決まった位置が腐りやすいということはなさそうです。

同時に混ぜた用土で植え付けたポットをすぐ近くに置いて栽培していたものを見比べても、今年ひどく根腐れしていたもの、先の画像の野生種のように根腐れが少なくなっていたもの、昨年と同程度だったもの、見た目には根腐れが全く無いもの、といったように根の状態には差があります。

このことを改めて考えてみると、根腐れの原因というのは、その個体(園芸品種の場合は品種)の性質、栽培(用土、肥料、水やりなど)、環境(栽培場所や気候など)、害虫(ネグサレセンチュウなど)、というようなさまざまな要素が関わっているのだろうと思われます。
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