「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

日本脳炎患者が発生。予防接種済みですか?H7~18年度生まれ特に今小3小4年生

2012-01-31 14:46:03 | 小児医療
 一時、日本脳炎の予防接種差し控えの時期があったため、再度、接種が推奨されているにもかかわらず、予防接種をし忘れている患者さんを外来でよく見かけます。

 当院で予防接種されるすべての患者さんに母子手帳を確認し、日本脳炎の予防接種がすんでおられるか、こまめにチェックをし、まだの場合には、接種お忘れの件を、お伝えしているところです。

 今一度、ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。

 長崎県で、日本脳炎に実際かかられ、麻痺を残してしまったという報告が入っています。
 絶対に侮ってはなりません。


*昨年平成23年、長崎県で日本脳炎2例発症
 http://www.pref.nagasaki.jp/kansen/ih102000.htm
 第37週(9/12~9/18)に60代男性
 第51週(12/19~12/25)に30代男性(今も、意識障害、四肢の弛緩性麻痺残る。)



*****長崎県ホームページより****

【日本脳炎】

 平成22年に県内で9年ぶりの患者発生に続き、23年にも県央地区から第37週(9/12~9/18)に60代男性の罹患者の発生があったことを報告しましたが、第51週(12/19~12/25)に五島地区から新たに2例目の患者(男性、30代)発生届出がありました。この患者さんは、11月上旬頃に日本脳炎ウイルスに感染したものと推定され、頭痛、嘔吐、髄膜炎症状に続き、重篤な脳炎症状が認められたことから当研究センターにおいて検査を実施しました。

 その結果、血液および髄液中より日本脳炎ウイルスの遺伝子が検出されたことから日本脳炎と確定しました。
 幸い一命はとりとめられましたが、現在も意識障害、四肢の弛緩性麻痺が継続しています。

 日本脳炎は日本脳炎ウイルス(Japanese encephalitis virus:JEV)によって起こるウイルス感染症です。人にはこのウイルスをもっている蚊、主にコガタアカイエカに刺されることによって感染します。患者発生は西日本に多く、通常蚊の発生時期である夏から秋にかけて報告されています。しかしながら、今回の症例のように11月であっても最低気温が15~20℃に上昇し、温暖な日々が続くと、蚊の吸血、産卵行動が活発となり、日本脳炎に感染する危険性は高まります。晩秋であっても本県のように温暖な地域では油断はできません。なお、人から人に感染することはありませんし、感染者を刺した蚊に刺されても感染することはありません。

 潜伏期間は5~15日で、数日間の高熱、頭痛、嘔吐、めまいを発症し、重症例では、意識障害、けいれん、昏睡などがみられ、マヒ等の重篤な後遺症が残る可能性もあります。しかし、感染しても日本脳炎を発症するのは100~1000人に1人程度で、大多数は無症状で終わります。ただし、幼児および高齢者では発症率が高く、発病すると死亡率は20~40%で、幼児や高齢者では死亡や後遺症の危険性が高くなります。

 予防にはワクチン接種が有効です。特異的な治療法、治療薬はなく、一般療法・対症療法が中心で、肺炎などの合併症の予防を行います。また虫除けスプレーや長袖などを着て、媒介する蚊(主にコガタアカイエカ)に刺されないような工夫が大切です。繰り返しになりますが、もっとも有効な予防方法は日本脳炎ワクチンの接種です。

 これまでに日本脳炎ワクチンの接種を1度も受けたことがない定期予防接種対象者の方(具体的には、日本脳炎ワクチンを1回も受けていない現在3~7歳半のお子さま)は、蚊の活動が活発になる、夏までに、初回は2回のワクチン接種(基礎免疫)が有効です。また、発症リスクの高い高齢者も定期接種を心掛けましょう。

 日本脳炎ワクチン接種の詳細については厚生労働省のホームページhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou20/annai.htmlを参考にしてください。

*****厚労省ホームページ*****
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou20/annai.html
日本脳炎の予防接種についてのご案内

 平成7~18年度に生まれた方は、日本脳炎の予防接種が不十分になっています。
 特に、今年(平成23年度)小学3年生・小学4年生の方は、母子健康手帳を確認のうえ、不足分の接種を受けてください。

 日本脳炎の予防接種後に重い病気になった事例があったことをきっかけに、平成17年度から平成21年度まで、日本脳炎の予防接種のご案内を行いませんでした(いわゆる「積極的勧奨の差し控え」)。
 その後新たなワクチンが開発され、現在は日本脳炎の予防接種を通常通り受けられるようになっています。

 このため、平成7~18年度に生まれた方は、平成17~21年度に日本脳炎の予防接種を受ける機会を逃していることがありますので、母子健康手帳などをご確認いただくとともに、今後、市町村からのご案内に沿って、接種を受けていただくようお願いします。
 なお、生まれた年ごとの、具体的な影響と対応については、以下の通りです。


● 日本脳炎の予防接種の、標準的な接種スケジュール
◆ 1期接種(計3回)
3歳のときに2回(6~28日の間隔をおく)
その後おおむね1年の間隔をおいて(4歳のときに)1回
◆ 2期接種(1回)
9歳のときに1回


●生まれた年ごとの、具体的な影響と対応
※ 平成7年6月1日~平成19年4月1日生まれの方は、6カ月~20歳未満の間、いつでも日本脳炎の定期予防接種を受けることができることになりました(平成23年5月20日から)。
  日本脳炎の予防接種が不足している方は、下記を参考にして、接種を受けるようお願いいたします。

(平成23年5月20日現在)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする