どのようにするのがよいのか、たいへん気がかりになっていること、被災地での医療の再構築のありかた。
以前も書きました。ブログ:http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/c491be49207b482378aca0d63833e736
読売新聞社説がとりあげていたので、こちらでも見ておきます。
人材確保。
「少なくとも月単位で同じ医師が対応できるよう、腰をすえた支援が必要だろう。」と社説にはあるが、これでは、全国の開業医による協力がなかなかむずかしい。
患者側にたってみれば、同じ医師であるのが好ましいが、腰をすえるということは、もともとの場所からいなくなるということで、もとの場所のいままでの患者さんを放り出すことを意味する。
*被災者健康支援連絡協議会→ブログhttp://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/f4bad0bf4c2389c2bf828686f08510e9
今も、急場ではないのだろうか。
いままで通りの一週間交代でつなぎ、被災した診療所が復活すれば、そこを去る。もしくは、特定の曜日に同じ医師が支援に入るやりかた。
もともとそこにおられた医師が復活されるまでをなんとかつなぐ支援が必要なのではないだろうか。
冬場のインフルエンザ流行など医療需要が高まる時期までに、個々の地域の特性に合わせた医療体制を築き上げねばならない。
まずは、各々の市町村で医師が足りているのか、医療ニーズが充足されているのか前段階の調査が必要。
これら情報を整理したサイトをご存知でしたら教えてください。
もしくは、皆様がボランティアで入られている地区の医療ニーズはいかがでしょうか?
個々の地区の状態で構いませんので、例えば、この地区は小児科医が足りていないとか、医師がまったくいないとか、ご存知でしたら教えていただけませんでしょうか。
情報を整理し、現地にフィードバックしていければと考えます。
情報;小坂和輝宛て kazuki.kosaka@e-kosaka.jp
ひとつ具体的に書きます。
来週、8/28第21回日本外来小児科学会年次集会http://plaza.umin.ac.jp/sagpj21/が開催され、東日本大震災の現場での医療の報告のセッションがあり、受講したいと考えています。
その際、ここでいただいた医療ニーズの結果を、現地の小児科医師にフィードバックできればと考えています。
以前、仙台で7/31開催された東日本外来小児科学研究会http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/2ef3e3ec88c0ff8e2b1763db89be6c03では、
「 パネルディスカッション 13:15~14:50
「東日本大震災を忘れない」
東日本大震災を振り返り、何を学び、どう生かしていくのかを参加の皆様とともに考えたいと思います。
パネリスト
1. 「東日本大震災・大津波による岩手県被災地への小児科支援」
岩手県小児科医会 山口淑子先生(岩手)
2. 「仙台市医師会における医療支援(仮題)」
仙台市医師会 永井幸夫先生(宮城)
3. 「3月11日東日本大震災に遭遇して」
佐々木小児科 佐々木文秀先生(宮城)
4. 「震災時の子育て支援-情報発信の重要性-」
かわむらこどもクリニック 川村和久先生(宮城)
5. 「いち小児科医から見た震災と原発事故以降の福島県の現状」
いちかわクリニック 市川陽子先生(福島) 」
このようなパネルディスカションがありました。
そのときは、いま、東北への医療支援のニーズは特にない、もしくはニーズをつかみきれていないというご回答でした。
このたびの外来小児科学会では、
「 座長:播磨 良一先生(はりま小児科)、永井 幸夫先生(永井小児科医院)
9:00~10:30 神戸国際会議場1F メインホール
福島空港でのDMAT活動と南三陸町での救護班活動
古家 信介先生(医)(国立病院機構香川小児病院小児科)
東日本大震災における、医療派遣報告
柴野 貴之先生(医)(重井医学研究所附属病院小児科)
東日本大震災に鳥取県医師会JMATとしての医療支援に参加して
岡空 輝夫先生(医)(岡空小児科医院)
大規模避難所・さいたまスーパーアリーナでの医療救護所運営の経験
峯 真人先生(医)(峯小児科)
東日本大震災における当学会員の被災状況調査
谷村 聡先生(医)(日本外来小児科学会総務委員会)
東日本大震災における小児科医の役割と情報発信の重要性
川村 和久先生(医)(かわむらこどもクリニック)
震災後のインフルエンザウイルスモニタリング
鈴木 陽先生(医)(東北大学医学系研究科微生物学分野)
阪神大震災の遺児・孤児への心のケアハウス「浜風の家」の今回の東日本大震 災への対応事業と今後の大震災発生時の対応新基準と
京極 正典先生(医)(京極小児科クリニック) 」
という形で開催されます。
有意義な情報交換を期待致しております。
******読売新聞(2011/08/21)******
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110820-OYT1T00975.htm
被災地の医療 医師不足を克服する再生策を(8月21日付・読売社説)
被災地の医療被害は甚大だ。日本全体の医療改革も念頭に置きながら、再構築していかなければならない。
東日本大震災では、岩手、宮城、福島3県の380病院中、300病院が損壊した。うち10病院は全壊である。診療所も全壊約170を含め、2000か所以上が損壊した。
被災県には、全国から多数の医療支援チームが駆けつけ、地元の医療関係者とともに診療活動にあたってきた。
こうした支援は1週間ほどで交代を繰り返す緊急的なもので、先月までに、各地のチームはほとんど撤収している。
地域の医療体制を速やかに作り直す必要がある。
厚生労働省は、医療支援チームが常駐していた地域などに仮設診療所を建設する方針だ。そのための建設補助金13億6000万円を第1次補正予算に盛り込んだ。
問題は人材の確保である。
被災県は元々、医師不足が深刻な地域だ。少なくとも月単位で同じ医師が対応できるよう、腰をすえた支援が必要だろう。
日本医師会など医療・介護関係の約30団体で作る被災者健康支援連絡協議会は、「医療者派遣システム」をスタートさせた。被災地からの要請で、全国の病院や医師会などが人材を送る仕組みだ。
すでに、徳島県の医師が2か月間の予定で宮城県の病院に赴くなど、実績を上げている。
このシステムが十分に機能し、将来も持続するならば、被災地以外の地域にも心強いものになるだろう。医師不足は地域によって深刻度に差はあれ、全国共通の問題であるし、突発的な医療空白はどこでも生じうるからだ。
行政と地元大学、医師会などが協力して医療機関や人材を計画的に配置し、地域医療を効率化する視点も重要である。被災地が医師不足にあえぐ地域のまま「復旧」するのでは意味がない。
宮城県では、東北大学が、沿岸部の医療体制を津波被害を免れた病院を中心として大胆に集中・再編する構想を示した。
岩手県でも、岩手医科大学が、インターネットを利用して基幹病院と診療所や福祉施設が連携する「遠隔医療システム」の先進地をめざすプランを提唱している。
大震災を機に、こうした様々な医療改革案が打ち出され、具体化への取り組みが始まっている。
政府には、特区など法整備や財政措置で、被災地の医療再生を後押ししてもらいたい。
(2011年8月21日01時21分 読売新聞)
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