「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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日本国憲法第11条(基本的人権の普遍性、不可侵性、固有性)と自民党案(現在及び将来の国民に与へられる。の削除)

2016-08-11 10:32:40 | 日本国憲法

 日本国憲法第11条。

************
日本国憲法
(基本的人権の享有)
第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。


自民案
(基本的人権の享有)
第十一条 国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。
************

 11条は、人権保障の総則的規定です。
 基本的人権の享有主体と、基本的人権の保障の意義についてうたっています。

 すなわち、基本的人権の享有主体は、国民であり、基本的人権の保障の意義が、その固有性、不可侵性、普遍性があるがゆえに保障すべきものと意義づけられるとしています。

 固有性:人権が憲法や天皇から恩恵として与えられたものではなく、人間であることにより当然に有するとされる権利であること。

 不可侵性:人権が、原則として、公権力によって侵されないこと。行政権はもとより、立法権も、さらに憲法改正権も侵すことはできない。

 普遍性:人権は、人種、性、身分などの区別に関係なく、人間であることに基づいて当然に享有できる権利であること。


 日本国憲法の条文を見ることで再度確認します。


第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない普遍性)。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利不可侵性)として、現在及び将来の国民に与へられる固有性、人間が生まれながらに有するということ)。


 自民党案を次に。

第十一条 国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。


 私は、基本的人権を守るという真摯な思いが、自民党案に感じられません。
 それは、重要な文言を削除しているからです。

1)基本的人権の「普遍性」が自民案では弱まっている
現行憲法
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない
 ↓
自民案
国民は、全ての基本的人権を享有する

 単に享有するだけでなく、享有を「妨げられない」ところに意味があると思います。
 自民案では、故意に重要文言を落としています。

2)基本的人権の「固有性」が自民案では、ない。
現行憲法
現在及び将来の国民に与へられる。
 ↓
自民案
(削除)

 憲法以前に、私たちは人間として固有の権利をもっています。それを文字で表したのが、憲法です。「実定的な法的権利」として確認したのが憲法です。
 「人間の固有の尊厳に由来する」のが基本的人権です。

 このような重要な「固有性」の観念を、自民案では削除しています。
 考えられないことです。

 なお、このことは、単に文言を整理していたら、たまたま落ちたとかいうレベルの話ではなく、自民案では意図して行っていることが分かります。

 日本国憲法が、人権を、「信託されたもの」であるとして人権の固有性を謳った重要な憲法97条も、自民案では、残念ながら削除しています。

現行憲法97条
第九十七条  この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
 ↓
自民案
(97条自体を削除)

3)2013年夏の自民党麻生氏麻生氏の「ナチスに学べ」発言
 2013年夏の自民党麻生氏麻生氏の「ナチスに学べ」発言が意図していたものが、この憲法11条、97条にも表れていないでしょうか。

 麻生氏が、「だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。」と発言されたことの真意が、憲法11条の変更、97条の削除でも出ていると、私は、危機感をもって感じます。

 日本国憲法における基本的人権の重要な観念である「固有性」が、自民案では、「誰にも気づかないような手口」で、落とされています。

以上

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舛添氏は、許されなくて、都議は、許される?都議68人、政活費で新年会 計1600万円を支出 15年度使途公開

2016-08-11 09:57:09 | 議会改革
 舛添氏は、許されなくて、都議は、許される とはならないと考えます。

 少なくとも重要なことは、以下、元東京都副知事の青山やすし(やすし)・明治大教授(公共政策)が述べられているように、「問題は、税金が支出された会合の詳細を納税者がチェックする仕組みがないこと。都議会共通のホームページなどを作り、誰とどんな意見交換をし、いくら政活費を支出したかを公開すべき」点です。



********************************
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12506594.html


都議68人、政活費で新年会 計1600万円を支出 15年度使途公開

2016年8月11日05時00分


 東京都議会(定数127)が10日公開した2015年度の政務活動費(政活費)で、都議68人が業界団体などの新年会に計2251回出席し、計約1619万円を「会費」として支出していた。都議会の基準では、飲食を伴う会合でも情報収集が目的なら1回1万円を限度に支出できるが、批判もある。

 公開された領収書のただし書きに「新年会」「賀詞交歓会」などと記され、新年会と分類できるものについて朝日新聞が集計した。会派別にみると、自民が47人で約1143万円、公明が20人で約457万円、無所属の1人が約19万円をそれぞれ支出している。

 支出額が多い上位3人はいずれも自民で、堀宏道氏が88回出席して約61万円。1日に5カ所以上を「はしご」した議員も15人おり、最多は8カ所だった。

 84回で約51万円を支出した自民の高木啓幹事長は、事務所の担当者を通して「取材は受けない」と答えた。74回で約54万円を支出した公明の長橋桂一幹事長は「批判があるのは理解しているが、支持政党に関係なく様々な人と話ができる貴重な機会。どんな要望があったかの報告も会派で義務づけている」と説明する。

 上脇博之・神戸学院大法学部教授は「議会活動に資する意見交換と言うよりも、選挙のための個人的な政治活動の側面が大きく、公金を支出するのは不適切だ。支出額も大きく、舛添要一前知事の公私混同問題を批判したことと矛盾する。都民感覚とかけ離れている」と指摘する。

 一方、元東京都副知事の青山やすし(やすし)・明治大教授(公共政策)は「問題は、税金が支出された会合の詳細を納税者がチェックする仕組みがないこと。都議会共通のホームページなどを作り、誰とどんな意見交換をし、いくら政活費を支出したかを公開すべきだ」と話す


 ■政務活動費の支出が多い「新年会」

 《支出額の上位3人》

(1)堀宏道(自民)  61万円

(2)来代勝彦(自民) 57万円

(3)山内晃(自民)  56万円

 《出席回数の上位3人》

(1)堀宏道(自民)  88回

(2)高木啓(自民)  84回

(3)長橋桂一(公明) 74回

 ※敬称略。支出額は千の位を四捨五入
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