松明 ~光明を指し示して~

暗闇を照らし赤々と燃える。が、自身が燃え上がっては長くはもたない。火を消すことなく新しい松明へと引き継がれねばならない。

よい授業を求めて

2011-12-07 17:49:06 | Weblog



 「よい授業を求めて」のブックレットを読みました。社会科、理科、国語の指導において、「価値ある題材」「授業で人間形成」という2部構成になっており、大変興味深く読みました。このことは、学習指導要領の厳しい縛りや生徒指導と授業の関係が希薄になっている学校の現状からいって、改めて、目を開かされる思いがしました。また、私が常々考えていること、思っていること、感じていることでもあり、嬉しくなりました。読み終えて、心に残ったことを自分の覚え書きのためにも少し記してみたいと思います。
まえがきから
○ 小学校教師は、教科用指導書に依存している。中学校教師は、学習内容を強要している。
○ 教科担任制は、教科指導と生徒指導の截然とした分離がみられる。
○ 価値ある題材の選択を、時には教科を超えて実践してきた。
○ 「教科のなかで人づくり」を目指して・・・
事前資料
○ 授業では発言しないが、実は深く理解している子どももいる
第1章「価値ある題材」の誕生
○ 深みのない授業はおもしろくない。・・・ 教師が題材の奥深さに感動していることが重要です。
○ 子どもたちの自発的な思考や工夫が出やすいように、比較学習という方法論を採用した。・・・ ものごとを比較・対照すること ・・・ その過程が「考える」ことだと思うのです。
○ 子どもたちは集団のなかで他者の意見を聞き、話し合うことで、ゆっくりと自分なりの考えが内面に形成していくのです。
○ 小学校3,4年の発達段階では、劇化という方法で、子どもたちの考えや発想が出てくようにします。「カボチャ君どうして捨てられたの?」など
○ 子どもたちにとって、判断力は、何らかの具体的なきっかけによって動き出すものなのです。
第2章 子どもたちが自分の考えをもてること
○ 同じ文章を読んでも、受け止め方はそれぞれに違うのが当然です。しかし、個人間で比較をすれば多様だが、個人内でどれだけ変容があったか。AとBは違う。BとCも違う。それはそれぞれの良さである。その良さを尊重するということは、Aが、BやCと意見を交わし合うことによって、A’となりA”となるというように、個人内で葛藤があり、変容がある。
 第3章 理科授業で人間形成
○ 学校管理職の大事な仕事のひとつは、若い先生方を育てることである。
○ 方言丸出しの授業 ・・・ 聞く指導を最初の2ヶ月で行います。勉強は友人みんなで、わからないことをわかろうとすることなのだ。そのためには、子どもが本音を言えるようになることだ。
○ 「教師の自己課題自己申告方式」が教師の力量を高める。
○ 話し合いでは、聞き手がうなずいてくれるとか、笑ってくれていたりする場合がよい。 ・・・ 本当の授業は、友だちのたどたどしい発言であっても「うん、うん」「え ーっ?」のようなざわめきが自然に出てくるような授業を教師がつくることです。
○ 「授業は人づくり」です。
○ 教師の判断で、この単元は重要だから2倍の時間をかけたり、ひとつの学習問題に45分間の個人学習をさせることはできます。
○ コンピュータの画像を見て学ぶことなら、家でやればいい。学校はみんなで苦労して、実物を相手に勉強しようというのが、私の持論です。
○ 算数的な考えを出せるような学習課題を作ります。
○ 「学級づくり」と「授業づくり」は一つ ・・・ 学級づくりを他の場でやるのではなく、授業のなかでも進める。
○ 「数学で語るな。算数教育で語れ」「教育」という言葉がついたときに、そこには子どもがいる。
 資料編 
○ 佐野語録
・ 日本人の生活の中には、機智、機転、当意即妙が欠けている。もっと楽しい先生であること。
・ なまの文献に直接触れる授業がよい。
・ 消防署のしくみや消火活動ではありません。大切なのは私たちの生命や財産を守ってくれる機関であり、施設であることに気づくことです。それとともに、自分自身が、幼いながらも社会の一員として、安全を守るための自助努力をすべきだという自覚です。
・ 学びのエネルギーは、子どもの発言の余白のようなところにある。子どもがつまづきを自ら乗り越えていく過程が、その子の強さなのだ。
・ 学校という場所は、みんなで答えを探し合う所です。
・ 「子どもの気ままな考えは許すべきではありません。」暴走する思い込みというものは、子どもたちの内面を決して「強く」することにはならないのです。

「冬よ僕に来い」こんな子どもたちを育てたい

2011-12-07 17:49:06 | Weblog

    冬が来た(高村光太郎)
  
きっぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹の木も箒になった

きりきりともみ込むような冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た

冬よ 僕に来い 僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ

しみ透れ、つきぬけろ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のような冬が来た

 高村光太郎の「冬が来た」の詩です。何回も読んでみよう。「人にいやがられる冬」「雪のたくさん降る冬」「火事の出る、刃物のような厳しい冬」そんな冬が僕に来てほしい、そ してそういう冬を餌食にしてしまう。味方にしてしまうと言っているんです。高村光太郎さんは、凄いですね。
これから迎える厳しい冬ですが、子どもたちにも冬に負けないような強い心を持たせたいです。