地域のご高齢の方、子どもたちが一緒に一日を過ごせるというのは、ひとつの理想だと思っております。
子どもたちから元気がもらえるし、ご高齢のかたから、その経験を子どもたちは学ぶことができます。
その理想的な共生社会の実現に向けた事業を鳥取県は行っており、それを中央区議会福祉保健委員会で視察をして参ります。
○「鳥取ふれあい共生ホーム」https://www.pref.tottori.lg.jp/122522.htm
○事例集
file:///C:/Users/sinryodr1/AppData/Local/Temp/Temp1_honmon.zip/honmon/本文.pdf
○ふれあい共生ホーム:照陽の家(てるひのいえ)
https://sites.google.com/site/teruhinoie/
*「通所」、「訪問」、「宿泊」、そして「訪問看護」サービスを利用できる複合型サービスを中核として高齢者・障がい者(児)・子供が、住み慣れた地域で家庭的な雰囲気のもと、きめ細やかなケアを受けながら第2の我が家のようなイメージで利用できる共生ホーム。
*ケアサービス米子では複合型サービスを「照陽の家(てるひのいえ)」(介護保険をご利用される高齢者)と地域型小規模保育「ひなたぼっこ保育園」(子供)の2者を対象。
*現在の核家族に薄れがちとなっている、ふれあいの関係を作り出し笑顔と喜びに満ちた空間を作り出す。
*******米子市の予算的裏付け*****
○H23予算
ふれあい共生ホーム整備事業【長寿社会課】 (3(款 ) 民生費 (項) 1 社会福祉費 (目) 6 老人福祉費
地域で高齢者・障がい者・子どもを包括的にケアし、相互の交流を図るふれあい共生ホームの運営費を助成
6,000
△5,171
○新規 H22当初予算
https://www.city.yonago.lg.jp/4184.htm
ふれあい共生ホーム整備事業
事業内容:
障がい者、子どもおよび高齢者のためのデイサービス等の複合施設建設
(新規事業)
担当課:長寿社会課
担当課要求額
1,117万1千円 →
部長査定額
1,117万1千円
要求額どおり
まさに、福祉分野における最も重要な課題は、「助けて」が言えないかたがたの声をどのように受け止め、どう支援につなげていくかということだと、つくづく考えています。
松本俊彦氏のSNSにより知りました。10月25日発売とのことですので、勉強させていただきます。
***********日本評論社「こころの科学」2018年11月号の特集*******
https://www.nippyo.co.jp/shop/magazine/7895.html?fbclid=IwAR1ZTRyQWD9CV5EPUVjnxrp2ITHsYuWidBzSbOG_8gUD9Z07ekTSfDgYh8A
■松本俊彦=編
【特別企画】「助けて」が言えない——援助と援助希求
———————————————————————————
▼助けを求められない心理
「医者にかかりたくない」「薬を飲みたくない」——治療・支援を拒む心理をサポートする………佐藤さやか
「このままじゃまずいけど、変わりたくない」——迷う人の背中をどう押すか………澤山 透
「楽になってはならない」という呪い——トラウマと心理的逆転………嶺 輝子
「助けて」ではなく「死にたい」——自殺・自傷の心理………勝又陽太郎
「やりたい」「やってしまった」「やめられない」——薬物依存症の心理………松本俊彦
▼支援の現場から
「NO」と言えない子どもたち——酒・タバコ・クスリと援助希求……嶋根卓也
虐待・貧困と援助希求——支援を求めない子どもと家庭にどうアプローチするか………金子恵美
未受診の統合失調症当事者にどうアプローチするか——訪問看護による支援関係の構築………廣川聖子
どうして住まいの支援からはじめる必要があるのか——ホームレス・ハウジングファースト・援助希求の多様性・ つながりをめぐる支援論………熊倉陽介・清野賢司
薬物問題を抱えた刑務所出所者の援助希求——「おせっかい」地域支援の可能性………高野 歩
ギャンブルによる借金を抱えた本人と家族の援助希求——どこに相談に行けばよいのか………田中紀子
ゲイ・バイセクシュアル男性のネットワークと相談行動——HIV・薬物使用との関連を中心に………生島 嗣
性犯罪被害者と援助希求………新井陽子
「人は信じられる」という信念の変動と再生について——被災地から………蟻塚亮二
支援者の二次性トラウマ、燃え尽きの予防………森田展彰・金子多喜子
知的障害のある方を支える二つの法律、知的障害者福祉法と障害者総合福祉法。
わかりやすく解説されています。
⇒ https://jlsa-net.jp/ti/chiteki-law/?fbclid=IwAR2a1UheCCiKiB_ObeunGCWDCAGqQAkd_Xe2jefBVrxgHkhsay0z9UZFqeA
受動喫煙に関する知識が、簡潔にまとめられています。
*****読売新聞20180908*****
まずは、そのような施設を具体的に作る際に、十分議論が必要。
**********日経新聞20180818******************
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180818&c=DM1&ng=DGKKZO3427871017082018CR8000
ギャンブル依存、拭えぬ不安 日本でカジノ
患者の回復施設少なく
カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法が7月20日に通常国会で成立した。今後はカジノが整備される国内3カ所が選ばれ、2020年代半ばにも第1弾が開業する見通しだが、ギャンブル依存症対策への不安は払拭されていない。依存症から脱却を目指す患者の回復施設も少ない。依存症が疑われる成人は約70万に上るとの推計もあり、治療や相談体制づくりが急務となっている。
「パチンコがやめられず借金をした。親にも『金を貸してくれ』と何十通のメールを送った」「自宅とギャンブル場を往復する日々で、家族関係は最悪だった」
6月下旬、ギャンブル依存症の回復施設「グレイス・ロード」のデイケアセンター(山梨県甲斐市)の一室。男性約10人が車座になり、1人ずつ胸の内を語り出した。同施設で週4日行う回復プログラム「グループミーティング」の一幕だ。自分の言葉で過去を告白し、現在の状況に至った経緯を自覚させることが目的という。
入所者の男性(23)は「同じような境遇の人と出会い、自分が依存症と自覚できるようになった」と話す。約2年前から競馬や競艇にのめりこみ、給料約30万円の大半をつぎ込んだ。消費者金融から借金し、親の預金も勝手に引き出した。「悪いと分かっていたが、自分を抑えられなかった。最後はギャンブルしながら借金と闘っている状態だった」と振り返る。
別の入所者の男性(23)は一度ギャンブルをやめたが再び手を出し、家族が入所を決めた。「施設を出たら、またギャンブルをやってしまうかもしれない」と漏らす。
厚生労働省によると、過去にギャンブル依存症が疑われる状態になった人は推計320万人に上り、最近に限ると約70万人いると推計している。
潜在的なギャンブル依存症患者の多さが指摘される中、IR実施法は依存症対策として日本人客には週3回、月10回のカジノ入場制限に加え、6千円の入場料を設定。一方で、カジノ事業者に対しては依存症拡大につながるとの批判がある利用客への金銭貸付業務を認めている。
貸付業務の詳細な仕組みやカジノゲームの種類など331項目については今後、国会での審議を必要としない政省令や管理委の規則で定められる。依存症対策や規制の実効性が確保できるのかが焦点となる。
現時点での依存症の治療や相談体制は十分ではない。公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表によると、患者らがミーティングを行う自助グループは全国に170カ所程度、専門の回復施設は5カ所程度という。
グレイス・ロードのスタッフで自らも依存症を経験した植竹淳さんは「依存症の実態を社会全体で認識することが必要になる。回復プログラムを手掛ける施設は全国でも少なく、行政は相談窓口を充実し、患者を支援団体や回復施設につなげる仕組みを整えてほしい」と話している。
*****朝日新聞***********
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13555539.html
永田町・霞が関、進まぬ屋内禁煙 規制議論の舞台なのに… 個室OK?議員に誤解も
2018年6月25日05時00分
国会と東京都議会で、受動喫煙対策を定めた国の法改正案と都条例案の議論が進んでいる。ともに今会期中に成立する公算が大きく、法改正案の議論の舞台である国会内や中央省庁の敷地内も規制対象になる。現時点では率先して対策を取っているとは言えない状況で、今後、対応を迫られそうだ。
6月中旬の昼過ぎ、東京・永田町の国会議事堂内。衆院本会議の予鈴が鳴り響くなか、本会議場入り口脇の喫煙所に議員らが次々と入っていく。7、8人が入ればいっぱいに。国会内には外部と壁で完全に仕切られた喫煙所が多いが、この喫煙所は壁の一部が空いており、煙を吸引する機器があるものの、煙が漏れる恐れがある。
衆参それぞれの広報担当によると、国会内には、議事堂や、各議員の事務室がある「議員会館」など計80超の喫煙所がある。一方、政党ごとに議員が集まる各党の「控室」はそれぞれの党の裁量に委ねられ、議員会館の事務室内も各自の判断で喫煙できる。喫煙する議員の秘書だった30代の女性は「事務室で窓をこっそり開けたりしていたが、苦痛だった」と打ち明ける。
国の健康増進法改正案や都の受動喫煙防止条例案が今会期中に成立すれば、国会は2020年4月から、オフィスビルと同じ扱いで「原則屋内禁煙」(屋内に喫煙専用室の設置可)になる。厚生労働省などによると、喫煙専用室は煙が漏れない構造にする必要があり、現在の国会内の一部喫煙所は撤去か設備の更新を求められる可能性がある。議員会館の事務室内は喫煙が禁止される。違反者には罰則が適用される予定だ。
衆参の各広報は今後の喫煙所のあり方について、現段階では決まっていないとしている。まだ正確に規制の内容を認識していない議員もおり、議員会館事務室で喫煙しているという議員は「個室であれば、これからも吸えるのではないか」と話した。
(石井潤一郎、斉藤寛子)
■対応に温度差 「省庁内ダメ」14分の4
14の中央省庁では、敷地内禁煙となっているのは4省庁のみ。他には屋内喫煙所がある。
その一つの文部科学省。午後1時前、喫煙所に職員が駆け込む。「午後からまた働くぞというスイッチになる」。一服を終えた男性職員(36)はそう話した。
文科省は19カ所ある喫煙所を7月に6カ所に減らす予定で、今後は屋外喫煙所の設置も検討するという。別の40代男性職員は「外に行くのも面倒だから禁煙も考えないと」と漏らした。
法改正後は、中央省庁など行政機関は敷地内禁煙となり喫煙所は屋外にしか設置できない。現状でこれをクリアするのは健康増進法を所管する厚労省や外務省など4省庁。法改正されると、来夏ごろまでに対策をせねばならない。
だが対応には温度差がみられる。
「20年に向け喫煙所を順次撤廃していきたい」とするのは総務省。76カ所と最も多くの喫煙所がある防衛省は、「法案の趣旨に沿って対応したい」。数が多い理由に約24万平方メートルの広大な敷地に自衛官ら約1万人が勤務することをあげる。
そのほか多くの省庁は「法案の推移を見守りたい」などと回答するにとどまる。
人事院は03年、庁舎内では可能な範囲で全面禁煙に向けて改善に努めるとする指針を出した。朝日新聞の今年5月の調査では、議会に喫煙所があるところを含むものの、都道府県の約8割にあたる38道府県は庁舎内を完全禁煙にしていた。
禁煙推進学術ネットワークの藤原久義理事長は「分煙では受動喫煙は防げない。中央省庁や国会で対応が遅れているのは信じられない。受動喫煙対策の見本となるべき場所のはずだ」と話す。
(黒田壮吉)
■14中央省庁の喫煙所の数
内閣府 6
復興庁 0
総務省 13
法務省 1
外務省 0
財務省 16
文部科学省 19
厚生労働省 0
農林水産省 2
経済産業省 0
国土交通省 15
環境省 0
防衛省 76
警察庁 5
(2018年6月現在。復興庁が入る庁舎には、共用スペースに屋内喫煙所がある)
議案第50号 中央区事務手数料条例の一部を改正する条例
議案第52号 中央区難病患者福祉手当条例の一部を改正する条例
議案第53号 中央区指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準等に関する条例
議案第54号 中央区指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条例等の一部を改正する条例
議案第55号 中央区旅館業法施行条例の一部を改正する条例
以下、それぞれに、委員会での質疑を踏まえて感じた課題なり、ポイントを記載。
1、議案第52号 中央区難病患者福祉手当条例の一部を改正する条例
難病認定は、H30.4月 1414名
難病福祉手当を、受給されているかたは、H30.3月末 704名
各保健所での登録者数の把握有り。年齢別の把握は、登録事項ではなく統計なし。
⇒ 地域別、年代別、疾患別の把握により、福祉保健教育サービスの需要の把握に役立てる。
2、議案第53号 中央区指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準等に関する条例(新設条例)
ケアマネージャー(介護支援専門員)の事業所の指定が、都の権限から、区の権限となる。そのための基準を定める条例の新設。
①権限移譲に伴う中央区の財政負担は、ない。ただし、ケアマネージャーなどの資質向上や事業所の質の向上を担うなどする区の体制の充実はなされる。
⇒ 介護サービスのかなめの役割であるケアマネージャーへの情報提供などの充実が区が行える
②介護されているかたのアセスメントをすることの規定があるが、国の基準を用いる。
⇒ 国の基準が、身体面の評価に重点がおかれ、生活面の質の向上の評価がやりにくいと言われている。アセスメント手法及びその実施成果をフォロー。
3、議案第54号 中央区指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条例等の一部を改正する条例
①お年寄り相談センター(地域包括支援センター)が、障害者の特定相談支援事業所などと連携を強化していく
②共生型地域密着型通所介護を障害者サービスを行う施設が指定を受けられる項目の新設
⇒ 障がいのあるかたが、ご高齢になられた際、同じ施設で、障害者サービスと介護保険のサービスを受けることができるようにする考え方
4、議案第55号 中央区旅館業法施行条例の一部を改正する条例
議案第50号 中央区事務手数料条例の一部を改正する条例
①フロントは、ホテル・旅館のある建物内に設置を求めている。ホテル・旅館の客室のある建物とフロントのある建物が別であることは、認められない。
⇒ マンションにホテル・旅館の客室ができることを防ぐ機能がある
******議案第53号 条例引用の法律抜粋*****
介護保険法
(特例居宅介護サービス計画費の支給)
第四十七条 市町村は、次に掲げる場合には、居宅要介護被保険者に対し、特例居宅介護サービス計画費を支給する。
一 居宅要介護被保険者が、指定居宅介護支援以外の居宅介護支援又はこれに相当するサービス(指定居宅介護支援の事業に係る第八十一条第一項の市町村の条例で定める員数及び同条第二項に規定する指定居宅介護支援の事業の運営に関する基準のうち、当該市町村の条例で定めるものを満たすと認められる事業を行う事業所により行われるものに限る。次号及び次項において「基準該当居宅介護支援」という。)を受けた場合において、必要があると認めるとき。
(指定居宅介護支援事業者の指定)
第七十九条
(略)
2 市町村長は、前項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、第四十六条第一項の指定をしてはならない。
一 申請者が市町村の条例で定める者でないとき。
第八十一条 指定居宅介護支援事業者は、当該指定に係る事業所ごとに、市町村の条例で定める員数の介護支援専門員を有しなければならない。
2 前項に規定するもののほか、指定居宅介護支援の事業の運営に関する基準は、市町村の条例で定める。
介護保険法施行規則 第140条の66第1号イ
(3) 主任介護支援専門員(介護支援専門員であって、第百四十条の六十八第一項第一号に規定する主任介護支援専門員研修を修了した者(当該研修を修了した日(以下この(3)において「修了日」という。)から起算して五年を経過した者にあっては、修了日から起算して五年を経過するごとに、当該経過する日までの間に、同項第二号に規定する主任介護支援専門員更新研修を修了している者に限る。)をいう。)その他これに準ずる者 一人
H30.6.7中央区議会 福祉保健委員会 委員として自身が質疑したことのメモ
中央区側からの報告に対し
〇(質疑ではないが)今回の地域SNS「PIAZZA」との連携協定のように、子育て支援に真剣に取り組む民間との柔軟な連携をする区の努力に敬意を表する点
〇データヘルス計画は、厚労省の国の動きに対応したものであり、国は、データ利用を広く考えているから、地域包括支援の広がりなどもデータ利用できうる点
〇万が一、築地市場が移転した際の、ねずみ駆除で、月島も対象エリアとなるべき点
議題として挙げた点
〇自立支援協議会の「医療的ケア児等連携部会」の中央区側の参加者としては、学校・幼稚園の話もでるだろうから教育部門の方も参加すべき点
〇五輪のマス・ギャザリングに伴う感染症対策として、サーベイランスを日々報告のような点で強化するすべき点、様々な新興感染症の病気の知識をわかりやすく区民に事前に情報提供できるようにすべき点、
〇五輪のテロに備え、四肢からの多量出血を止める縛る道具の普及について
以上
******中央区からの報告案件******
http://www.kugikai.city.chuo.lg.jp/calendar/h30/fukushi_20180607.html
- 阪本こども園(仮称)等における公私連携方式の導入について
- 中央区国民健康保険第1期データヘルス計画等の策定について
- 地域SNS「PIAZZA」の活用について
- 平成30年度学童クラブの利用状況について
- 敬老大会の実施について
- 高齢者食事サービス利用者負担額の変更について
- 桜川地域密着型特別養護老人ホーム(仮称)等の運営事業者の決定について
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に係る基準等の設定について
- 指定介護予防支援の事業に係る基準等の変更について
- ホテル営業及び旅館営業の営業種別の統合、旅館業に係る施設の構造設備等の基準の変更等について
- ねずみ駆除に関する特別対策の実施について
- 難病患者福祉手当の支給対象疾病の変更について
中央区もデータヘルス計画を策定中であるため、国の方針を見ておきます。
****厚労省HP*******
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/hokenjigyou/
医療保険者によるデータヘルス/予防・健康づくり
五輪に向け、多言語対応が課題です。
東京都が、役立つ結核教育用映像資料(DVD)を作成下さりました。
⇒ http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/04/19/15.html
結核も、重要な感染症に変わりありません。
現場の声がまとめられた記事です。
*******朝日新聞20180430***************************
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13474703.html
(フォーラム)身近な精神疾患
2018年4月30日05時00分
精神疾患などがある子を監禁したとして、高齢の親が逮捕される事件が相次いでいます。背景や対策はなにか。大阪の監禁事件をきっかけにした統合失調症の記事(3月12日付朝刊)への反響と、専門家への取材から考えます。
■相次ぐ事件
統合失調症と診断された長女(33)を監禁して衰弱死させたとして、大阪地検は1月、大阪府寝屋川市に住む両親を監禁と保護責任者遺棄致死の罪で起訴した。発見時の長女の体重は19キロだった。事件を受け、フォーラム面(3月12日朝刊掲載)で、統合失調症の当事者や家族が事件をどう受け止めているかや、病気の基本的なポイントを掲載し、多くの反響が寄せられた。4月には、兵庫県三田市で、障害のある40代の長男を木製の檻(おり)に監禁したとして、父親が逮捕、監禁罪で起訴された。
■社会の理解、願う声切実
前回の記事を受け、精神疾患の当事者や家族が多くの体験を寄せてくれました。
◇
●「国立大を卒業し、『世の中のためにがんばろう』と大手企業に就職しました。しかし、仕事についていけず、職場で非難されているように感じて出社が困難に。『役に立たない人間は、死んでおわびしろ』という幻聴が聞こえて退職。統合失調症と診断されて2年入院しました。病状が安定した後、アルバイトをしようとしても、病気を理由に断られ続けました。今は、通院を続けながら、チラシのポスティングの仕事と障害年金で暮らしています。長い時間がかかるかもしれませんが、この病気が社会に認められることを信じて、これからの人生を歩んでいきたいです」(広島県 大森優さん 41歳)
●「発達障害の息子(23)は、いじめに遭い、先生にも責められ、小学5年で不登校に。自傷行為がでて、家族に暴力を振るいました。13歳だった時に入院させましたが、身体拘束をされた経験などで、その後に受診を長く拒否しました。統合失調症とも診断され、今は薬も飲み、暴力もなくなりました。ただ、友達はおらず、家族との会話もほぼなく、一日中自室でインターネットなどをして過ごしています。とてもまじめな子です。『自分で稼ぎたい』と障害者枠で雇用されたこともありますが、『気が利かない』と厳しく叱られて退職。外見からは障害がわからないので『なんで言ったことがわからないんだ』と思われてしまうのです。息子のことで私もうつ病になり、入院。小学校でいじめにあった時、私が学校にもっと抗議していれば、何かが違っていたのではないか。息子に一生をかけて償わなければいけないと思っています。本当の意味で障害を理解して雇用してくれる職場が欲しい。『自分のことを悪く思わない人が世の中にいるんだ』ということを、彼が信じられるようになって欲しいのです」(東京都 57歳 女性)
●「うつ状態と躁(そう)状態を繰り返す双極性障害で30年通院していますが、家族以外には知られないように気をつけています。好奇の目にさらされるのは耐えられません。統合失調症に限らず、世間の人に、精神疾患の正しい知識を持って欲しいです」(札幌市 50歳 女性)
●「妻は10代で統合失調症を発症。結婚後に症状が悪化し、自殺未遂をしたり、電車に乗れなくなったりしました。ここ1年間は、自宅からほぼ一歩も外にでられていません。買い物はヘルパーにお願いし、食事はだいたい僕が作ります。彼女が不安にならないように僕は一日の行動のすべてを連絡し、泊まりがけの仕事もできなくなりました。『そんなに大変なら離婚したら』という人もいますが、妻は、明るくて積極的で純粋でまじめで優しい。彼女と生活する心地よさは、僕にとって、なにものにも代えがたい。ただ、妻のように自宅から出られない人は多い。精神科の訪問診療はとても少なく、どの地域でも受けられるようにと願います」(大阪府 53歳 自営業男性)
●「母は、私が子どもの頃から奇妙な行動をする人でした。当時は母が精神疾患だと知らず、子ども時代の自分はただ悲しかった。50代になってエスカレートし、夜中に窓を開けて隣家の悪口を叫んだり、意味不明の手紙を近所に配ったりするので、毎日が針のむしろに座っているようでした。別々に暮らしていたので、実家の近隣が警察に通報し、そのたびに横浜の自宅から千葉の実家まで片道2時間の往復を何度もした。正直、働きながら精神疾患の親の面倒をみるのはつらかった。救いは病気の知識や支援制度を学んだことでした。統合失調症の人が容疑者の事件が報道されるたび、多くの人はこの病気が何か怖いもののように感じているかもしれません。しかし、統合失調症は特別な病気ではありません。世間の理解が深まることを、患者の家族として願ってやみません」(横浜市の会社員 五十嵐智生さん 48歳)
■家族が丸抱え、支援の充実を 全国精神保健福祉会連合会・小幡恭弘事務局長
精神疾患のある人の家族で作る全国団体「全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)」は4月13日、相次ぐ監禁事件を受け、「事件はひとごとではない」という見解を発表しました。小幡恭弘事務局長にその思いを聞きました。
◇
みんなねっとは昨年10~11月、精神障害者の家族計約3100人(当事者の病気は8割が統合失調症で、その他は双極性障害、うつ病など)に暮らしぶりなどをアンケートしました。その結果、2割の当事者が、福祉サービスを利用せず、日中は「特に何もしていない」と答えました。
背景には、支援の不十分さがあります。外出できない人のための精神科の訪問診療や、同じ病気の人同士が体験を語り合い、回復を目指すピアサポートが必要ですが、ない地域の方が多い。きめ細かな支援がない結果、家族だけで当事者を支えているのです。病状の悪化時には、3~4割の家族が当事者から暴言や暴力を受けていました。当事者のやり場のない思いが、家族への暴力として出るケースが多くみられます。
一方、6割弱の家族が、当事者の病状悪化時に自分の「精神状態・体調に不調が生じた」と回答。『家族だけで全てを背負わなければいけない』状態が続き、家族から当事者への暴力がでる場合もあります。
まず、住んでいる市区町村に相談してください。保健所や精神保健福祉センターに相談する手もあります。同じ立場の人に出会える家族会も相談電話を受けています。事件を防ぐには、行政の福祉施策や医療の充実、偏見の解消といった地道な取り組みが必要なのです。
■二重の不幸、いまなお続く 精神科医・岡田靖雄さん
日本の精神科医療史に詳しい精神科医の岡田靖雄さん(87)は、相次ぐ事件を聞き、「障害のある子どもを親が監禁するケースが、まだ残っていたか」と感じたそうです。その理由を聞きました。
◇
精神疾患の人を親が自宅に監禁する「私宅監置」は、1900年施行の精神病者監護法に基づいて、かつては合法でした。当時は精神科病院が少なかったことが背景にあります。
私宅監置の実態は悲惨でした。東京帝国大の呉秀三(くれしゅうぞう)教授らは、計15府県の計約370の私宅監置室を調査し、1918年に報告書をまとめました。立つのもやっとの狭い空間に閉じ込められ、不衛生な状態で監禁されている人が多かった。私宅監置は50年成立の精神衛生法(現在の精神保健福祉法)によって廃止になり、戦後は私立の精神科病院が急増しました。今や、日本の人口千人あたりの精神病床数は2.7で、OECD加盟国平均の約4倍にのぼります。
患者は国の政策によって、戦前は主に自宅に、戦後は主に病院に「隔離」されてきました。誰もが精神疾患になる可能性がありますが、一般社会から「隔離」され続け、悪いイメージだけが膨らんだ。結果、精神疾患になることを「恥」だと思う人さえ、いまだにいるのです。
そのためか、今回の事件のようなことが、今でも起こる。入院を極力減らし、地域で暮らせる支援態勢を充実させる必要があります。
呉教授は報告書の中で、日本の精神疾患の患者は「病を受けたるの不幸のほかに、この国に生まれたるの不幸を重ぬるものと言うべし」と指摘しました。100年を経た今も、精神疾患がある人の「二重の不幸」は続いています。
◇障害のある子どもを長期間監禁したとして、親が逮捕される事件が相次ぎました。事件化するケースは少数ですが、その背後には、孤立した毎日を送る、当事者と家族がたくさんいました。病気への偏見や、医療・福祉の不十分さが、こういった現状を生んでいると思います。誰でもなる可能性があり、患者数もとても多い。その事実に比べて、あまりにもその実態が一般の人に知られていないと感じました。取材を続けていきます。(長富由希子)
中央区でも、課題のひとつが、ご高齢のかたがますます元気でおられる仕組みづくり。
下記、中国新聞記事では、やりたいリストの提案があります。
まさに、このようなリストそしてそのリストにのったことの実現を支える地域があればよいと考える次第です。
山崎勇三さんの投稿記事から
万が一の時に、周囲の人がAEDを持ってこようと体が動くかが大事です。
*****朝日新聞******
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13408286.html
学校で心停止、AED使用38% 全国295件分析 対応次第で「もっと救える」
2018年3月18日05時00分
学校で生徒の心臓が急に止まってしまう事故で「自動体外式除細動器(AED)」が使われたのは38%にとどまることが、東京女子医大などの研究チームの調査でわかった。事故の大半は運動中に起き、倒れた児童生徒の半数以上が亡くなっていた。清原康介・同大助教は「急な心停止はいつどこで起きてもおかしくない。ふだんの準備といざというときの対応で、子どもたちの命をもっとたくさん救えるはずだ」と話す。
総務省消防庁や日本スポーツ振興センターの情報をもとに、全国の小中高校、高専で児童生徒の突然の心停止がどんな状況で起きているかを分析した。
2009~14年に全国で295件(年間50件前後)の心停止が起きていたが、定期的な心電図検査などで事前に危険が予想できる病気だったのは1割に満たず、ほとんどは原因不明だった。
心停止が起きた場所は校庭と体育館、プールが計66%で、運動中が65%を占めた。中学や高校では授業中よりも部活動などの課外活動中の方が多かった。
先生や生徒らによってAEDが使われたのは111人(38%)で、この人たちを含む215人(73%)が心臓マッサージなどの蘇生措置を受けた。1カ月後に生存していたのは125人(42%)。後遺症が残らなかったケースに限ると100人(34%)だった。
これまでの研究で、AEDを使うと後遺症なく復帰できる確率が約2倍に高まるとされている。だが、学校に設置されていても使われず、心停止した生徒が亡くなった例が相次いでいる。校庭や体育館などにすぐ運べる場所に設置されているかも課題になる。
(編集委員・田村建二)
誰もが、ご自身の望む形で生を全うすることができるようにしていかねばなりません。
終末医療指針、厚生労働省11年ぶり改定。
********朝日新聞20180327******************
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13421586.html
(社説)終末医療指針 人生の最期考える機に
2018年3月27日05時00分
人生の終わりに、本人が望む医療やケアを受けられるようにするための厚生労働省の指針が、11年ぶりに改定された。
死をどう迎えるかは、個々の価値観にかかわる難しいテーマだ。だが団塊の世代が平均寿命に近づき「多死社会」に入ろうとするいま、避けて通れない課題になっている。改定を機に議論の深まりを期待したい。
指針は、最期のあり方について家族や医療・介護の関係者らと話し合いをくり返し、文書に残すように提唱する。アドバンス・ケア・プランニング(ACP、患者の意思決定支援計画)と呼ばれる取り組みだ。いざというとき、自分に代わって治療やケアの検討をしてくれる、信頼できる人を決めておくことの重要性も盛り込まれた。
一人暮らしや認知症の患者が増え、意思確認は難しくなっている。終末期には約7割の人が自分では物事を決められない状態になるとのデータもある。一方、医療現場からは「救急患者に延命治療をしたら、家族に希望とは違ったと言われた」といった戸惑いの声も聞かれる。
こうした混乱を避けるためにも、例えば最期は自宅で過ごしたい、命を延ばすだけの治療は断る、逆にあらゆる手立てを尽くして欲しいといった意思を、家族や関係者で確認・共有しておくのは大切なことだ。
ただ、留意すべき点がある。
まず、本人の自発的な参加が大前提になる。死を考えることに、ためらいや不安、恐怖を感じる人も少なくないだろう。「まだ決められない」というのも大事な意思表示である。
また延命治療といっても、心臓マッサージから人工呼吸器の装着、胃ろうなどによる栄養補給まで様々だ。本人が情報を正しく理解できていないとみられる段階で、選択を迫るようなことがあってはならない。
厚労省検討会が昨年末おこなった意識調査では、最期を迎える場所を考える上で重要だと思うことに、約7割が「家族等の負担にならない」を挙げた。
家族への配慮から、本当の思いとは違う考えを口にする事態も想定される。それを見極め、本人が望む医療やケアを実現するために、専門家も交えた話し合いを重ねる必要がある。
まずはACPについての理解を深めることから始めたい。終末期に本人や家族らと協議した際に医療機関に支払われる「相談支援料」が、「国の医療費抑制がねらい」との批判を受け、凍結された過去もある。
細心の注意を払いながら、息の長い取り組みが求められる。
中央区の状況も、以下、出ています。お隣の千代田区は、下げることができています。
***********朝日新聞20180322***************
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13414338.html
介護保険料、6000円以上6割 74自治体の月額、4月改定へ 朝日新聞社調査
2018年3月22日05時00分
65歳以上が払う介護保険料=キーワード=について朝日新聞が主要74自治体にアンケートしたところ、6割を超える47市区が4月時点で月額6千円以上になることがわかった。保険料は3年ごとに見直され、21市区では月500円以上の引き上げとなる。介護保険の費用が膨れあがっていることが原因で、今後もさらに上がる見通しだ。▼3面=自治体間に差
65歳以上の介護保険料は市区町村ごとに決める。朝日新聞は政令指定市と県庁所在市、東京23区の計74市区に対し、2018~20年度の月額保険料(所得に応じた保険料の基準となる額)の見込みを聞いた。
74市区のうち15~17年度の保険料が7千円を超える自治体はなく、21市区が6千円を超える。18年度からは大阪市(7927円)と那覇市(7055円)が7千円台に。26市区が新たに6千円台に乗る。引き上げ額が最も大きいのは大阪市の1169円増。
一方、岡山市や盛岡市、大分市、東京都中央区など10市区は保険料を据え置く。要介護者数が予測を下回り、余ったお金を保険料の抑制に回した。介護予防などの成果とする自治体もある。唯一の引き下げは東京都千代田区で、400円減って5300円になる。
介護保険サービスにかかる費用は、制度が始まった00年度の3・6兆円から毎年増え続け、18年度には11・1兆円に達すると見込む。65歳以上の保険料を00年度と比べると、ほとんどの自治体で倍増している。
「団塊の世代」がすべて75歳以上になる25年度の保険料については、回答した56市区のうち8割近い43市区が月8千円以上になると見込んだ。
(船崎桜、及川綾子)
◆キーワード
<介護保険料> 自己負担を除く介護保険サービスの費用は、40歳以上の人が払う介護保険料と税金で折半する。保険料の負担配分は世代の人口を考慮し、新年度から40~64歳が27%、65歳以上が23%。65歳以上の保険料は、市区町村が利用されるサービス量を予想して3年ごとに決める。所得に応じて段階的に変わるため、今回の調査では基準となる額を尋ねた。全国平均は制度が始まった00年度の月2911円から、15~17年度の月5514円まで上昇している。
■4月からの介護保険料見込み(月額・円)
◇政令指定市
介護保険料 現行比
札幌市 5773 +596
仙台市 5893 +400
さいたま市 5421 +158
千葉市 5300 +150
横浜市 6200 +210
川崎市 5825 +285
相模原市 5800 +425
新潟市 6353 +178
静岡市 5492 +225
浜松市 5534 +334
名古屋市 6391 +497
京都市 6600 +520
大阪市 7927 +1169
堺市 6623 +495
神戸市 6260 +531
岡山市 6160 0
広島市 6170 +302
北九州市 6090 +390
福岡市 6078 +307
熊本市 6760 +1060
◇県庁所在市(指定市以外)
介護保険料 現行比
青森市 6679 +285
盛岡市 6174 0
秋田市 6232 0
山形市 5700 +300
福島市 6100 +200
水戸市 5900 0
宇都宮市 5281 +750
前橋市 6233 +450
富山市 6300 0
金沢市 6590 +310
福井市 6300 +200
甲府市 6482 +609
長野市 5670 +180
岐阜市 6580 +800
津市 6456 +289
大津市 6350 +200
奈良市 5844 +920
和歌山市 6600 0
鳥取市 6500 +275
松江市 6343 +495
山口市 5580 0
徳島市 6560 +700
高松市 6633 +508
松山市 6650 +430
高知市 5680 +189
佐賀市 5960 +690
長崎市 6800 +717
大分市 5994 0
宮崎市 5700 +220
鹿児島市 6241 +475
那覇市 7055 +905
◇東京23区
介護保険料 現行比
千代田区 5300 -400
中央区 5920 0
港区 6245 0
新宿区 6200 +300
文京区 6020 +378
台東区 6140 +490
墨田区 6480 +1080
江東区 5400 +200
品川区 5600 +300
目黒区 6240 +460
大田区 6000 +400
世田谷区 6450 +600
渋谷区 5960 +330
中野区 5726 +66
杉並区 6200 +500
豊島区 6090 +300
北区 6115 +677
荒川区 5980 +318
板橋区 5940 +560
練馬区 6470 +645
足立区 6580 +400
葛飾区 6400 +420
江戸川区 5400 +500
※議会での議決前を含む見込み額。佐賀市は佐賀中部広域連合の保険料
**********朝日新聞20180322******
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13414280.html
保険料、自治体で差じわり 大阪市「↑」・千代田区「↓」 介護保険調査
2018年3月22日05時00分
65歳以上の介護保険料は上がり続けるが、自治体による差も表れ始めた。保険料の上昇を抑えるため、自治体は高齢者の自立支援策に力を入れる。▼1面参照
大阪市の月額保険料は4月から8千円に迫る見込みで、主要自治体では突出して高い。なぜこれほど高くなるのか――。市介護保険課は大きく二つの理由があると分析する。
一つは高齢者がいる世帯の独居率が高いこと。2015年は約42%で、全国平均の約27%を大きく上回る。家族の支援を頼れないため、介護サービスの利用が増える傾向がある。
二つ目は低所得の高齢者が多いことだ。市によれば高齢者のほぼ半数が住民税非課税世帯。保険料を軽減される対象が多く、基準額を高くせざるを得ない。
市の担当者は「他都市と比較して高いことは認識している。介護予防などに取り組み、引き続き国に公費負担割合の引き上げを求めていく」と話す。一方、全日本年金者組合大阪府本部の伊藤一正・副委員長は「年金天引きの場合は『支払いを待って』とも言えない。保険料のために食費を削る事態になる」と危機感を募らせる。
対照的なのは、4月から保険料を減額する東京都千代田区。こちらは所得の高い高齢者の割合が多い。
一定の所得がある高齢者は、15年8月からサービス利用時の自己負担割合が1割から2割に上がった。2割負担の人の割合は全国平均が約9%で、千代田区が約30%。自己負担が増えた分、保険料の負担を抑えることができたという。
高齢者の所得格差の影響を緩和する国の調整交付金はあるものの、自治体の差は広がる可能性がある。
(清川卓史、船崎桜)
■高齢者元気に、事業者を後押し
25年度には大阪市の約1万200円を筆頭に、那覇市や東京都墨田区など6市区が9千円台になる見込みだ。自治体も対策を進める。切り札と期待するのが、要介護度を改善して介護サービスの費用を抑えようという取り組みだ。
川崎市は16年度から「かわさき健幸福寿プロジェクト」を始めた。高齢者の要介護度や日常生活で使う身体機能が改善されれば、1人あたりにつき年間5万円を介護事業者に支給する。
16年度は参加した高齢者のうち15・9%は要介護度が改善し、49・1%は状態を維持した。20年度には、それぞれ17%、65%に引き上げる目標だ。市の担当者は「元気な高齢者が増えれば、結果として保険料を抑えられる」と強調する。
事業者に支給金を出して「やる気」を促す取り組みは、東京都品川区や岡山市などでも始まっている。
宮崎市は18年度から、薬剤師や作業療法士らが参加する会議を正式に立ち上げる。軽度の要支援と認定された高齢者の一部を対象に、ケアプラン(介護計画)が自立支援に沿った内容になっているか複数の目で点検。要介護認定の必要がなくなる人の割合を1割にすることをめざす。
名古屋市は自立支援に沿ったケアプラン作りに向け、ケアマネジャーの研修を計画。18年度からの保険料が月6679円と調査対象の74自治体中5番目に高い青森市は、介護予防の体操などを実施する活動拠点を3割ほど増やす。
政府はこうした取り組みで効果を上げた自治体に対する交付金を増やすことで、後押しする。
(及川綾子、高橋健次郎)