草花好きのひとりごと

植物の栽培記録や鉄道・路線バスなどの趣味について記しています。

サクラソウとさくらそう

2011-02-25 | ひとりごと
さくらそう(日本桜草)は、何年も植え替えないと芽が小さくなって花が咲かなくなったり、根腐れなどで枯れてしまいやすくなったりして、とても丈夫で育てやすいという植物ではありません。
今の時期の花でいえばパンジーやビオラといったような一年草などのように、気軽に庭や鉢に植えて何ヶ月も花を楽しめる植物とも違います。

このように多少なりとも手間のかかる植物を栽培する人がいるということは、それだけ桜草の花に人を魅了するものがあるということでしょうし、手間がかかるということは手をかければより美しく咲いた花を眺められるということでもあり、趣味として取り組み甲斐のあるものだとも言えそうです。

地域によって状況には違いがあるようですが、私の住む県内では私が知っているだけでも3つの展示会が催され、愛好家の方が丹精されたさくらそうを見せて頂くことができます。
何か具体的なデータを持ち合わせているわけではありませんが、「さくらそう(日本桜草)」を知っている人、栽培している人ともに、十年くらい前と比べていくらかでも増えてきているように感じられます。


さくらそうは鉢植えで栽培されることが多いですが、地植えでも栽培できます。
植え替えや除草などの作業が可能で、開花(鑑賞)期間が20日から一ヶ月程度と短くても構わないのならば、例えば公園などの花壇に植えることもできそうです。
そうなれば、より多くの人にさくらそうが知られ、現在以上に普及するきっかけとなるかもしれないと思いますが、考えてみるといくつかの問題に思い当たります。

地面からの高さのそれほど無い花壇では、下向きに咲く花は上から見てもあまり綺麗には見えませんし、風雨によって花が下を向いたり花茎が倒れたりしやすい花も地植えには不向きと考えられます。
そう考えると野生種が適していそうに思えますが、もとからの自生地ではない場所に野生種を植えてしまうと、かつてその場所または地域に自生地が存在していたという誤解を招いてしまう懸念があるように思います。

逆に過去に自生していたと分かっている場所、地域に、他の場所の野生種を植えてしまうと、それがその地域の野生種と間違われてしまう事態になりかねないと思います。

その場所または地域に自生していたものではない旨を記載した案内板などを設置するのも一つの方法ですが、見落とされる可能性もありますし、よく読まないで勝手に解釈してしまう人も出てくると思われます。

では園芸品種で上記の条件に適した花が咲くものを植えれば良いのかといえば、そうとも言い切れません。
野生の「サクラソウ」と園芸植物の「さくらそう(日本桜草)」の違いがよく知られていなければ、やはり誤解を招くことになるのではないかと思うからです。

野生のサクラソウ、さくらそう(日本桜草)の園芸品種、そのどちらも美しく、趣味で育てるのには意識して分ける必要が無いものなのですが・・・
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