ムベの花

　このところ夜中から朝方にかけて気温の高い日が多かったのですが、9日は冷えましたねぇ。この時期としては強い寒気が流入しているそうで、各地でサクラの話で持ち切りのところに不意を突かれたように雪が飛び込んできました。8日から9日にかけて北海道、東北、北陸に雪が降り、関東でも北部で降ったそうです。東京もこの日の最低気温は都心で6度、練馬は4度と季節が一か月も戻ったような冷え込みで、ワタシは夜中に寒くて目が覚めました。汗をかいてたところに気温が下がったのと、薄い布団で身体が冷たくなったようです。

　日中は日差しがたっぷりで気温も16度から17度くらいと平年並みに上がったので、牧野記念庭園へ行ってみました。朝ドラ効果でこの日も早くからいっぱいの訪問客でにぎわっていました。ひと際目を引く大きなキリシマツツジなどツツジが見頃ですが、珍しいムベの花も咲いてました。アケビ科のつる性植物で秋にアケビに似た実をつけるムベは、聞いたことがあるかもしれませんが花を見た人は少ないかもね。白い反り返った花の内側はエンジ色ですが、この花びらに見えるのは蕚片（がくへん）だそうです。

　実を食べると長生きするという言い伝えから「不老長寿」の実として古くから栽培されている伝説の果実です。面白いのは漢字で書くと郁子。女子の名前のようですが、なぜこの字が使われているのかについてはよくわかりません。馥郁（ふくいく）とした香りの、子は木の実という意味があるそうですが。ムベはアケビと違って熟しても実が裂けません。笑ったようなアケビに対して、口を閉じてにんまりのようなムベの花言葉は「愛嬌」だそうです(笑)。