「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

12/25〆切。医師として日々感じる現場のことを盛り込みながら「中央区自殺対策計画」へのパブリックコメントを提出しました。

2023-12-25 23:52:40 | 医療

「中央区自殺対策計画」へのパブリックコメント

意見を提出致します。

よろしくご検討の程、お願い致します。
 

第1、総論

1、パブリックコメントの実施時期について
 今回の12/4(月)-12/25(月)は、年末のたいへん忙しい時期であり、皆多忙であり、パブリックコメントを考えてられないのが実情ではないかと考える。せめて、正月休みをまたいだり、11月に実施するなど実施時期を今後は変更をお願いしたい。

2、成果指標の追加

 成果指標は、ゲートキーパーの認知状況と女性の相談に対応する事業の二つのみである。
 もう少し、成果指標を増やすことは、できないか検討を願う。
 例えば、①ゲートキーパーの養成人数、特に企業でのゲートキーパーの割合を増やしていくこと、各種団体での同割合を増やしていくこと②ゲートキーパーの養成講座の開催数、目標毎月開催、③自殺未遂者への支援に入る割合で目標として100%を目指すこと。

3、重点施策において各事業がどのように自殺予防と関連するかの記載

 重点施策のおいて、事業名を上げ、事業概要も記載がある。関連するであろう事業を網羅的に挙げられていることに敬意を表する。事業概要においては、確かにその事業がどのような事業であるかを簡潔に記載がなされているところだが、もう一歩踏み込んで、その事業がどのように自殺予防につながるのかを、ポイントの記載をお願いしたい。読んでいて、事業はあるが、どう自殺予防につながるのだろうかと、考えてしまう。

4、計画の数値目標、自殺者ゼロを掲げることについて

 自殺死亡率を平成27(2015)年と比べて30%以上減少させることを目標とし、中央区の場合、平成25(2013)年~平成29年(2017)年の5年間平均が17.0人であり、その30%減ということで、令和8(2026)年11.9人と出している。
 中央区という規模、そして発生する数が、年間30人前後となっているところからすれば、自殺者ゼロを数値目標と掲げることはできないだろうか。

5、重点施策へ、子ども・青少年を追加することについて

2022年子どもの自殺は、全国で514人(高校生354人・中学生143人・小学生17人)と過去最多を記録している。

子どもや青少年へのアプローチも欠かせない。

高齢者、困窮者、勤労者・経営者、そして、女性へのそれぞれの支援の4つを重点施策にしているところであるが、コロナ禍、子どもの自殺も増えていることを鑑みると、「子どもへの支援」も柱のひとつとして加え、重点施策を5つとすべきと考える。

 

6、自殺へと至る重点項目へのアプローチの仕方の具体的な記載

 自殺へと至る前の重大な局面に対して、どのようにアプローチをしていくべきかの記載をするのはいかがか。
 重大局面としては、①産後うつ、②薬物の多量摂取(オーバードーズ)、③いじめ、④自殺未遂などがある。

 これらの対応について具体的に記載を。

7,「中央区健康・食育プラン2024(仮称)」との連携

 同時期策定の「中央区健康・食育プラン2024(仮称)」で記載のこころの健康づくりは、まさに本計画の予防の中核を占める部分であり、本計画の推進体制である「中央区自殺対策協議会」と中央区健康・食育プランの「中央区健康・食育プラン推進委員会」の有機的な連携、情報交換を期待します。

 

 

第2,各論

1,ゲートキーパー養成、養成人数をKPIにすること

 ゲートキーパーを積極的に養成をお願いしたい。例えば、そのためのオンデマンド講習なども実施し、誰でも、その知識の習得ができるように実施をお願いしたい。
 また、養成人数は、KPIとし、毎年、数値目標を掲げていただきたい

 

2,子どもの自殺対策、そもそも「助けて」が言えない。ことにどのように取り組むか。

 2022年子どもの自殺は、全国で514人(高校生354人・中学生143人・小学生17人)と過去最多を記録、閉塞的な苦しい状況からの解放手段と思いこんで、死を選択してしまっているのかもしれません。薬物の大量摂取(オーバードーズ)をする子どもも出ています。
 誰も信用できないから子どもも「助けて」が言い出せません。自分を傷つけたい・消えたい・死にたいのに「助けて」と言えていない状況があると推察します。
 自殺へと至るそれら子ども達に「助けて」が言えるのだと、まずは、気づける環境作りが急務です。そのためには、「戦わなくていいんだ、逃げてもいいんだ」というメッセージを届けるとともに、戦わず進んだその先には、共に寄り添い話を聞いてくれる大人が存在すること、その大人のほうも子どもと対等な関係の大人でなければ、子どもも心を開きません。自分が否定されない、承認される体験を積み重ねられる「居場所」、例えば、社会福祉法人カリヨン子どもセンターや各地の子どもシェルターを、医療・保健・福祉・法律・教育等多分野が連携しながら増やしていくことが、日本全体のとるべき方向性と考えますし、ここ中央区でもとるべき方向性と考えます。

 

3,推進体制(40頁)の具体的な記載

 推進体制について、抽象的な記載しかない。

 どのように「中央区自殺対策協議会」を構成しているか。具体的な記載を求める。

 

以上




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