ガス灯

　３日の節分に増上寺に行こうと久しぶりに訪ねた浜松町。飛行機に乗る機会がまずなくなった今、東京タワーに行く以外はほとんど訪問することはない街です。地下鉄の階段を上がって地上に出ると、銀座や新宿といった街とはちょっと雰囲気の違いますね。ぶらり歩いていると珍しいものに出合いました。私の生まれるずっと前に活躍していたガス灯がお蕎麦屋さんの壁に設置されていました。文明の灯、明治５年に横浜、同７年に(東京）京橋、金杉にて点灯と書いてあります。もちろん実物で、初めてガス灯なるものを目にしましたが、当時はまだ石油ランプが一般的でしたから相当珍しがられたのでしょうね。


　白熱電球が出現するまでは長いこと照明の主役でしたが、今ではもう姿を消しただろうと思って調べてみてびっくり。私が知らなかっただけで全国には３０か所でまだ現役のガス灯が街路灯などで使われているんですね。もちろん、現代では蛍光灯や、最近ではLEDが照明の主役ですが、レトロブームで昔のガス灯が復元されたり、モニュメントとして照明に使われているものがほとんどでしょう。小樽の運河や横浜の馬車道など、観光地が多いことからわかるように、炎の柔らかい光がムードを醸し出しているのでしょうね。都内では新宿区役所の正面にもあるそうで、最も規模の大きいのは千葉県四街道駅南口のめいわガス灯通りの２．２キロに２２８基のガス灯が輝いているといいます。