市販薬の過剰摂取が、問題になっています。
それを防ぐことも、小児科医の重要な役割のひとつと考えています。
それをした子を、いかに繰り返させないことも大事。胃洗浄などとてもつらいことがわかっていても、過剰摂取を繰り返さずをえない子ども達にいかに寄り添えるのだろうか。
*****朝日新聞2023.12.3*******
●緊急対応の手引き
https://www.mext.go.jp/content/20210701-mext_jidou01-000016513_010.pdf
●学校の危機対応と心のケアの手引き(2016)
https://www.zmhwc.jp/pdf/news/gakkounokikitaiou.pdf
●東京都教育委員会 自殺対策の取組
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2018/files/release20180222_02/torikumi.pdf
●東京都保健医療局
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/tokyokaigi/torikumi/kaigi/kaigi/kaigishiryou030302.files/1220_030302_3gakkou.pdf
●厚生労働省
児童生徒の自殺対策について
https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000900898.pdf
●こども家庭庁
令和6年度予算概算要求におけるこどもの自殺対策関連予算の状況について
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/03006ae5-dd30-493c-ac45-e258f94b25a1/9fd10924/20230904_councils_kodomonojisatsutaisaku-kaigi_03006ae5_04.pdf
●こども家庭庁
こどもの自殺対策緊急強化プラン
令和5年6月2日
こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議
第37回江東豊洲産婦人科懇話会~プレコンセプションケアを考える Part1~に本日参加し、多くの学びを得ることができました。
日本医科大学多摩永山病院 院長 中井章人先生による「胎盤関連産科合併症と栄養」というテーマのご講演。
胎盤関連産科合併症(PMPC,Placenta-mediated pregnancy complications)は、胎盤の形成不全や機能障害に関連して発症する産科合併症の総称で、妊娠高血圧腎症、常位胎盤早期剥離、small for gestational age(SGA)、早産、後期死産(late pregnancy loss)などが含まれます。
それら疾患群には、共通した特徴があります。
1,高い再発性:胎盤関連産科合併症を経験したひとは、次の妊娠でも高率で経験
2,世代間の再発性:胎盤関連産科合併症で生まれた子が妊娠したら、同じように胎盤関連産科合併症を合併する
3,将来の生活習慣病リスク:胎盤関連産科合併症を経験した母親は、生活習慣病としての脳や心血管の障害に効率でなる。
胎盤関連産科合併症で生まれた児は、同様に高血圧、心血管疾患、脳卒中、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の発症しやすい(DOHaD仮説)。
4,治療が難しい:アスピリン(平滑筋弛緩、抗炎症、血小板凝集抑制)や低用量ヘパリン(抗炎症のみで血栓抑制効果はない)の治療があるが、難しい。妊娠16週までの早期からの治療が肝要。血管内皮障害が根本原因にあり、そこへの治療となる。
栄養について、みていくと、
もともと、妊婦は、葉酸(二分脊椎の発生率に関係、胎盤関連産科合併症も予防)、ビタミンC、ビタミンD、鉄、カルシウム、マグネシウムなどいずれをとっても推奨量を下回っている問題がある。
葉酸やマルチビタミンを、妊娠前含め全ての妊娠期間中に長期に服用することで、胎盤関連産科合併症の予防効果は高まる。
そもそも若い女性では、主食・主菜・副菜がそろった食事をとっている割合が低い。ほぼ毎日なのは、20代で1/3程度(32.1%)。結果、やせ(BMI<18.5)が、4人~5人に一人いる(20%台前半)。
やせで、妊娠中も体重増加不良であれば、早産率は、40%を超える。
まずは、適切な栄養をとることが、ものすごく大事!!!
性暴力被害について、子どもも対象になりうるという点からは、私たち小児科医も医療的支援ができるようにせねばなりません。
「医師の理解にばらつき」という記事に対し、小児科医も相談窓口のひとつとして機能する必要性を考えます。
*********朝日新聞2023.7.23*******
学校での健診で、身長・体重が測定されます。
成長が順調か、とても重要なデータです。
成長cm、体重kgという数字だけではなく、どのように大きくなっているかを、時間軸に合わせて点をつけていき、「成長曲線」を描くと、大変わかりやすくなります。
成長曲線作成ソフト、それは、エクセルに、生年月日と測定日における身長と体重を入れるだけで、グラフになるソフトが簡単に入手できます。
日本小児内分泌学会が提供下さっています。
小学生・中学生の皆さん、どうか、ご活用ください。
*成長発達の解説
https://www.fgs.or.jp/pdf/11_booklet/305_booklet.pdf
***************日本小児内分泌学会HP********
http://jspe.umin.jp/medical/chart_dl.html
第1、アドボケイト(意見表明支援員)が何ができるか。
1、まずは、子どもの権利を中心とした社会を、児童福祉法改正・こども基本法制定を機に子どもの意見表明ができる仕組み作り(第9参照)をしっかりと作っていくことが求められます。
2、また、子ども自身にも子どもの権利がどういうものであるか(第6参照)、意見表明権とはどういうことかを知ってもらうことが重要で、子ども達に関わる大人が機会を作り、子ども達に伝えていくことが求められています。
3、最後に、実際に子どもが意見を言える場作りが重要です。子どもが口を開く場、ぽろっと話せる場を作る必要があります。子ども会議、意見箱、交換日記、FGC設置などもまた有効です。
まず、子どもの意見をどのような姿勢で聴いていくべきか、第2で述べます。
第2、アドボケイトが子どもの意見を聞く場合に大切なこと
支援の際は、子ども達が、
しかし、
子どもと「ともに」
あらゆる子どもに通じる傾聴のありかたを以下、10のポイントを述べる。
1、安全をつくること
まずは、安全をつくること。笑顔で聞いてあげて、
2、目を見て聴く
聞いてもらえたという実感を与えられるように努力する。
3、さえぎらないこと
一つ一つ丁寧に、時間をかけて聴く。時間をかける中では、
4、言葉だけでなく、声、表情を受け止める
本人が言ったことばをそのまま受け取るのではなく、声、
5、言いたくないことは言わなくて良い、言ったことも撤回できる
言いたくないことは言わなくてよいこと、途中でやめてもよい、
6、遊びの場なども活用
遊びをしながら、
7、大人としてではなく対等な立場で聴く、専門性の帽子を脱ぐ
大人の経験や専門性はまず横に置いておいて、
8、子どもには力がある
子どもには、力があることを信じて聴く。
9、トラウマインフォームドケアのスキル
トラウマインフォームドケアについても学びながら傾聴のスキルを
10、学校連携
学校などの他機関との連携を行う。
第3、一時保護所でのアドボケイトの大切なこと
一時保護所がどのような場であるか、アドボケイトは、
また、他地域との比較も重要で、永留里美氏の本講座『
もし、
本講座藤林氏によると、子どもが突然連れてこられ、
もちろん、メリットもあります。たいていの子ができなかった、
連れて来られるにあたり、運動会・体育祭などの行事を、
きっと子どもは、不安であり、孤独であり、悪くない本人が、
接するアドボケイトは、きちんとその子に寄り添い、
所属学校とつなげることも大事であり、担任の先生やスクール・
なお、講演の際に、一時保護書での子どもの手紙が、
第4、里親制度を活用する子どもへのアドボケイトで大切なこと
当然ではあるが、里親制度をきちんと理解した上で、
特に里親では、第三者が増えるということをまずは、
本人にとっても、
里親の場合は、山本氏が実践されているような「
アドボケイトができる一番重要な役割は、
第5、児童福祉移設を活用する子どもへのアドボケイトで大切なこと
施設に入っている子への社会的なレッテルをどうするかは、
第6、どのように第5を解決するか、権利教育から始まる
そもそも、権利とは何か、日本では小学校6年生で、
反対の意見があってもそれを尊重すること、また、
自分にも意見があって、それと対立する反対の意見もある。
意見と意見が対立し、両方が実現できないこともある。 だからこそ、対話して、解決がなされていく。
現在、文科省がやろうとする「主体的対話的深い学び」に、実は、
第7、障がいのある子へのアドボケイトで大切なこと
障がいがある子へのアドボケイトのありかたは、
ただ、虐待のリスクは、ない子の4倍という統計もあり、
白紙でその子を見ることがとても大切であると考えます。
また、脱施設は、障がい者施策全体で言えることであるが、
第8、休む権利
支援に入る際に、自身の体調を感じておくことは、
教師、職員でさえ、疲れることががある。
しんどい場合は、その場から離れる、一旦休憩し休むこと。
子どもにも、大事な、休む権利が保障されねばならない。
第9、令和6年施行、改正児童福祉法、子どもの意見表明権に関する部分の施行する上での注意点
子どもの権利条約批准、こども基本法施行、
その中でも、最も重要な課題のひとつは、
具体的には、「意見表明等支援事業」が始まります。
改正(新設)された条文で、
1,新設 第6条の3 17項
①子どもの「意見又は意向の把握」だけではなく、そもそも「
②子どもの意見を聴くひとは、「
③子どもの意見を聴くひとがすることは、「連絡の調整」が、
2,新設 第33条の6の2
①子どもの声を聴くことが、着実に実施されるために、「
3,新設 第34条の7の2
①都道府県が、
4,新設 第33条の3の3
①「年齢、発達の状況その他の当該児童の事情に応じ」
<参考>
●法改正の該当箇所 https://www.mhlw.go.jp/
●子どもの意見聴取等の仕組みの整備 https://www.mhlw.go.jp/
●スケジュール https://blog.goo.ne.jp/admin/
第10、子どもの意見表明権を実施し、防いでいくべき状態、ACEサバイバーを守ること
小児期逆境体験(ACE、Adverse Childhood Experiences)が成人になって及ぼす影響が多大であり、それを防ぐことが小児科医の使命であると考えます。
ACEとは、0歳から18歳までの子ども時代に経験するトラウマ(心の傷)となりうる出来事を指し、①身体的虐待、②心理的虐待、③性的虐待、④身体的ネグレクト、⑤心理的ネグレクト、⑥親との別離、⑦近親者間暴力、⑧家族のアルコール依存・薬物乱用、⑨家族の精神疾患・自殺、⑩家族の服役の10の質問項目で経験した数の合計が、ACEスコア(0~10)です。
1980年代から米国で始まった研究で、ACEスコアと成人後の心身の疾患や問題行動に明らかな関連があり、スコアが4以上の人はゼロの人と比べ、がんになるリスクは1.9倍、脳卒中は2.4倍、アルコール依存は7.4倍、自殺未遂は12.2倍高いという結果が出ています。
また、失業や貧困、社会的孤立や子育ての困難も高率に来たします。
発症のメカニズムは、ストレス反応の変化、脳そのものの変化、遺伝子発現の抑制などと考えられます。
小児期にACEによって受傷しながらも、その子どもが地域で信頼できる他者と関りをもつこと等で、その傷とうまく折り合いをつけて強く生きていくことが可能です。
トラウマへのケアもなされます。ACEサバイバーが生きやすい社会そしてACEそのものを予防できる社会を考えて参りましょう。
三谷はるよ著『ACEサバイバー』が入門書の一つとして参考になります。
以上
タブレットが、SOS発信に役立つのであれば、ぜひ、活用を考えていきたいと思います。
********朝日新聞2023.6.3*******
子宮頸がんワクチンの積極的勧奨が始まっています。
予診票が配布されていますが、1回目、2回目で終わっている人へは、予診票が改めて配布されません。
どうか、ご自身で気づき、残りの接種をお願いします。
中央区としては、接種が途中で終わり完了していないひとへのお知らせなり、予診票が再配布できないか、お願いしてみます。
*********中央区 ホームページ**************
https://www.city.chuo.lg.jp/a0031/kenkouiryou/iryou/yobousesshu/shikyuukeigan/sikyukeiganyobou.html
毎日新聞が、大変重要な記事を掲載くださっています。
思春期あたりの拒食症の話題。
子ども達の間で、どうしても発症してしまう例があります。
やせたい願望が、体を蝕んでしまいます。
警鐘をならさせていただきます。
******毎日新聞2023.6.5*********
2022.5.13に掲載した記事ですが、念のため、再掲します。
新しい学校、学年が始まって、緊張していた糸が、GWで、ゆるんで、そのまま、戻らずに、学校行き渋っている子、おられませんか。
まずは、気持ちを受け止め、回復を待ちましょう。
低学年では、それだけで、発熱や腹痛にもつながります。
小児科にも、ぜひ、ご相談ください。
ゆっくり、体を慣らしていきましょう!
本日2022.5.13、東京新聞でも取り上げられていました。
*********東京新聞2022.5.13*****************
小児科医にとっては、感染症医はとても大切な存在です。
小児科外来イコール感染症外来といっても過言ではありません。
また、小児科では、白血病などの治療を行います。
その際にも、がん細胞を叩く際に、白血球が極度に減少し、感染症との闘いでもあります。
その時は、常に、感染症医と連携を取ってきました。
感染症医は、患者がいないという文脈が、大きく現実から乖離したものであり、認識を正していただけますようにお願い申し上げます。
*******時事*********
https://medical.jiji.com/news/56842
池本 修悟さんのSNSでご紹介されていた記事。シェアさせていただきます。

最新の数字: 年度途中である令和4年12月末の数字 小学校249件、中学校36件

******ヤフー記事 転載*****
西鉄バスジャック事件の時、犯人の少年に「牛刀」で切りつけられた被害者が語ったあまりに「意外な想い」
配信
牛刀をふりかざし、大人たちを支配した少年
2000年5月3日、ゴールデンウィークの最中、佐賀発福岡行きの高速バスが17歳の少年に乗っ取られ、1人が死亡、2人の負傷者を出した。薄暗いバスの中、鋭く光る刃渡り30センチの牛刀を持って歩く犯人の映像は、日本中を恐怖に陥れた「西鉄バスジャック事件」である。
家庭の中にも外にも居場所を見つけられず、犯罪によって怒りを社会にぶつける若者による事件はその後も続いている。 本件の被害者でありながら、加害少年と対峙した山口由美子さんに話を伺った。
23年前の5月3日、山口さんは友人と一緒に天神でのコンサートに行くため、高速バスに乗っていた。バスが高速道路に入ってしばらくした頃、一番前に座っていた少年が突然立ち上がり、牛刀を振りかざしながら、全員後方に座るよう命令した。 その言葉に凄みはなく、山口さんは、 (なぜこんな子がこんなことを言うのだろう……)と唖然としていた。 すると、眠っていて少年の行動に気が付かなかった乗客が突然刺され、車内に戦慄が走った。 しばらくして、運転手はトイレ休憩が必要だと少年を説得し、一部の乗客がバスを降りることを許された。トイレに行くとバスを降りた乗客のひとりが、隙を見て警察に通報した。 その様子に気が付いた少年は腹を立て、 「あいつは裏切った。連帯責任です」 そう言って、いきなり山口さんを切りつけた。山口さんは倒れ込み、通路は傷口からの出血で血の海に見えたという。 その後も、隙を見て窓から飛び降りた乗客がいた。少年は次に、山口さんの友人を刺し、友人はしばらくして息を引き取った。
少年を殺人者にしたくないという思いが命をつなぐ
「この子も私の傷と同じくらい傷ついている……」 山口さんは少年の様子を見てそう感じ取っていた。そして、傷ついている子を殺人犯にしたくないという思いが湧き上がり、傷の浅かった右手で身体を支え、傷の深かった左手を心臓より高い位置にあるひじ掛けに置いた。この時、倒れたままだったならば失血死していたかもしれない。
その後、警察の交渉により、怪我人が解放されるチャンスが訪れる。ようやく助かったと思った矢先、
「こいつしぶといな、殺してやろうか」 という少年の声が聞こえた。
「もういいでしょ」 少年の側にいた女性の一言が、さらなる凶行を止めた。少年は暴走する自分を誰かに止めて欲しいと思っていたのではないかと感じた。
山口さんは無事救出され、広島市内の病院に搬送された。出血多量で輸血を受け、なんとか一命を取り留めた。
逃げた人々が受けた社会的制裁
事件発生から15時間が経過した頃、警察の特殊部隊がバスに突入し、少年は逮捕され、乗客全員が救出された。 少年逮捕後に過熱したのが、自力でバスから脱出した人々へのバッシングである。 「卑怯者」「死者を出したのはお前たちのせい」 と怒りの矛先は被害者であるはずの彼らに向けられ、仕事を続けられなくなり、転居を余儀なくされる事態にまで発展した。 「あのような状況に身を置いた人でなければ分からないのではないかと思います……。あの状況では、自分のことしか考えられません」 山口さんは、逃げた人々も同じ被害者だと訴える。
少年の両親による謝罪
山口さんが退院してしばらくすると、少年の両親が謝罪に訪れた。少年は中学時代、学校でからかわれたり、暴力を受けるといった壮絶ないじめを受けていた。ある生徒から筆箱を取り上げられ、 「返してほしかったらここから飛んでみろ」 と踊り場から飛び降りることを強要された。運動能力の発達した子どもなら可能だが、少年は上手く着地できず、腰の骨を折る大怪我を負った。そのため高校受験も入院先での受験となってしまった。第一志望の高校はあきらめ、第二志望の高校に合格するも、学校に馴染めず、ひきこもりになっていた。
少年は、いじめへの復讐として中学校襲撃事件を計画しており、凶器の購入など計画に気が付いた両親は、精神科の病院に医療保護入院させることにした。少年は見捨てられたという思いからか、「覚えていろよ!」と親への復讐を仄めかした。少年は1日も早く退院するため従順を装い、医師たちを安心させた。そこで医師が外泊を認めた日、事件を起こしたのだった。
事件後、息子が殺人犯となったことで父親は失職し、家族は孤立した。親にとって、子どもに殺人を犯される以上の苦しみはない。少年は、事件によって家族への復讐を果たしたともいえる。
「どうしてちゃんと向き合ってあげなかったの?」 山口さんは、少年の両親の話を聞きながら問い詰めた。山口さんもまた、子どもの不登校に悩まされた経験があり、だからこそ、親としていじめの傷に苦しむ我が子に寄り添ってあげて欲しかったという。
少年の両親は家庭で暴れる少年に隷従しており、暴力や脅迫によって人を支配できることを少年に教えてしまったようなものだった。
少年との面会
山口さんは事件の瞬間からずっと、少年のことが頭を離れず、少年と話をすることを望んでいた。
山口さんは、医療少年院で少年と面会することが叶った。山口さんの前に現れた少年は、深々と頭を下げたという。
「これまで誰にも理解してもらえなくて辛かったね」 山口さんは、そう言いながら少年の背中をさすると、孤独だった少年の苦しさが伝わり、涙があふれてきたという。学校で酷いいじめに遭い、不登校だったわが子と、少年の姿が重なっていた。
事件で山口さんが負った傷は、少年の心に受けた傷そのものだったのかもしれない。
それでも、彼を赦したわけではなかった。赦すのはこれからであり、これからの生き方を見ていくと伝えていた。
「私のことを思って泣いてくださった時、自分の罪深さと温かい思いが同時に沸き起こりました」
その後、少年から届いた手紙にはそう書かれていた。山口さんにとって彼の言葉は、心からの謝罪だと感じた。少年は山口さんを信頼し、本音を打ち明けてくれるようになっていった。面会や文通を重ねる度に、少年の成長を感じることができた。
被害者だからこそ見えた少年の傷
事件後、「キレる17歳」「少年の心の闇」といった言葉がメディアで多用され、世論は少年への罰を重くする方向へと流れてきた。一方で、再犯防止の観点から社会的孤立を防ぐ取り組みも重視されているが、大人が一方的に提供する場所が必ずしも子どもにとっての居場所になるとは限らない。
「話を聞いてもらうだけでいい、答えは自分で出すから」 山口さんが、我が子に何度も言われた言葉だった。大人はつい、こうしろああしろと口を出してしまうが、子どもの思いを否定せず、ただ「つらかったね」と受け止めることが重要だと話す。簡単なようで難しい。しかし、特別なことをするより、本来、子どもたちが求めていることなのかもしれない。
「事件後、多くの加害者たちはかつて被害者だったんじゃないかと考えるようになりました」 世間は少年を「凶悪犯」「モンスター」と呼んだが、人間らしい感情を蘇らせたのは、少年に最も傷つけられた被害者だった。
阿部 恭子(NPO法人World Open Heart理事長)
子どもアドボカシー、すなわち、子どもの意見表明権(子どもの権利条約第12条)について、意見公告しました。
子どもの権利条約第12条では、子どもが意見を述べ、それを反映させていくべきことが定められています。
きちんと子どもの声を受け止め、政策に反映さえていくべきときが来ていると考えています。
子どもの声の代弁者のひとり、小児科医として、積極的に進めて参る所存です。
●子どもの権利条約 第12条
第12条 |
|
*******月刊誌「福祉のひろば」5月号の「ひろばトーク」******



こんにちは、小坂クリニックです。
昨日お伝えしました胃腸炎のはやりの件につきまして、中央区からもプレス発表がなされましたので、共有いたします。
全児童・教職員743人の一割強10.9%の81人がり患。
原因は調査中で現時点で不明ですが、給食の開始がない一年生のり患が多いことから、給食による食中毒は否定されています。
対象校だけではなく、全体的に、胃腸炎が流行っており、当該校だけではなく、区内の皆様、よく石鹸で手洗いをお願いします。
おそらくウイルス性で、胃腸炎の場合、アルコールが効きませんので、ご注意願います。
消毒は、次亜塩素酸になります。
*吐いたら、お腹を休めてください。(吐いたら飲むな、「脱水注意」といいながら最初は飲むと吐くだけなので飲まないでください。)
*吐き気が落ち着いてきたら、少しずつ水分を。OS-1のゼリータイプをお勧めします。
*下痢になったら、少しずつ消化のよい食事を。便と同じ硬さの食べ物を。
*救急受診のタイミング 1、吐き気が続く 2,元気なく顔色悪い 3,唇乾いて、目がくぼんで、おしっこ出ない(脱水注意)
ご心配の場合、お気軽にクリニックにお電話ください。
電話03-5547-1191
文責:小坂こども元気クリニック・病児保育室
小坂和輝
************中央区HP 抜粋*****************
https://www.city.chuo.lg.jp/a0003/kusei/kouhoukouchou/press/230413.html

欠席者(4月12日時点)
81人(全児童・教職員743人の10.9%)
- 1年生 126人中32人(25.4%)
- 2年生 118人中18人(15.3%)
- 3年生 134人中6人(4.5%)
- 4年生 102人中13人(12.7%)
- 5年生 103人中3人(2.9%)
- 6年生 99人中8人(8.1%)
- 教職員 61人中1人(1.6%)
調査
4月12日(水曜日)に、教育委員会事務局と保健所が月島第二小学校で発生状況等の調査を行いました。なお、現時点で原因は不明ですが、給食実施前の1年生の欠席者割合が最も高いことから、給食による食中毒の可能性は低いとされています。
対応
4月13日(木曜日)から同月16日(日曜日)まで1年生と2年生を学年閉鎖することとし、全学年の保護者に周知しました。また、月島第二小学校の放課後子ども教室(プレディ)利用者の全保護者と同校児童が利用している勝どき学童クラブ利用者の全保護者に周知するとともに、同校の1年生と2年生の利用自粛を依頼しました。なお、全体保護者会であらためて状況を説明します。
今後の対策
校内の消毒を徹底し、児童の保護者に対して朝の体温測定等健康管理を行うとともに、体調不良の場合は学校に連絡するよう依頼しています。
お問い合わせ先
教育委員会事務局学務課保健給食係
〒104-8404 築地一丁目1番1号 本庁舎6階
電話:03-3546-5515