「学校(園)のしつけのなかで、なにが重要か、一つだけあげよ」と問われたら、どう答えるだろうか。
答えは「教師の話を聞く」であると教育実践者の家本芳郎氏はつぎのように述べている。
これは教育の最優先事項である。それほど教師の話は子どもにとって大切なのである。
教育はすべて、教師の言葉から始まるからである。教師の話を聞く力がないと、心身の発達は保障されないどころか、生命を守ることもできない。
だから、子どもたちに「先生の話を聞く」ことをまず要求する。そのかわり、そういうだいじな話をする教師にもそれなりの自覚が求められる。
「師の言葉は水火(すいか)のごとし」という言葉がある。水や火がなかったら人は生きられない。教師の言葉も、子どもたちにとって、水や火のように大切なものだという意味である。
しかし、教師にそういう自覚は薄いようである。まず、教師は教師のもつ言葉の力を自覚し、自らの言葉を「水火」たるべく鍛えていかなくてはならない。