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再掲:築地市場移転問題とは。

2012-01-05 23:00:00 | 築地重要

(過去の文章(2011年春)を再掲します。その後の経過を追加する必要がありますがご参考までに。)

 東京都中央卸売市場築地市場は、銀座の隣という一等地に位置し、昭和10年(1935年)に開場して75年、場外市場とともに、日本の魚食文化と伝統を守り続けてきた。前身は日本橋の魚河岸で、江戸開府以来400年以上続いて来たが、関東大震災により壊滅的な被害を受け、現在の築地に移った経緯がある。今や、築地市場は都の水産物の89%、全国の10%を賄う東京都の台所、日本の台所である。水産物の取扱量は、平成21年(2009年)で一日当たり1984トン、15億8564万円、年間54万3644トン、4345億円であり、世界一の水産物の取扱高を誇っている。そして、築地市場の周りにある場外市場356店舗(09年)とともに、築地市場地区のまち並みが形成されている。


 築地市場は、開場から50年たったころから、老朽化、狭隘化などを理由に、再整備の話が出始めた。そこで、昭和61年(1986年)に築地市場再整備推進委員会を設置して、再整備計画は具体的に始まり、昭和63年(1988年)に築地市場再整備基本計画、平成2年(1990年)基本設計へと進み、総工費3000億円、工期十二年の計画で、平成3年(1991年)に現在地再整備に着工した。資金は、東京都の特別会計1000億円と神田市場売却による2,000億円を原資とした計画であった。ところが、平成8年(1996年)、立体駐車場や冷蔵庫棟などの整備に380億円使った段階で中断となった。
 現在地再整備頓挫の最大の理由は、神田市場の処分経費2,000億円があったが、具体的に市場の再整備が始まった時点では、まだ市中金利が6~7%であった。それが、平成8年ころに、ほとんどゼロに近い金利まで落ち込んでくる状況下、財政見積もりが破綻したことによると考えられる。(平成22年3月18日中央区議会予算特別委員会において吉田不曇中央区副区長からも同様の答弁)


 平成11年(1999年)4月に就任した石原慎太郎知事が同年9月に市場を視察し、「古く、狭く、危ない」と発言、同年11月第28回築地市場再整備推進協議会において移転整備の方向がまとめられた。地元中央区は「築地市場の移転を断固反対する会」を結成、11日間で11万の署名が集められ、その後現在に至るまで区と区議会は断固反対の姿勢には代わりはない。平成13年(2001年)東京ガスは、豊洲土壌汚染について公表するも、同12月第7次東京都卸売市場整備計画で知事は豊洲に移転すると表明し移転論議が活発化する事になった。平成19年(2007年)4月の東京都知事選挙では、築地市場移転の是非が争点の一つになり、土壌汚染に関しては、翌月専門家会議が設置された。
 その専門家会議で、豊洲の移転候補地東京ガス工場跡地の汚染が日本最大規模の汚染地であったということがあきらかになった。すなわち、発がん性のあるベンゼンが、35カ所の土壌から最高で環境基準の4万3000倍、地下水は561カ所から最高一万倍の濃度で検出。シアン化合物も、90カ所の土壌から最高で環境基準の860倍、検出されてはならないという地下水から966カ所(全調査地点の23.4%)で検出されたと報告された。基準を下回ると見られた水銀、六価クロム、カドミウムも基準を超え、ヒ素、鉛をあわせ調査したすべての有害物質が検出。その数は、全調査地点4122カ所中の1475地点(全調査地点3分の1強)の地点が環境基準を上回るという深刻な汚染の広がりが明らかになった。


 豊洲移転候補地は、東京ガス豊洲工場が昭和63年(1988年)まで操業されていた土地で、特に昭和31年(1956年)から昭和51年(1976年)までの20年間、石炭を原料に都市ガスを製造していた。製造工程でベンゼン、シアン、ヒ素などの有害物質が複製され、敷地土壌と地下水を汚染した。同工場で勤務していた元社員からは、土を盛って土手の囲いをつくり、その中に石炭からガスを取り出した廃タールをリヤカーで運んでためていた。当時は下にシートを敷く発想はなく、囲いの中にそのまま流し込んでいたと汚染物質管理がずさんであった状況が報道されている。
 東京都は、専門家会議の提言を受け、提言に沿った土壌汚染技術を検討するための技術会議を平成20年(2008年)8月に設け、座長以外は委員名もふせ非公開で審議した。その最終報告は平成21年(2009年)2月に出され、昨年1月から7月まで現地で土壌汚染技術の適応が可能かという実証実験が実施された。昨年3月にその中間報告が初期値を隠したまま公表され問題となった。高濃度ベンゼンの中温加熱処理実験が未実施であるにも関わらずやったかのように見せかけるためのデータ隠しの意図がうかがえるが、その中間報告をもとに3月の都議会予算審議において卸売市場会計予算案(付帯決議あり)は可決されることになった。この経過は、世界的に権威ある科学雑誌『Nature』26 April 2010にまで批判記事が掲載され、残念ながら世界中の科学者が知るところとなった。
 専門家会議、技術会議から見られる豊洲土壌汚染とその対策の問題点は畑明郎先生、坂巻幸雄先生ら日本環境学会の土壌汚染専門家の先生方が指摘され、�有楽町層以下の土壌汚染未調査�盛り土汚染�地下水汚染処理�地盤沈下�液状化対策などがあげられる。2月13日には、築地市場移転問題シンポジウムが開催される。


 都民、消費者、NPO法人「市場を考える会」を中心に市場関係者からは、土壌汚染の状況を示す唯一の証拠であるコアサンプルを破棄(証拠隠滅)しないように「コアサンプル廃棄差止め請求訴訟」が提起され、平成21年10月7日の第1回公判に始まり、本年2月17日には第9回公判が東京地方裁判所(13:10~東京地裁610号法廷)で行われる(第10回は4月21日13:10~東京地裁610号法廷予定)。公判では現在、都の土壌汚染対策の問題点や盛り土汚染問題が大きな争点となっており、築地市場の豊洲への移転政策の可否そのものを問うべく公判が続けられているところである。
 また、汚染を知りながら汚染が無いものとした価格で豊洲土地を平成18年(2006年)に一部購入した経緯が昨年1月5日の朝日新聞で報道されたのをきっかけに、余分にかけられる土壌汚染対策費分支出の公金返還を求める裁判「豊洲市場用地購入費公金支出金返還訴訟」が昨年9月28日に初公判が行われ、第3回が2月8日開催(11:00~東京地裁522号法廷)される。この裁判では、築地市場移転候補地である土壌汚染の土地(全体で37.32ヘクタールのうちの10.18ヘクタール、27%)を不当に高い価格601億円(59万円/m2)で購入しており、余計にかかることになる土壌汚染対策費 全体で586億円のうち、27%分の158億8000万円(=586×10.18/37.32)を、都知事と当時の都幹部5人に返還を求めている。
 さらには、本年度執行予定の残りの土壌汚染の土地を東京ガスから汚染がないものとした価格(23.54ヘクタールを1260億円、53.5万円/m2)で購入することについて、住民監査請求がかけられていたが、都から請求不受理の通知が1月20日付で出された。不受理を受け、都による豊洲土壌汚染地購入の予算執行の差し止めを求める築地市場移転問題関連で3つめの裁判がなされるところである。
 築地市場移転候補地である土壌汚染の土地を不当に高い価格(汚染がない価格)で都は購入し、また、今年度予算でも残り分を購入しようとしているが、不当に高くなった購入費のしわよせが、果たして都民や市場関係者の負担になってよいものなのだろうか。「ブラウンフィールド(塩漬け土地)」という概念が、環境・土木分野でいわれている。汚染対策費が、土地購入費の20%を上回ればそのように定義され、豊洲の土壌汚染地は、土壌汚染対策費586億円、土地購入費1980億円(すでに購入720億円と今年度予算執行をするという1260億円の合計)であり、586億円÷1980億円=0.295 30%で、ブラウンフィールドの定義に合致する。なお、専門家会議が提言した当初の土壌汚染対策費は、973億円であったが、973億円÷1980億円=0.491 50%で、さらに不採算なブランフィールドと定義されることになっていた。ブラウンフィールドを、汚染がないものとして購入し、なおかつ、その汚染対策費は、買主の都が負担(結局は都民や市場内関係者が負担)するということが、なされようとしている事実をきちんと認識をし、審議していく必要がある。
 これら裁判の経過報告や、移転問題全般について都民、消費者、市場関係者、国会・都議会・区議会議員と情報交換や情報共有する目的で「築地市場を考える勉強会」が立ち上げられ、平成19年(2007年)から現在まで13回にわたり勉強会が開催されてきた。


 平成21年7月の都議会議員選挙で民主党が築地市場の移転反対を争点のひとつにして都議会最大会派に躍進、共産党及び生活者ネットをあわせると与野党が逆転をした都議会において、「東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会」が設置され、参考人招致や小委員会を設置しての現在位置再整備案の検討などの審議が進められてきた。平成23年1月現在、晴海地区を種地として使いながら現在地再整備も可能であるとした中間報告が出され継続審議の状態にある。
 一方、都知事は昨年10月22日予算執行に踏み切ることを発表した。予算執行の前提とされる付帯決議(*下記参照)が遵守されず、議会軽視も甚だしい強引な決定が、都議会内外にそして中央区議会に大きな波紋をよんでいる。新市場建設工事の環境影響評価書案作成、新市場用地取得手続き、豊洲新市場基本設計委託の参加者ヒアリング(2月)と業者決定(3月)や土壌汚染対策設計発注手続きを都は進めていくことになるが、2月から開催される都議会第一回定例会及び予算特別委員会(新市場関連で中央卸売市場会計において21億3900万円計上)では激しい論戦が繰り広げられることになるであろう。果たして、築地市場移転問題は、都知事選挙(告示3月24日、投票日4月10日)の大きな争点のひとつとなっていくことが予想される。


 今後、東京都の財産価格審議会での豊洲土地購入価格の鑑定評価、環境影響評価審議会での環境アセスメント、卸売市場審議会での「第9次東京都卸売市場整備基本計画」や農林水産省 食料・農業・農村審議会 食品産業部会での「第9次卸売市場整備計画」における土壌汚染地での市場開設の位置づけが注目されるところである。特に民主党政権交代後の平成21年9月24日築地市場を視察した当時の赤松農林水産大臣は、豊洲地区への移転について、「安全について納得できなければ認可しない」という考えを示し、その考え方が農林水産省に引き継がれている以上、改正土壌汚染対策法上の土壌汚染指定区域とされる場所への新市場開設認可がなされることはないと考えられる。
 さて、1月28日東京魚市場卸協同組合(東卸)理事が改選され、2月に理事長選挙が行われるが、市場内関係者が、移転に断固反対し現在地再整備を目指す理事長を選ぶのか、移転容認の理事長を選ぶのか大いに注目される。移転問題の大きな試金石となるであろう。


*参照 都議会第20号議案 平成22年度東京都中央卸売市場会計予算に付する付帯決議
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/opinion/2010/e10i1301.html
築地市場の老朽化を踏まえると、早期の新市場の開場が必要であるが、これを実現するためには、なお解決すべき課題が多いことから、予算の執行に当たっては、以下の諸点に留意すること。
1 議会として現在地再整備の可能性について、大方の事業者の合意形成に向け検討し、一定期間内に検討結果をまとめるものとする。知事は議会における検討結果を尊重すること。 
2 土壌汚染対策について、効果確認実験結果を科学的に検証し有効性を確認するとともに、継続的にオープンな形で検証し、無害化された安全な状態での開場を可能とすること。 
3 知事は、市場事業者それぞれの置かれている状況及び意見などを聴取し、合意形成など「新市場整備」が直面している様々な状況を打開するための有効な方策を検討すること。 


掲載:2011-04-16 22:00:00

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築地市場移転候補地豊洲における都の土壌汚染対策では、土対法上の汚染区域の指定解除にはなりません。

2011-12-20 22:20:26 | 築地重要

 築地市場移転問題に関連して、都議会の議事録をチェック致しておりました。

 築地市場移転候補地である豊洲6丁目東京ガス工場跡地が、改正土壌汚染対策法上の汚染区域の指定として本年(2011年)11/28に「形質変更時要届け出区域」の指定がなされたところです。
 東京都は、土壌汚染対策を施すわけですが、都のやり方では、土壌汚染区域の指定が解除されないのではないかと考えます。

 以下の議論をお読み下さい。

 ヒ素、鉛に関しては、改正土壌汚染対策法においては、自然的原因(自然由来)、人為的原因を問わず、人の健康への被害を防止するために、特定有害物質に対処することになっているにも関わらず、東京都は、ヒ素、鉛は、環境基準値の10倍以下を自然由来と見なし、放置する方針をとっているのがわかります。
 すなわち、改正土壌汚染対策法を逸脱した考え方であり、これでは、土壌汚染区域の指定は解除されません。改正土壌汚染対策法上の汚染区域のままであり、よって、農水省による新市場開設認可はおりないこととなります。

*****都議会ホームページより******
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/keiko/d3060203.html
経済・港湾委員会速記録第十八号
平成二十二年十一月十六日(火曜日)
第八委員会室
   午後一時十分開議

〇田の上委員
 改正土壌汚染対策法では、自然由来の重金属も対象になりました。自然的原因、人為的原因を問わず、人の健康への被害を防止するために、特定有害物質に対処することになっています。
 東京都では、もともと工場操業由来の七物質のみを調査、対策対象としていますが、自然由来ということを考えたときに、この立地のことも考えますと、海水などの影響から硼素や弗素など、新たに調査、対策の対象になるのではないかと考えますが、ご見解をお伺いいたします。

〇臼田基盤整備担当部長 先ほどご答弁させていただきましたとおり、改正法におきましては、対策の基本的な考え方といたしまして、土壌汚染の摂取経路を遮断するための封じ込め対策を講ずることとされてございます。
 これに対しまして、豊洲新市場の予定地においては、操業に由来する汚染七物質すべてを除去するとともに、自然由来については封じ込めを行うなど、改正土壌汚染対策法を上回る対策を講ずることから、安全性に全く問題はございません。
 土壌汚染対策法の改正によりまして、人の活動に伴って生ずる汚染に加えて、自然由来の汚染についても法の対象となりましたが、自然由来の汚染は、汚染土壌の搬出、運搬、処理に関する規制等の観点から対象外としたものでございまして、掘削除去等の対策を求めたものではございません。
 また、専門家会議は、過去の東京ガスによります調査、対策結果を踏まえまして、ガス工場操業に由来いたします七物質による汚染はすべて除去することとしており、そのうち、砒素、鉛については、土壌溶出量が環境基準値の十倍以下を目安に、自然由来として封じ込め対策を講じることとしております。
 この専門家会議の提言に基づきまして、着実に土壌汚染対策を行うことで、一生涯この土地に住んだとしても人の健康への影響はなく、生鮮食料品を扱う市場でも、食の安全・安心が十分確保できるものとなってございます。
 したがいまして、調査が必要と考えられます特定有害物質は、過去の東京ガスの調査や対策の結果と専門家会議の科学的な知見も踏まえまして、操業に由来いたしますベンゼン、シアン化合物などの七物質であり、お話の硼素や弗素についての調査は行う必要はございません。

〇田の上委員 土壌汚染対策法というのは、汚染のおそれがあるかどうかというところで調査の対象が決まってまいります。平成二十年の二月に、六街区で地表水の水質調査をしていますが、リッター当たり硼素〇・四ミリグラム、弗素〇・三ミリグラムを記録しております。土壌溶出の環境基準は、硼素リッター当たり一ミリグラム、弗素はリッター当たり〇・八ミリグラムです。概況調査から深度方向の調査に進んだほかの物質、このとき、砒素やベンゼン、六価クロムも、地表水だととても小さい値になっています。つまり、硼素や弗素が、土壌溶出量調査でもっと高い値が出てくる可能性があるのではないでしょうか。私は、このおそれという観点からすれば、十分対象になるのではないかと考えますが、再度ご見解をお聞かせください。

〇臼田基盤整備担当部長 汚染の濃度が薄い場合のおそれということでございますけれども、環境省作成の土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン暫定版によりますと、自然由来とは、砒素、鉛など重金属八種類のうち、土地の履歴などを検討し、土壌溶出量で環境基準値の十倍以下であり、かつ全量分析値がガイドラインの目安の範囲内にあるものでございます。
 専門家会議の豊洲新市場予定地におけます対策は、環境基準値を超過するベンゼン、シアン化合物、カドミウム、水銀、六価クロム及び十倍以上の砒素、鉛を操業に由来する汚染といたしまして、深度方向の調査を行った上で、すべて除去することとしてございます。
 一方、自然由来でございます十倍以下の砒素、鉛につきましては、深度方向の調査を行うことなく、二メートルの土の入れかえ、二・五メートルの盛り土やコンクリート、アスファルトで封じ込める対策を講じることで、土壌汚染対策法が求める安全性は十分満たしてございます。
 専門家会議の提言を確実に実行することで、市場用地としての安全・安心を確保してまいります。したがいまして、お話の、濃度の薄い物質につきまして、深度方向の調査を行う必要はございません。

〇宮良新市場整備部長 ただいまの、ガス製造に起因します、操業に由来する物質の措置については、担当部長がご説明したとおりです。
 今、ご質問の中の硼素、弗素など、そういうお尋ねだと思います。これは操業由来の物質ではありません。仮にそういった自然由来の硼素、弗素があったとしても、専門家会議の提言、この対策は何かというと、工場操業地盤がAP四とお話ししています。四から二、そこは全部入れかえて盛り土をする。仮にそういった弗素、硼素、自然由来がありましても、その下にありますので、完全に封じ込めができてます。そういった面で、法律--法律というのは土壌汚染対策法、また、具体的には食の安全・安心の観点からも、十分安全性が確保できると考えております。

〇田の上委員 おそれがあっても、薄い物質だと調査もしないということでございます。それでまとめてしまっていいのかなというふうに甚だ疑問でございます。
 先ほど来、七物質についてずっとお話がございます。当然ご案内かとは思いますが、工場操業由来として対象となっていた七物質、この中にも自然由来として考えられる物質がございます。自然由来として考えられていた物質というのは、概況調査で環境基準の十倍以下だった場合、自然由来として深度方向の調査がなされませんでした。砒素と鉛が自然由来というふうに考えられていたと聞いております。
 今回のこの改正法によりまして、操業由来だとか自然由来だとかの壁がなくなるわけでございます。四千百二十二カ所のうち、十倍以下で検出され、深度方向の調査がされなかったところがたくさんございます。こういったところを深度方向にボーリング調査する必要があると思いますが、ご見解をお示しください。

〇臼田基盤整備担当部長 操業七物質のうち、砒素と鉛を自然由来の物質といたしました理由でございますけれども、砒素、鉛につきましては、土壌汚染対策法の施行についてという環境省の通知に基づきまして、土壌溶出量が十倍を超えた場合、あるいは土壌含有量が目安を超えた場合のいずれかに該当する場合に操業由来といたしまして、どちらにも該当しない場合には自然由来と判定してございます。
 自然由来につきまして深度方向の調査が足りないというお話でございますけれども、繰り返しになりますけれども、操業に由来する汚染七物質はすべて除去するとともに、自然由来につきましては封じ込めを行うなど、改正土壌汚染対策法を上回る対策を講ずることから、安全性に全く問題はございません。
 専門家会議の豊洲新市場におけます対策は、環境基準を超過する七物質につきまして、深度方向の調査を行った上で、すべて除去することとしております。一方、自然由来につきましては、十倍以下の砒素、鉛について、深度方向の調査を行うことなく、四・五メートルの盛り土で封じ込めの対策を行うことで、土壌汚染対策法が求める安全性は十分満たしております。
 専門家会議の提言を着実に実施し、市場用地としての安全・安心を確保してまいります。

〇田の上委員 先ほど来、専門家会議でこの七物質というものが決められたというようなお話がございます。専門家会議では、基準を超える操業に由来する汚染を除去するというような表現になっておりますが、技術会議では、操業由来や自然由来に関しての議論はなかったように私は思っております。
 環境基準値の十倍以下で深度方向の調査がされなかったところは、数えてみますと、土壌溶出量で三百三十七カ所、土壌含有量で四十二カ所、地下水で二百七カ所になります。
 今、お配りした資料の一枚目、二枚目がございます。東京ガス対策後土壌汚染分布平面図(ヒ素・溶出量)というものでございます。
 これは砒素の場合でございますが、鉛の図もございます。このときは、皆さんご存じのとおり環境確保条例ということですので、三十メートルメッシュの調査でやりました。十倍以上の環境基準超過というのが出たところが赤になっているんですが、これはもう対策後の図なので、今はこの図では消えております。区画でいうと四カ所ほどございました。この残っているピンクの部分が、環境基準を超えているんだけれども十倍以下だというところでございます。
 下の方に表があります。その次の二枚目のページにも表があるんですけれども、これは断面図のようなものでございます。先ほど、東京都の対策は、操業地盤面以下二メートルは掘削してきれいな土と入れかえるということでございました。また、もちろん、そのさらに深い部分は汚染部分を除去して処理いたします。
 今まで自然由来として深度方向の調査が行われず、対策の対象とされなかった砒素や鉛は、その深い部分に汚染が残っております。東京ガスの対策のときには、環境基準以下であっても調査がされていたわけでございます。
 左の方に、HとかIとかありますけれども、その横に〇・五、一・〇、二・〇などと数字がございまして、深さを表していますが、深い部分にもピンク色が残っているのがわかるかと思います。つまり、二メートル部分を除去しても、その下に汚染が残るということでございます。
 ただ、先ほど来部長が、封じ込めをするので大丈夫だということでございました。下に汚染は残るけれども、封じ込めをするから、アスファルトなどで覆うから、盛り土で覆うから大丈夫だということだと思います。
 ちょっと一つ疑問がございます。最近いただいたこのパンフレットなんですけれども、この中には、最後のところに、土壌も地下水も環境基準を超える汚染物質は確実に除去しますとなっております。この実験のときのパンフレットでございます。確実に除去すると東京都がいっているわけでございます。残って封じ込めるとは書いていません。このパンフレットでうたっているとおりに、土壌も地下水も環境基準を超える汚染物質は確実に除去するべきではないでしょうか。調査はもちろん、対策までしっかりと行うべきではないでしょうか、ご意見をお伺いいたします。

〇臼田基盤整備担当部長 繰り返しとなりますが、操業に由来します汚染七物質はすべて除去すると。自然由来は封じ込めを行うなど、改正土壌汚染対策法を上回る対策を講ずることから、安全性には問題がございません。
 お話の、自然由来となる環境基準の十倍以下の砒素、鉛についてでございますが、法が求める厚さ五十センチメートルの盛り土を上回る二メートルの厚さの土の入れかえと、その上に、きれいな土によります二・五メートルの盛り土やコンクリート、アスファルトにより確実に封じ込める対策を講じることで、法が求めます安全性は確保されるとともに、市場用地としての食の安全・安心も確保できることから、調査等は行う必要はございません。

〇田の上委員 そうしますと、このパンフレットに書かれています砕石層の下のところで、土壌も地下水も環境基準を超える汚染物質は確実に除去しますという言葉は違うということですね。修正して刷り直した方がいいんじゃないかというふうに思います。
 先ほど、山崎委員のご質問にお答えになっていましたが、結局、この改正土壌汚染対策法で、東京都の調査というのは何か変わる部分というのはあるんでしょうか。

〇臼田基盤整備担当部長 パンフレットをお示しされまして、汚染物質をすべて除去するというお話でございましたけれども、先ほど来ご説明しておりますように、操業に由来する汚染七物質はすべて除去する、それから、自然由来については法に基づく封じ込め対策を行うということで、法を上回る対策を行っていることから、安全性に全く問題はございません。
 したがいまして、改正土壌汚染対策法によりまして、東京都が行います対策の変更はございません。

〇岡田中央卸売市場長 これまで私は、たびたび議会においてご質問にお答えさせていただきました。
 東京都といたしましては、東京ガスのガス製造、いわゆる操業に由来する汚染物質をすべて除去しますと、こういう考え方でおりますという形をご説明させていただきましたので、今回のパンフレットにおきましても、いわゆるガスをつくる工程で生成された汚染物質について除去しますということをご説明させていただいたわけです。
 それから、先ほどのこれですが、これはもちろん、専門家会議のときからの考え方をそのままお示ししてあるわけでございまして、こうした中には、先ほど部長がご説明申し上げましたとおり、いわゆる操業由来を取って、自然由来については、そういった中について自然由来があるということを当然のことながらやってながら、こういった対策を講じるという形に専門家会議のときからなっていまして、それを踏襲した絵というふうに考えてございます。
 それから、先ほど先生からご説明いただきましたけれども、改正土対法があることによって何か対策が変わるのかということでございますけれども、私どもは、先ほどご説明させていただきましたように、対策は、改正土対法があったとして、いわゆる自然由来の汚染物質の範疇に入ったとしても、それも含めて土壌汚染対策法の改正にも十分対応できるだけの対策になってるというふうに考えてございますので、私どもとしては、今後もその対策を着実に実施して、市場としての安全性を確保してまいりたいと、このように考えております。

〇田の上委員 あんまり細かいことを申し上げてもあれですけれども、パンフレットが二十二年十月発行となっていまして、改正土壌汚染対策法がことしの四月施行ということでございます。自然由来についても、当然考慮してパンフレットをつくるべきではなかったかなというふうには思います。
 今、お考えを伺わせていただきましたが、自然由来の物質に関して調査を行わない理由には、項目数がふえると汚染対策の費用がかさむということもあるんでしょうか、お尋ねいたします。

〇臼田基盤整備担当部長 費用がかさむために自然由来の調査、対策を行わないのかというお尋ねでございますけれども、自然由来につきましては、先ほど来ご説明申し上げておりますとおり、封じ込めを行うということが基本的な対策法でございます。この封じ込めを行うことによりまして、法に基づく対策を満足するということで、安全性に全く問題はないことから、調査を行わないものでございます。

〇田の上委員 先ほど来対策のことをお答えいただいております。土壌汚染対策法にのっとった形の自然由来の物質の調査ですね、調査が大切なんですけれども、ここの調査をしないで形質変更時要届け出区域の指定の解除ができるんでしょうか。東京都は解除をするつもりがないのか、お聞かせください。

〇臼田基盤整備担当部長 先ほど対策というお話をさせていただきましたが、調査と対策は一対のものと考えてございましたので、調査も対策も行わない、自然由来については封じ込めが原則だということでございます。
 区域の指定につきましては、先ほどご説明させていただきましたけれども、自然由来の残るところにつきまして、形質変更時要届け出区域という指定になります。この届け出区域につきましては、ご説明申し上げましたとおり、人への影響は直ちに及ぶものではないということで、措置を行う必要がないという区域でございます。

〇塩見管理部長 最初といいますか、山崎先生のところで臼田部長が答弁いたしましたが、本年四月一日から土壌汚染対策法の一部を改正する法律が施行されました。その中で、改正した具体的な内容の二点目としまして挙げましたんですが、汚染状態にある土地について、人の健康に被害が生じるおそれがある場合については要措置区域、被害が生ずるおそれがあるとはいえない場合等については形質変更時要届け出区域に、それぞれ分類されて指定されることになったということでございます。
 これを受けまして、規制対象区域については、都が土壌汚染対策を実施した後も自然由来の物質が存在する区域は届け出区域に分類されることとなりますが、当該区域は土壌汚染の摂取経路がなく、人の健康被害が生ずるおそれがないため、汚染除去等の措置が不要な区域でありまして、再三申し上げておりますとおり、二重三重の封じ込めを行うことにより、安全性については全く問題が生じない、そういうものでございます。

〇田の上委員 対処法ではございませんで、調査をしないで指定解除ができるのかどうかという認識を伺いたかったんですが、お答えいただけなかったようでございます。
 農林水産省の認識についても、先ほどお伺いいたしましたが、本当に認可を出すのかどうか懸念するところでございます。

以上、

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