草花好きのひとりごと

植物の栽培記録や鉄道・路線バスなどの趣味について記しています。

野生種が人気?

2012-02-26 | さくらそうに関するあれこれ
インターネット上で、さくらそう(日本桜草)に関する情報収集をしていたり、ネットがきっかけとなってお付き合いが始まった知人と、メールでの情報交換をしていて私が感じることは、野生種の人気の高さです。

私の住む神奈川県内だけの現象かもしれませんが、10年近く前と5年ほど前、そして近年のことを思い出してみると、展示会での野生種の鉢数が増加傾向にあるようにも思います。

野生種というと、自然破壊、環境への影響、などといったことを指摘される向きもあるかと思いますが、野生種愛好者の大多数は直接自生地を荒らすのではなく、栽培増殖品を入手して栽培を楽しんでおられるようです。

もちろん間接的に自生地を荒らしていることにはなるのですが、多くの場合、同名で呼ばれる野生種は花の特徴から見て同一個体である可能性が高く、1株採集されたものが時間をかけて増殖され、出回ったものと推測できますから、そうであれば影響は最低限に抑えられていると考えられます。

さくらそうに興味と関心を持つ人々に、野生種を好む傾向が少なからず見られるのはなぜか、数年前から私なりに考えていて、このブログにも少し記したこともありましたが、現時点での仮説を立てておきます。

1. さくらそうに興味、関心を持つ人々に、山野草愛好者の割合が高くなってきた。
2. 主として華麗な大輪花を目指して改良が進んだ園芸品種を、あまり好まない人が増えた。

上記2.について、さらに詳しく記すと、最近というよりもかなり以前からのことですが、様々な園芸植物が容易に入手できるようになり、世間に溢れていると言っても良い状況です。

そうした状況下において、花に、華麗、豪華、派手、といった要素を求めるのなら、さくらそう(日本桜草)をあえて選ぶ必要は無いのではないかとも思われ、さくらそうに関心を持った人々が求めているのは、可憐、素朴、といった要素だと考えると、野生種に人気が集まるのにも納得できます。

小輪の花が咲く園芸品種にも、可憐さ、素朴さ、という要素は多分に含まれていると思いますが、集めて楽しめるほどの品種数を容易に入手できるものだとは、とても言えないのが現状だと思います。

あるいは、さくらそう趣味栽培者という存在が、園芸品種系、野生種系というように、好みによって分かれていく過渡期に現在はあたっているのかもしれません。

この仮説が当たっているかどうか、または一過性の現象なのかどうか、10年、20年後には判明しているかもしれません。
それを楽しみに待ちたいと思います。
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さくらそう趣味の雰囲気

2012-02-26 | ひとりごと
世の中には様々な園芸植物があり、それぞれに栽培を楽しまれている方がおられます。
言うまでもなく、複数の植物を愛好される方も少なくありません。

同好のお仲間が集まって会を作られ、展示会を催されたりする場合もあります。
面識の無い個人のお宅の花を拝見させて頂くのは難しいものですが、そうして展示公開されると、比較的容易に花を見せて頂くことが叶います。

近くで展示があると、私も訪れて見させて頂くことがあります。
そこで感じられるのは、それぞれの園芸植物の愛好家、栽培家の方々の間の雰囲気のようなものが、対象とされる植物によって異なるように思えることです。

それは、各々の植物の栽培方法や仕立て方などの影響を受けているものなのかもしれません。

展示された花を眺めている時に、周囲の方々のお話が聞こえてきたりするのですが、栽培法に教科書的な基本のようなものがあり、それを先輩方から教わって何年か栽培して一通り覚えてから、各自研究して工夫する、といった道順があるように私には感じられる植物もあります。
その教科書は地域により、または会により違う、といったことはあると思います。

そして、会に入るとそれに従わなければいけないというような雰囲気が、どことなく漂っているように感じられるときもあります。

さくらそう(日本桜草)では、比較的自由な雰囲気が漂っているように感じられることも少なくないのですが、時にはそうではなく感じられることもあり、組織として直接の関係は無いとは言え、江戸時代の「連」の慣習の影響が未だに残っているのかもしれません。

私がさくらそうを栽培していて疑問に思ったことや、迷ったこと、悩んだことなどに対して、「私はこうしています」といったご意見を頂くことはありますが、「こうしなさい!」というような言い方をされたことは一度もありません。
他の植物では、先輩方からそういった強制的なアドバイスをされたという話を聞いたことがあります。

もし、さくらそうがそうであったなら、私はとっくに栽培を止めていたと思います。

しかし、栽培に慣れてくると、自分の栽培方法が絶対に間違いない、といった思考に陥りやすいものなのかなという気もします。
自分が将来そうしたアドバイスの仕方をすることのないように、肝に銘じたいと思っています。
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