松明 ~光明を指し示して~

暗闇を照らし赤々と燃える。が、自身が燃え上がっては長くはもたない。火を消すことなく新しい松明へと引き継がれねばならない。

2つの国語教材の共通した解釈から

2021-01-13 11:27:43 | Weblog
◎その1
大造じいさんとがん
残雪の目には、人間もはやぶさもなかった。ただ、救わねばならぬ仲間の姿があるだけだった。
いきなり、敵にぶつかっていった。そして、あの大きな羽で、力いっぱい相手をなぐりつけた。

スーホの白い馬
大きなおおかみが、ひつじにとびかかろうとしています。そして、わかい白馬が、おおかみの前に立ちふさがって、ひっしにふせいでいました。

上記の2つの教材文での共通性
○残雪(がん)とやぶさの関係はどうか
 残雪(雁)= 冬鳥。湿原、沼などに群生しする。食物は雑草、穀類、野菜などが主である。
 はやぶさ = カラスくらいの大きさ、小鳥からハト、ガン、カモなどを捕食、獲物の上空から下方の獲物に向けて滑空して加速し、獲物を足で蹴り落とす。蹴落とされた獲物は、ほぼ即死か、失神状態であり、それを空中でキャッチする。このようなダイナミックな狩りをするのはハヤブサだけである。
つまり、残雪は当然勝てそうもないはやぶさに対峙している。挑んでいる。
○白馬(馬)とおおかみの関係はどうか
 白馬(馬)= 草食動物で、他の動物や人間に対して攻撃的な性質のある生き物では決して。馬はツノもないし、牙もありません。自分の身が危険になるような所から遠ざかる本能があります。
 おおかみ(狼)= シカなどの大形獣のほかネズミなどの小動物も食べる。
※残雪とはやぶさの関係と同じように、白馬も勝ち目のないおおかみに対峙しているのである。
文章を読み取るときに、子どもたちにこのことをきちんと調べさせておく必要がある。でないと残雪や白馬のすごさ、大造じいさんやスーホの気持ちがしっかり理解できないと考える。
◎その2
大造じいさんとがん
 仲間がえさをあさっている間も、油だんなく気を配っていて、りょうじゅうのとどく所まで、けっして人間を寄せつけなかった。
※りょうじゅうを持った大造じいさんの動き、残雪の動きを子どもにやらせて、イメージを深める。
スーホの白い馬
 白馬が、おおかみの前に立ちふさがって、ひっしにふせいでいました。
※おおかみの動きに対して白馬の動きを子どもにやらせて、イメージを深める。
立ちふさがる=前に立ってさえぎり止める。立ちはだかる。
ふさがる=つまる。一杯になって他のものが中へ入れなくなる。
上記の場面も2つの教材の共通性がある。その1もその2も追求型の指導で大切にしている2項対立の問題ではないが、文章を深く味わうとかイメージを豊かにするものとして重要な指導ではないだろうか。ここでは2教材を例として考えてみたが他にもこういう共通性がたくさんあるのではないだろうか。


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